011.ノースウェスト・ヴィレッジ
2002.4.30
【連載小説11/260】
不思議な光景である。
まだヒトが住みだして数ヶ月しか経っていないのに、この村にはある種、完成された文明の落ち着きのようなものがある。
それも自然と反発し合わない文明…
完成したばかりの風車はいかにも人工的なデザインで、一瞬、違和感を感じるが、慣れると椰子の樹同様、ずっと以前からそこに根をおろしていたような気がする。
貿易風を受けて回るブレードの音も、草木のそよぎの一種のようだ。
他の村では木づくりの小屋が主流だが、ここにはソ