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世界一周307日

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2011年3月10日。ひとりの旅行作家が全く新しいシステムによる世界一周の旅をスタートさせた。巡る先はアジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセアニアの世界6大陸。『SUGO…
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#シンガポール

note13 : シンガポール(2011.4.22)

【連載小説 13/100】 人類が築いてきた文明の成果を最も分かりやすいかたちで表現してくれるのは摩天楼、すなわち超高層建築物群だろう。 地上200メートル。 シンガポールマリーナベイに登場した「マリーナベイ・サンズ・ホテル」の最上階にある「サンズ・スカイパーク」から眺める夜景は、インドシナ半島の南端、赤道直下に位置する面積700平方kmという極めて小さな国家の中心部を宝石箱のふたを開いて見せるショーのごときだ。 シンガポールへ移動して3日目の夜となるが、僕は毎日ここへ

note14 : シンガポール(2011.4.26)

【連載小説 14/100】 その昔、激しく荒れる海に阻まれ誰も上陸できない島を目指したスリウィジャヤという王国の王子がいた。 嵐に遭遇し航海は困難を極めたが、勇敢な王子がかぶっていた王冠を海に投げ入れたところ、海が静まり未知なる島へと上陸できた。 そこに現れたのが一頭の大きなライオン。 「この島を治めるがよい」との許しを与えて立ち去った。 島に新しい国を築くことになった王子は、そのシンボルとして海の神と陸のライオンを合体させた“マーライオン”をつくり、守り神として祀る

note15 : シンガポール(2011.4.27)

【連載小説 15/100】 動物園にまつわる子どもの頃の記憶。 ライオン、トラ、ゾウ、サイ、カバ、キリン、シマウマ等々、大好きな野生動物の姿を生で見ることのできる動物園にワクワクしながらも、せまい檻の中に閉じ込められたり、限られたスペース内を右から左・左から右と行ったり来たりするだけの彼らの姿に、ある種の失望を感じる。 その中でも特に期待はずれだったのが、オオカミやトラ、ヒョウといった夜行性の動物たち。お金を払って見に来た僕らの前でサービス精神のかけらもなく彼らはひたす

note16 : シンガポール(2011.4.29)

【連載小説 16/100】 Wikipediaで「博物館」を調べると「特定の分野に対して価値のある事物、学術資料、美術品等を購入・寄託・寄贈などの手段で収集、保存し、それらについて専属の職員が研究すると同時に、来訪者に展示の形で開示している施設」となっている。 対象となる分野が自然から歴史、民族、美術、科学、海事、航空、軍事等々広範に及ぶ博物館は、まさに人類の叡智を結集させた場所といってもいいだろう。 僕なりに博物館を解説すると「無限に積み重ねられていく“知”を適正なテ