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詩凝りの勘定

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比較的散らかった言葉の並び
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#函館

『春分に問う』

『春分に問う』

地球の全てを養うに足る
光線の一筋を浴びてなお
コートを忘れて「寒いな」と
思う北国の春は何故?

それだけでは反射のよい
円盤でしかない癖に
先時代の機械にかけて音を鳴らす
"コト"に心躍るのは何故?

この街の全てを臥した牛の
背から見渡して久しいのに
うんと長い付き合いの
草臥れた背中を知らないのは何故?

春分の日は世界の昼夜に
オマケ付きの商を与えるのに
僕だって確かに分かたれている
"

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