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日常的郷愁メドレー(歌詞まとめ)

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早いとこ曲をつけてあげたい
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#過去

[岬の丘にて]

ひとりだち 岬の丘で 目下宵海の 目隠しを視る 釣り船の灯火が消えない事には 向こうの距離がわからない 馴染み街 軌跡を離れ 僕が知らない君 旅を知らない過去 塞いだはずの傷口 朱に染めるとき つながりが解き放たれるよ いまから電話してもいいの 見えない線はどこへ行くの 光の粒の両手に乗ったら 境目をまたいでゆけるの 黒風をどこまでも ひとつかみにつかんで 飛び立てばいい 対岸の火事 二人別れ道 埋めつくす光は 空と海を隠してしまうから さあ 手放した景色を 君も夢に見

[包みの色]

何だって 思い出ごと引き抜かれてしまいそうな夜 終わらせたくない赤子のむずかるように 片耳をつぶす 当時の言い草が支配する時 左では 間延びしたロックンロールがハウリング アンタが大嫌いってことは 口では言いたくない 消えちゃうだろ だから代わりに愛してるんだ 昨日はどうもありがとう どうしても伝えたい それは明日じゃなくって 無論いまでもなくて 愚かなアンタは130の不幸に喘ぐ その淫猥こそが 一番惹きつけてやまない 内に外に空に 聡明なアンタは僕を 決して見つけられな

[ラドラマ]

赦してくれないか 俺は寒空の下で呟く 悲しく身を揺らした 世界で二番目 美しい体躯に 赦してくれないか お前を一度棄てたから ホントは見せる顔もないな 俺を攫ってしまうような波の色 時に無邪気さは大罪の記憶 一番暑かった夏は終わって 日ごと夕暮れが空を染めてゆく 西向きの岬は いつでも昨日に張り出して 幼子の頃のように俺たちは 手のひらの香りを二人嗅ぎ合って いつかのラドラマ 風に流すよ 秋雲の残り香 アルバムを開けば 溢れ出すあまたの後悔は 優しく笑ったあの人と

[みちのく]

八甲田の船に 褪せた黄色の揺らめき セピアと似ていて違う もう動かないの あなたは知らないのね 斜陽と呟いたって 建てかわった新町通 アウガとの隙間の間 一人は寒いから あなたにいてほしい 押し返しも抱き止めてもくれない街 おし黙る景色は あの冬と同じ アーケードを二人 ふと何年物の悪戯 晴れ雪が運ぶ声 "アスパム上がろ" あなたは許すかな 陸奥湾を船出は絶えない街 置き去りの荷物と手元のチッキ 時代を溢す左手に 所在なく右手 あなたに触れさせて 八甲田の山は 透

[故郷の夢]

海は綺麗だ 故郷の海 濁っているのが 澄み切っているな 浜辺も船も 向こう岸も 誰かの交わり それかイルカだな 時を放してよ 気の早い夏の朝日が どうか時を放してよ 下海岸を撫でる 海は綺麗だ 故郷の海 凪ぎの無音が 掻き立つようだな 潮騒のパフューム 街を漂う 君との波打ち それかイルカだな Love, love me do... You know I love you... 一度きりだが 故郷を忘れた 背を向けたのが 預けていたな 縦横の糸 ダイヤログも 解れて置

[十年の海峡]

酷くひび割れた下唇 ため息一つさえも滲みる 愛の宛先も見つからず歩く 午後四時 足早に日が沈む 引きずるキャリーケースの 錆びついた車輪 十年の澪 鳴らした足跡の数を賭けた 僕には何が戻ってきただろう 不毛な問いを無情にも 追い越してゆく回送のバス いないと知って胸を撫でおろす あなたを想えば揺らぐから 足元の雪を握れど あの日々のきらめきは無く 灰色の露が体温を奪う 手の触れた過去を解かすように 今年も時が止まったままの 故郷の二文字 その意味をニヒルに笑う 駅前の

[Brand-new Gate Way]

Nobody knows the gate way 人知れず漕ぎ出した夜明け前の空 月影に焦れる一欠片の 憂い 拭い落として たかが一度目の人生に 天使も運もついてなかったなら 紅の目 見せつけるように 鐘の鳴る部屋 まるで処刑台 見下ろせば口当たりのいいリアルがそこに もしも全てなら 七つの海も知らないくせに メガロポリスの幻影に縋ってばかり 微かな腐葉土の香り お前の言葉に意味なんてないのさ 秘密のコード盗み出したから 思い出には別れのキスを一つだけ 脱ぎ捨てるた

[夢現の彼ら]

おやすみの前に少しだけ 話を聞いて 相槌だっていらない 下らないけど 僕の決意 出逢ったあの頃から 随分変わったね 僕ら 壁のアナログ時計 ふと 四月イッピが舞い落ちる音 三つ子の魂百までと 口癖をからかい合ったね 四半世紀足らずの日々が 奪わなかった唯一つ 松葉杖に苦笑いの彼も あっけないね 帰らざる人 愛しき人よ 君をどれだけ 悲しみから守れるのかな 永遠は無いと知ったから 隣の君に餞を 朝起きて見る常夜灯と 照らされる壁に染みてゆく 大人になるってさ 今までの