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【夏休み特集】(1/3)復興・宮城県気仙沼市へポケモンウィズユートレインに乗って、モウカの星をムスメと喰らう(プラス番外編) 2015年8月14日(金)

2015年8月、東日本大震災から4年が経過した夏、当時小学生だったムスメと宮城県三陸にある港町・気仙沼市へ旅行しました。復興最中の気仙沼の街は、がむしゃらにでも前を向いて進むんだ、という熱気に溢れており、その空気感に圧倒されながらも一気に気仙沼という街が好きになった記憶があります。

あれから9年が経ち、しばらく気仙沼を訪れていませんが、今でもあの時の旅のことは、大切な記憶として夏休み・お盆のころになると思い出されます。

なので、だいぶ前のことなのですが、【夏休み特集】として記事をリニューアルした上で、改めて公開してみたいと思います。

写真が当時撮影したものでちょっと古いところは、まあ、ご了承ください(笑)


⚪︎そうだ、気仙沼へ行ってみよう、と思ってパンフレットを取り寄せ

上手い具合にお盆休みが取れたので、ムスメとふたり気仙沼へ旅することになりました。

しかし、妻はというと、わたしと違って残念ながら職場の同僚との調整が上手くつかないということで、お盆も仕事に出ることとなり、ひとり盛岡で留守番をすることになりました。

ゆっくりしたかったのですが、いろいろな都合もあって一泊二日の旅で、「3.11」後に、気仙沼を訪れるのは初めてでした。

パンフレットを送ってもらった

旅に出る一週間くらい前に気仙沼市役所の観光課へ電話をし、今度泊まりに行くので観光情報誌の類を送ってくれませんかね、とお願いすると翌々日にはパンフレットが届きます。

あ、ホヤぼーや

しかも、「お問い合わせありがとうございます。今はカツオが美味しいシーズンです。お楽しみ頂けたら幸いです。」と担当の方のメッセージ付き。

こういうとこですよね、こういうとこ。こういう対応が、訪れる者にとっては、印象が良くなるものです。気仙沼市の観光課は素晴らしいです。

ポケモンウィズユートレイン

このときの旅は、「被災地だから」とかを抜きにして観光地としての気仙沼の魅力に触れたいと考えていました。

もちろん3.11は、目を背けてどうなるものでもなく、紛れもない事実であり、当地も甚大な被害を被っているわけですが、今回の旅では純粋に「気仙沼」という街を楽しんでみようと考えていて、出発前からかなり胸躍っていました。

気仙沼までは、ムスメがかねてから乗りたがっていた、 「ポケモンウィズユートレイン」という全席指定の列車を予約し、一ノ関駅から気仙沼駅まで2時間の鉄道旅となりました。

列車の中はポケモン大好きっ子の子どもたちが狂喜乱舞の喧騒を繰り広げているのを脇目に、車窓から美しい自然を眺めながら、こっそり一ノ関駅で買い求めた「蔵ビール」の缶ビールを呑みます。

別に隠れて呑まず堂々として呑めば良いのでしょうが、まあ、なんとなく後ろめたいので、あえてのこっそりモードです(笑)

⚪️復興屋台村気仙沼横丁に到着

到着祝いのビール

さて、いよいよ気仙沼駅に到着し、駅から徒歩で「復興屋台村気仙沼横丁」へ移動し、まずは昼食がてらの一杯をいただきます。

気仙沼駅からまあまあの距離歩いたので、冷えたビールが最高に美味いのです。

気仙沼のローカルフード

横丁では「はまらん家」という店に入り、名物の「気仙沼ホルモン」を食べることにします。

天候は曇りで程よい暑さ。ぱらぱら雨も降るものの、それが涼しさを呼び、思っていたよりも過ごしやすく助かります。

「しっかしお父さん、よく呑むねぇ、隠れてポケトレ(ポケモンウィズユートレイン)の中でも呑んでたんでしょ?」とムスメに鋭い指摘をされてしまします。こっそりモードでしたが、どうやらお見通しのようでした。 

ご当地フードの気仙沼ホルモンは、見た目以上に肉厚ジューシーで、ビールがどんどん進みます。千切りキャベツには、備え付けていたウスターソースをたっぷりかけると、シャープな塩気が効いてきて、こちらもいいツマミになったのでした。

ホルモンを平らげ、「復興屋台村気仙沼横丁」でハシゴ酒をします。お次は「大漁丸」という魚介系を提供する店へ。

先ほどの「はまらんや」は店内が満席で外のテラス席でしたが、こちらではエアコンの効いた店内で食事することができました。

「おススメの酒をください」とおねえさんに注文すると、「これこれ、一番のおススメだよ〜」と出してくれたのが、地元男山本店の「蒼天伝 特純」です。

これを大ぶりのグラスに注いでくれたのですが、余裕で二合弱はあったので、「でっへへへへ」とだらしなく笑いながらくいくい呑むと、またムスメが「やれやれ、ホントお酒好きだよねぇ」といった呆れた表情を見せたのでした。

新鮮そのもの海藻セット

どんどん海の幸いっちゃいましょうということで、まずは海藻セットを注文。若布・めかぶ・松藻がたっぷりと嬉しくなるセットでして、当然、内陸でいつも食べる海藻とは、ひと味もふた味も違うのです。

風味よく、つるつる、しこしこ、しゃきしゃきとして、食感も楽しく、たっぷりの日本酒が見る見る減っていきます。

脂が乗った秋刀魚刺し

新秋刀魚の刺身もいただきます。わたしも東北の人間ですので、初物の秋刀魚の刺身をいただきませんと、きちんと秋を迎えられません。

少々時季は早いのでしょうが、それでもしっかり脂は乗っていてとろけていきます。

肉厚サーモン

ムスメのリクエストで注文したのは、好物のサーモン。想定以上に分厚く立派なサーモンは、とろっとろの脂で、口溶け最高のとても質の高い刺身でした。

しかしまあ、入れ替わり立ち替わりの観光客が、海鮮丼やら生ウニ丼を食べるなか、だらだら酒を呑み、地の新鮮魚介をつまむシアワセは何ものにも代え難いものがあります。

「そうそう、こういうのだってば。こういう雰囲気を味わいにきたのだよ」と嬉しくなって、自然とにやりにやり笑ってしまいます。

食事しながら、気仙沼市の観光課から送ってもらった例の「気仙沼じゃらん」などをぱらぱらめくりながら、二日間どうやって遊ぼうかという作戦を練ったのでありました。

⚪️気仙沼の名店「あさひ鮨」の仮設店舗で夕食

これが例のカツオか

遅めの昼食を終え、ぶらぶら歩いて、この日の宿であるホテル「一景閣」へ向かいます。大島行きフェリー発着所から程近い「お魚いちば」を覗くと、新鮮な魚介が並びます。

特にも旨そうなのがカツオです。そうです、カツオです、カツオ。気仙沼市役所の観光課の方からも勧められカツオを、今夜喰わねば、と心に決めるのでした。

剥製ですがコワイですね(笑)

いったんホテルに向かいチェックインしましたが、またすぐに外に出て、「シャークミュージアム」へ向かいます。サメの水揚げ高日本一である気仙沼らしい博物館施設です。

じっくりサメのことを知ってみると、その生態やらなにやらが実に興味深いことがわかってきて、これまで偏ったイメージでサメのことを見てきたのだということを知ります。

ムスメも徐々に、その興味深い生態系を持つサメに心が惹かれ始めていたようです。

復興スペシャルの握り

夕食は、気仙沼復興商店街南町紫市場の「あさひ鮨」としていました。

震災前から予約必須の超人気店でしたから、予約なしで入店できるか心配していましたが、かろうじて数席空いていたので無事入店させてもらい、ムスメとふたり、復興スペシャル1,500円という握りを食したわけですが、しっかりフカヒレの軍艦も入っていて嬉しいし、ものすごくリーズナブルだと感じました。

店は大繁盛、店内は満席となり、厨房の職人さんも大忙しで、仮設店舗のため広くはなかったですが、人々の活気にあふれていて、いい雰囲気でした。

モウカの星

握りと一緒に、「モウカの星」を注文します。これは、ヨシキリザメの心臓であり、非常な珍味で、ムスメにぜひとも食べさせたかった一品です。

繰り返しになるのですが、気仙沼はサメの水揚げ日本一で、驚いたことに9割のサメがここ気仙沼の港に揚がっているそうです。

そのうちの8割がヨシキリザメであり、残り1.5割がネズミザメ、0.5割がその他のサメ、ということらしいのです。 

モウカの星は、当然といえば当然ですが、やはり地元で食べるのは格別でした。

当然、クセや臭みはまったくなく、レバーのようだ、という人もいますが、それよりもさらにあっさりとした赤身肉であり、酢味噌で食するのが地元の食べ方になります。

モウカの星が初めてとなったムスメも難なく口に入れ、「美味しいねぇ〜」と気に入ったようでした。

添えられた軟骨のコリコリとしたところも非常に珍味で、ムスメと奪い合って食べることになりました(笑)

(つづきます。)

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