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【青森県弘前市】(2/4)春待つ弘前。まん防だったまちだけど人情厚く、酒も肴も絶品だった。2022年3月11日(金)-3月13日(日)

弘前旅の2/4になります。


◾️「喜桜」で郷土の食材を堪能する

弘前一軒目「喜桜」

「デギュスタ」からほど近い「喜桜(きざくら)」がこの日の夕食の店。あらかじめネット予約していたので安心でした。
「デキュスタ」でも、「喜桜さんは、連日お客さんでいっぱいですよ」と聞かされていたので、「それは楽しみ」と胸躍ります。
店舗は二階にあり、通りに面した階段を上り、店内へ向かいました。

三平汁

奥のゆったりとしたスペースの座敷に通され、生ビールを注文です。
「お通しです」と出されたのは三平汁です。一般的に北海道の郷土料理であるが、海を挟んでお隣同士の北海道と青森ということもあり、青森県内でも「青森の郷土料理」と捉える地域もあるようです。

冬の根菜類と塩漬けの魚を汁物にしたものですが、こちらの一杯はなんとも上品。大根、人参、じゃが芋、長葱、そして塩鮭。体が温まります。じんわり美味しい一品です。

おまかせ喜桜セット

メニューから、津軽の郷土料理が揃った「おまかせ喜桜セット1500円」をわたしと妻が選び、ムスメは同じく1500円の「喜桜おばんざいセット」を注文しました。

「おまかせセット」は、日替わりおばんざい三品、焼き魚または煮魚、そして刺し盛りとなっています。

大鰐温泉もやし
きのこ南蛮
ふきみがき

大鰐温泉もやしの小和え、ふきみがき、きのこ南蛮がおばんざい三品。「おばんざいセット」は、その三品にアンコウとも和え、サメなますを加えた五品となっていました。
大鰐温泉もやしは初めて食べましたが、しゃきしゃきして実に小気味良い食感。とても酒の肴にいいものでした。

刺身です
地酒いきます

生ビールを早々に呑み干し日本酒にチェンジ。「豊盃」「田酒」といった青森の地酒をいただいていきます。
刺身は、本鮪中トロ、ホウボウ、マゾイ、海峡サーモン。流石の人気店であり、魚介のレベルも高かったです。

◾️津軽の郷土料理「いがメンチ」を

「おまかせセット」の焼魚
いがメンチ

おばんざい三品と刺身、そして焼魚の焼き鯖をいただいたのち、弘前のソウルフードであり代表的家庭料理「いがメンチ」を注文しました。

家庭によってレシピや材料は異なるのでしょうが、烏賊下足を叩いて野菜と一緒に揚げたものというのが一般的な認識であり、こちらのそれは、弘前が誇るとうもろこし「嶽きみ」が入っていました。

「嶽きみ」は、岩木山の標高400〜500mのところにある嶽(だけ)高原で栽培・収穫されるブランドとうもろこしで、その糖度は18〜20度と並のフルーツよりも甘いといいます。

さて、その「いがメンチ」は烏賊と野菜の甘みが香ばしさとあいまって、思っていたより存在感のある味わいでとても美味しかったです。家庭料理といいつつ、ちゃんと居酒屋のメニューに載っているということは、観光客だけでなく地元客も普通に注文するのでしょう。

旬の魚のカルパッチョ

ムスメが「魚をもう少し食べたい」というので、魚介を使ったカルパッチョを注文します。本鮪、マゾイ、ホウボウ、イクラと一緒に帆立のヒモと卵も盛り付けられていました。
一般的に帆立は貝柱を生もしくは火を通して食しますが、新鮮な帆立が手に入る東北ではヒモはもちろん卵までも生で食べることができます。

ムスメは帆立の鮮度が落ちてきてとろりとした甘みをまとうのを苦手としますが(これが美味しいという人もいます)、こちらで食べる帆立には「うわっ、なにコレ、食感がすごい」と貝柱と卵の鮮度に驚いています。

◾️謎の水軍「安東水軍」と烏賊塩辛

烏賊塩辛

津軽の漬物と烏賊塩辛をさらに追加注文しました。なんとなくもっと郷土料理らしい、少し荒さのある肴が欲しくなりました。

で、酒はせっかく「東日流外三郡史」に関連する本を買ったので、鯵ヶ沢町は尾崎酒造の「安東水軍」を呑むことにします。「安東水軍」そのものは、中世の時代に十三湊に拠点を構え、交易によって反映したという一族とされますが、これもまた実在したかどうかの真偽は不明となっているようです。

肝心の烏賊塩辛と酒の味わいはというと、烏賊塩辛はねっとり濃厚で塩気が強く、すっきりとした辛口の「安東水軍」と抜群に合います。明らかに酒と合わせるために味付けされた烏賊塩辛は少し強めの塩加減が絶妙で、軽く喉の渇きを覚えてついつい酒が進んでしまいます。そう、こういう荒々しさみたいなのを津軽という地域の郷土料理に求めているのです。
津軽の漬物もやはり少し塩気が強く、酒と合って仕方なかった。北国津軽の本領も、こんなあたりから垣間見えました。

夜のかくみ小路

20時少し前に「喜桜」を後にします。妻とムスメを先にホテルに帰し、一人で土手町から鍛治町あたりをそぞろ歩きます。

「20時過ぎると店やってませんよ」と「デギュスタ」で聞いたとおり、かくみ小路へ戻ってみるが開いている店はなく、街灯だけが煌々と通りを照らしていました。まん防のまちがゴーストタウンのそれだと聞いてはいましたが、本当にそうでした。

盛岡もコロナの影響を受けて夜はひと気はないが、少なくともやっている店はそれなりにあるのですが。

ホテル近くにある「鳥ふじ」

ホテル近くにある「鳥ふじ」から焼き鳥が焼けるいい匂いがしたので近づいてみるとテイクアウトだけの営業との貼り紙。残念、店内には入れませんでした。名残惜しいが弘前の夜は諦めコンビニで缶ビールを二本買い求め、ホテルに戻りました。少しばかり不完全燃焼の弘前初日の夜でした。

(3/4へつづきます。)

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