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【青森県弘前市】(1/4)春待つ弘前。まん防だったまちだけど人情厚く、酒も肴も絶品だった。2022年3月11日(金)-3月13日(日)

妻とムスメと青森県弘前市へ2泊3日で遊びに行ったときの記録になります。運悪く、コロナでまん防でしたが。
弘前市は本当に久しぶりになりましたが、盛岡によく似たコンパクトで古い街並みが残り、個人経営のお店も多く、雰囲気の良い街でした。大好きになりました。
注)こちら、2022年3月の記事になっています。


◾️まん延防止等重点措置の弘前市へ

かくみ小路は土手町から鍛冶町の間に

11年目を迎える3.11の金曜日、青森県弘前市にいました。急に思い立ってのわたし、妻とムスメの3人で家族旅行です。そして、弘前市に到着してから気づいたのですが、弘前市は新型コロナの感染拡大により「まん延防止等重点措置」の地域となっていたのです。

この日の宿、「ドーミーイン弘前」にチェックインし、昭和レトロが魅力だという「かくみ小路」を訪れます。ひらがなの「み」を四角で囲んで「かくみ」だということのようです。

弘前市の中心市街地は、駅前地区・土手町(どてまち)地区・弘前公園及びその周辺地区を含むおよそ230ヘクタールで構成され、中心市街地になるかくみ小路は土手町から鍛冶町(かじまち)の間あたりにあります。

なお、土手町は昔ながらの商人町、鍛冶町は歓楽街となっており、かくみ小路がその性格の異なるエリアをつなぐ中間地点となっているようでした。

銀水食堂

弘前を訪れたら足を運んでみたかった、昭和そのものの、いわゆる絶滅食堂系の「銀水食堂」もかくみ小路のすぐそばにあります。二泊三日の旅行期間中、必ず訪れようと思いました(金曜日の夕方時点の画像がご覧のとおりで、営業しているかどうか定かではなかったのですが)。

かくみ小路

かくみ小路は、まだ雪が溶け切らずに残っていて足元が悪くなっていました。これは、夜にあるくとき、気をつけなければと思っていると、前述のとおり「まん防」発令中ということもあり、ほとんどの店が3月21日まで臨時休業となっていました。
津軽の夜を満喫しようと思っていただけにいきなり痛恨です。夜に街を歩くチャンスがあるのでしょうか。

◾️「まわりみち文庫」で偽書論争の本を買う

すてきな本屋を発見

かくみ小路を歩いているとなんとも洒落た本屋を見つけました。「まわりみち文庫」というのがその本屋の名前です。
入店すると、こぢんまりとしているが充実した品揃えで次々と目移りしてしまいます。

古本と新刊が一緒に並んでいるというユニークな売り方をされていて、面白い品揃えのこともあり、思わず店主に声をかけてみました。2年ほど前に飲食店だったこの店舗を借り、内外装をリフォームして本屋を始めたとのことです。

郷土の本のコーナーから古本の『偽書「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」事件』を見つけ400円で購入です。
この「東日流外三郡誌」という偽書は、戦後最大の偽書とも呼ばれる謎の古文書(の体をなしている)であり、青森県津軽地方の正史には登場しない闇の古代・中世史を記したもので、弘前市の北にある五所川原市(正式には合併前の飯詰村)で生み出され、弘前市等で出版されました。

「まわりみち文庫」の店主・奈良さんによると、当時はやはり青森の地元民も偽書に騙され信じている人も多かったようだとのこと。1975年に世に出て、1992年に訴訟事件までに発展し、偽書論争を経て今に至るわけです。で、未だに真偽論争決着がついていないというのが興味深いところではありませんか。

「これはいい本を手に入れた」と気を良くしてかくみ小路を土手町の方へ進むと、「デギュスタ」という良さげな酒のセレクトショップが目に入ります。

◾️「デギュスタ」の立ち呑みスペースで軽く2杯

撮影許可を得て店内を撮影

土手町コミュニティパークの一角にある「デギュスタ」は、弘前の有名酒屋「酒の柳田」の二号店のようで、地元日本酒、弘前のシードル、国内のクラフトジン、ドライフルーツなどを揃え、「デギュスタ(フランス語で「試飲・試食)」の店名どおり試飲・試食可能な店となっていました。

試飲スペースの壁メニュー
スモーキーハイボール
ナイトトラベラーを使ったジントニック

折角だから、立ち呑みしていこうとアイラモルトを使った「スモーキーハイボール」をいただきます。一緒に、スモークされたナッツが出されました。

夕方4時過ぎの金曜で、街には人がまばらで、店内でグラスを傾けるのも自分一人で、なんとも気分がいいものでした。

二杯目は、「白瀑」「山本」でおなじみ、秋田は八峰町の「山本酒造店」の粕取り焼酎ベースのクラフトジン「ナイトトラベラー」を使ったジントニックにしました。「アロマのカオス」と品書きで紹介されているように、粕取り焼酎のコクのある香りと合わさって、ボタニカルの複雑なニュアンスが香りに溶け出し、まさに混沌としていますが、なんとも魅力的な味わいを醸し出していました。

店の方にいろいろ話を伺うと、やはり弘前の夜は厳しいとのことでした。20時以降に開いている店は皆無で、地元の人々も性根が真面目だから、20時になれば家路に着くとのことでした。
「20時以降やってる店もほとんどないですが、20時まででもやってる店はとても貴重です。なので、20時までやってる店は大繁盛です」とも教えてくれました。

とりあえずこの日の夜の店は予約しておいたと話すと「あ、それが正解ですね」と返され、さらに「20時以降は期待しない方がいいと思いますよ」とアドバイスを続けてくださいました。

礼を言い、店を後にしました。時計の針は夕方5時を回っていたので、予約していた酒場へ足を向けました。

(1/4へつづきます。)


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