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【青森県弘前市】(4/4)春待つ弘前。まん防だったまちだけど人情厚く、酒も肴も絶品だった。2022年3月11日(金)-3月13日(日)

まん防の弘前市の旅4/4になります。


◾️津軽の郷土料理が食せる「あば」へ

「あば」の品書き

弘前市最後の夜は、土手町は弘前東栄ホテルの一階にある、津軽郷土料理の店「あば」という店を予約しました。夕方5時から開店しているというので、温泉を浴びてさっぱりしてから、早めにホテルを出ました。

北国・弘前市も春めいてきて、手袋なしでも寒さを感じないほどの暖かさでした。

刺し盛り

電話で予約した際、「混み合うと思うので、刺し盛りを用意しておきましょうか?」と言われたので、そのとおりお願いしていましたので、スピード感抜群で刺し盛りが提供されます。

カンパチ、ホタエ、マダイ、マグロ、ヒラメ、タコと酒場の刺し盛りとしては、文句ないラインナップとなっています。若干、マグロの色味が「おや?」という感じだったのですが、食べてみて納得です。しっとり滑らかで濃い味わいでした。熟成させたマグロでしょうか、とても美味でした。

即座に地酒をいただきます。

こちらの店のオススメだという、地元はカネタ玉田酒造の「津軽じょんから 本醸造 生貯蔵酒」をいただきます。さっぱり辛口ですが、米の旨味もじんわりと湧いてくる酒でした。

日本海、陸奥湾、太平洋に囲まれた地勢となっている青森だからこそ、水揚げされる鮮魚の旨さを引き立てる、この土地で醸される旨辛酒がよく合います。

◾️津軽の郷土料理を満喫する

身欠きニシン酢味噌

郷土料理を謳うだけあって、「あば」で食べる身欠きニシン酢味噌がとても良かったです。津軽らしいというか、北国の味というか、はっきりしっかりとした味付けで、酒が欲しくなる濃いめの味わいです。いい意味での郷土料理というべく、潔さを感じる力強い一品となっていました。

「ニシンってこんなに美味しいんだねぇ」と未成年で酒を呑めないムスメも、酒肴を喜んで食べていまいた。生に近い柔らかい身欠きニシンであり、盛岡ではお目にかかれない食材だと思います。

ホタテ貝焼き味噌

味噌で味付けし、卵でとじたホタテ貝焼き。「貝焼き」は“かやき”と読み、青森は津軽、下北あたりの郷土料理といわれています。大きな帆立の貝殻を器に見立て、七輪の上で焼いて食べます。

青森の郷土料理といわれますが、一部岩手や秋田でも食べます。東北においては、ホタテが獲れる地域で、わりとポピュラーな一品かもしれません。で、観光客受けするビジュアルも、郷土料理としてはふさわしいでしょう。

オリジナル「イガメンチ」
出汁に浸して食べるスタイル

そして前の晩の「喜桜」に続きこちらでもイガメンチをいきます。「あばオリジナル」の一品は、出汁に浸して大根おろしと生姜おろしを乗せてさっぱりといただけます。

「こういう食べ方って弘前ではよくやるんですか?」と、提供してくれた若い女性店員に尋ねると、「いえ、うちのオリジナルですねーー」とのこと。

ついでに、「“あば”ってなんですか?」と聞いてみると「お母さん、とか、おばあさん」とかっていう意味なんです」と教えてくれました。なるほど、郷土料理=おふくろの味を楽しめる店ということで名付けたということか、と推測してみました。

◾️医療と地域をつなぐ学生の取組「医cafe SUP?」に感動

医cafe SUP?
オリジナルモクテル

「あば」を後にし、一人で夜の弘前を彷徨います。前の晩と同じ構図となりました。しかし、やはり20時以降空いている店はなく、途方に暮れます。
前の晩と同様に、ホテルに大人しく戻ろうかと思い、ぶらぶら歩いていると、薄暗い裏通りに灯りが見えるではありませんか。 

近づくと「医cafe SUP?」という店の前にたどり着きます。店に入り話を聞くと、ノンアルコールドリンクを提供するカフェとのことで、それではと擦りおろした林檎をふんだんに使ったオリジナルモクテルを注文してみます。

なんでも、弘前大学の医学部の学生さんが営業するカフェで、地域と医療をつなぐことを目的にクラウドファンディングで資金を集め、令和3年4月に開業したということです。

詳しくはリンクをご覧いただきたいのですが、こういう若者がいる弘前という街は素晴らしいなあと思いつつ、学生さんが作ってくださったモクテルを美味しくいただきました。

そしていろいろ弘前の街のことを教えてくれた学生さんに、とても感謝です。

岩木山そば

翌朝、「立ち食いそば処 長尾」で刻み葱たっぷりの岩木山そばをいただきます。朝7時半からオープンの小綺麗な店内で緊迫するウクライナ情勢のニュースを眺めながら蕎麦をすすります。それと、塩むすびはサービスしてもらいました。温かい蕎麦とちょうど良い塩加減の塩むすびが嬉しかったです。

◾️念願の「銀水食堂」で塩ラーメン

無事開いていました
昭和ですねぇ
「銀水」の塩ラーメン

10時にホテルをチェックアウトし、再び土手町の「万茶ン」でコーヒーを飲み読書をします。人懐っこいマスターには、この日も楽しませてもらいました。

11時半過ぎ、どこかで昼食をとって帰ろうということになり、心残りだった昭和大衆食堂「銀水食堂」で塩ラーメン(500円)を食べます。妻とムスメはワンタン(400円)を食べました。

気づくと外は激しい雪。そういえば朝方から底冷えがしていて、午後から雪になるという天気予報でした。

生姜と大蒜風味で野菜の甘みがとけこんだ塩ラーメンのスープは、まさにまさに、絶品。麺はこういう昭和レトロ食堂によくある、まさにまさに、期待どおり極細のちぢれ麺。麺とスープの絡みも抜群で、ふーふー言いながら啜っていると、あっという間に食べ終えてしまいました。

老夫婦二人で切り盛りする、まさに昭和を思い起こさせる名店、名食堂でしょう。最後の最後に念願叶い、素晴らしい店に出会えたことに感謝し、激しい雪の中、弘前を後にしました。

久々に訪れた弘前は、「まん防」ではありましたが、弘前自体の人と街の魅力に触れることができ、いい旅になりました。
コロナが治り、夜のにぎわいが戻ったなら、再び訪れようと心に誓ったのでした。

(おわり)

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