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乳房再建の術前検査で予想外なことが

自家組織による乳房再建は、とても高度な技術なため大学病院での手術となります。そこで、手術前に大学病院で血液検査や尿検査、心電図や肺活量の検査をしました。

そして、手術についてのインフォームドコンセントを受けました。

私は、幸いのことに、市中病院で診ていただいた形成外科の先生が、大学病院での担当の先生であり執刀医となります。

市中病院でエキスパンダーに何度かお水をいれてもらっているので、信頼関係は出来上がっています。どのような再建方法かについては、ざっくりと市中病院での診察時に担当の先生からうかがっていました。

しかし、今回は、もっと具体的な説明を受けました。

私の場合は、当初からお腹の脂肪を左胸に持ってくるということでした。インフォームドコンセントの際も、それは変わりませんでした。

お腹を30㎝ほど切り、脂肪に血管を付けたまま切り取り、それを胸の血管と繋げるということです。胸の血管を取る際、肋軟骨を少し切り取るそうです。そして、その肋軟骨を、次の乳頭形成の際に利用するため、脂肪を取ったお腹の付近に埋めておくという、なんともシュールな説明も受けました。

手術時間は、顕微鏡を使った複雑な手術なので概ね8時間から10時間を予定しているとのことでした。

インフォームドコンセントもスムーズに終わり、最後に、エキスパンダーを入れた左胸の状態とお腹の脂肪の状態を確認するということに。

洋服を脱ぎ、胸とお腹を出して、先生の前に立ちました。そして、先生が診察します。左胸はエキスパンダーで良い感じに拡張しているとの診断。

ところが、お腹の脂肪の確認の段階になって

先生「え~⁉」

私 (うん??何?どうしたの???)

先生「お腹の脂肪、足りなくない?」

私「えっ⁉」

お腹のお肉を掴んだり、離したりしながら

先生「やっぱり、少し足りない気がするなぁ~。手術自体はできるけど、もう少し脂肪欲しいよなぁ~。」

 「再建では、左胸を右胸より気持ち大きく作るんだよね。術後、少し胸が萎むから。綺麗な胸を作るには、もちょっと脂肪があるといいんだけどなぁ~。」

私「え~????せっかく痩せたのに??」

先生「ダイエットしたの?」

私「そうです。」

先生「ダイエットで痩せたのならいいんだけど…」

私「今から太るんですか?」

先生「できたら。」

私「痩せるのに苦労したんですよ。」

先生「そうかぁ~。」

私「綺麗な胸を作って欲しいから、太る努力します。」

先生「手術までには1ヶ月あるけど、太れなかったら、術後に太ればいいから。大抵の患者さん、手術後に太る人が多いからさ。」

  「再建後、太って左胸を大きくするという作戦でいこう」

私「わかりました。」

ということで、入院前最後の診察を終えました。

左胸に入れらたお腹の脂肪は、あくまでもお腹の脂肪なんだそうです。だから、太ると左胸に入れられた脂肪は、お腹の脂肪なので太るんだそうです。

まさか、お医者さんから「太って」と言われるだなんて、夢に思いませんでした。

これから1ヶ月は、毎日のウォーキングや筋トレを辞め、公式認定された(?)太るための生活をしていくことになります。  


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