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「車でお遍路」第10番札所 切幡寺(千手観音菩薩になった伝説の札所)

こんにちは、旅いこかです。

四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、10番目のお寺は、


得度山とくどさん 灌頂院かんじょういん 切幡寺きりはたじ

9番札所の法輪寺から約3.7㎞、車で約10分の場所、

車でお遍路の場合、9番札所までは比較的足取り軽く巡礼しても、ここ切幡寺は切幡山の中腹で標高約155mの場所にある四国遍路で最初の山寺

いよいよ厳しいお遍路が始まると、少し気を引き締しめてお参りする覚悟が必要。

まず、駐車場に車を止めて暫く山道の参道を歩く。その後、99段の石段を上ると経木場、その後に女厄坂33段、男厄坂44段を含めて合計333段を上っていくと境内に着く。

では、機織り娘が千手観音菩薩になった伝説の札所「切幡寺」へ参りましょう。

経木場 99段の石段を上り経木場に着くが、まだまだ石段は続く


厳しい道のりの先には静かな境内。左手に本堂、右奥に大師堂、右手に鐘楼

ご詠歌

欲心を ただ一筋に 切幡寺 後の世までの 障りとぞなる


お参りする前に知っておいた方が良い知識

歴史

  • 弘仁年間(810-824年)、この地を巡錫中の弘法大師は、弘法大師伝説(後述)を嵯峨天皇に伝えたところ、勅願により、自身が彫った千手観音像と即身成仏した娘の千手観音像を御本尊として堂宇を建立、開基

  • 明治42年(1909年)、火災により大塔を除き23棟の伽藍を一夜で失った

  • その後、再建して現在に至る


弘法大師伝説

  • 切幡の山麓で修法した弘法大師の僧衣は、結願の七日目にはかなり傷んでいた。そこで、近くの民家を通ったところはたを織る音を耳にしたため、訪ねて僧衣を繕うために継ぎ布を所望。現れた娘は、織りかけていた布を惜しげもなく切って差し出してくれた

    その行為に大師は甚くいたく感動、娘の願いを聞いたところ、「亡き父母の供養のために千手観世音菩薩像をお祀りし、仏門に入り精進したい」と言った。

    そこで、大師は願いを聞き入れ、その場一夜で千手観世音菩薩像を彫り娘を得度とくど(仏門に入る)させた。そして、娘に灌頂かんじょう(仏門に入る際の儀式)を授けたところ、その娘から七色の光明が放たれ即身成仏して千手観世音菩薩の姿になったという。


寺号について

  • 寺号はこの地の名前であり、山号・院号とも弘法大師伝説(娘を得度させ、娘に灌頂を授けた)に由来する。


ご利益

  • 御本尊の千手観世音菩薩
    ・・・災難除け、病気平癒、長寿、夫婦円満、恋愛成就などの現世利益と後世利益。


御本尊・ご真言

御本尊:千手観世音菩薩
ご真言:おん ばざらたらま きりく


見どころ

  • 本堂
    ・・・大塔の御本尊であった大日如来が祀られ、奥殿に大師作の千手観世音菩薩像(秘仏)が南向きに女人即身成仏の観世音菩薩像を北向きに祀られている

  • 【重要文化財】大塔
    ・・・豊臣秀吉の子秀頼が、父の菩提を弔うために慶長12年(1607年)に大阪の住吉大社の神宮寺新羅寺に寄進した塔を、明治の廃仏毀釈時に新羅寺が廃寺となったため、明治6年(1879年)から15年かけて切幡寺に移築したもの

  • はたきり観音像
    ・・・機織り娘が即身成仏した伝説の右手にはさみ左手に布を持つ観音像


おまけ情報

  • 女人成仏のお寺として善女に憧れる女性から人気がある

本堂


写真


次は、第11番札所藤井寺へ参ります。

2022年2月12日投稿
2022年9月3日改訂

合掌

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