見出し画像

優れたロゴを生み出すための7ヶ条

「優れたロゴとは一体何なのか?」

「どうしたら優れたロゴを作ることができるのか?」

そんなデザイナーの悩みを解決してくれるDavid Airey(デイビッド・エイリー)さんの著書、「ロゴをデザインするということ。成功と失敗から伝える君へのアドバイス。」本書から、優れたロゴを生み出すための7ヶ条についてまとめてみました。

優れたロゴとは一体どんなロゴなのか?

真に羨望の眼差しの的となり、優れたロゴとされる名作は、シンプルでテーマに添い、時代を超えて通用し、目に止まりやすく、記憶に残りやくすく応用が効くものだ。

人は商品を選ぶ時に、商品そのものの価値より知覚価値(ある商品に対してユーザーが感じる総合的な判断基準)を基準にしている。
見た目から受ける印象、そこから想像される結果が選択の決め手となる、だからこそブランドアイデンティティ(VI)が必要なのだ。

優れたロゴを生み出すための7ヶ条

優れたロゴを生み出すためには、以下7つの条件がある。

1.シンプルに抑える
シンプルなデザインは応用が効く、無駄を削ぎ落としたロゴは名刺、屋外広告版、ピンバッジ、ウェブサイトなど小さなファビコンなど多種多様な媒体に応用できる。そして見分けやすく、時代を超えて長く通用する力を持つのだ。

画像1

人の頭は一つの特徴しか覚えられないためシンプルなロゴは覚えやすい。モナリザの表情は覚えていても衣服や両手の位置、背景など全て思い出すのは難しいものなのだ。

2.テーマに沿う
ロゴは、そのロゴが象徴するべき事業や分野に見合ったデザインでなければならない。
法律家のためのロゴなら遊び心を取り入れたデザインは避けたほうがいい、そのために必要なのはクライアントのメッセージを届けるべき対象層(ペルソナ)との関連付けだ。クライアントが属する業界に関する十分な知識なしでは、クライアントとしのぎを削る競合会社との差別化に成功する見込みは低い。

3.伝統あるモチーフを入れる
トレンドは寿命が短かく、一過性のものであるためロゴには避けるべきだ。
ある程度のタイミングで手直しを加え、新しい要素を軽く付け足すことはあっても、基本的なコンセプトは変えずに残せることが望ましい。 

4.目に留まるよう工夫する
特徴的で目に留まるロゴは、他の広告から簡単に区別できる。そこにはクライアントの企業理念を的確に伝えるような独自の個性やスタイルがある。
一番うまくいくのは最初から見分けやすさを意識してデザインする方法。ロゴの形状や輪郭がそれだけで十分な特徴を持ち、他のロゴとの違いが明確であることが望ましい。

5.力強く印象つける
真に力のあるロゴは、ちらりと一回見ただけで記憶に残るものだ。ロゴはなんらかの印象を一瞬で対象に与えなければならない。
見て最初に感じる疑問や違和感が、発見やひらめき、納得に変わると印象に残りやすい。

6.極少サイズでの再現性を考える
極小サイズで再現される状況もありえることを忘れてはならない。
様々な用途に柔軟に対応できるロゴをデザインする鍵はシンプルさだ。2,3センチ程度の極小サイズでも細部が損なわれず十分に機能するデザインでなければならない。

7.ポイントは一つに絞る
並み居るロゴの中で抜群の存在感を発揮する名作は、たった一つの特色で差異を際立たせる。要素だけが見る人の記憶に刻み込まれるデザインこそが望ましい。対象者はロゴをじっくり観察せず、大抵ちらりと視線を走らせて通り過ぎるだけだ。多くの要素を付け足すと見た人は不要なことにまで思いをはせる可能性があり、デザインそのものの印象がぼやけてしまう。

まとめ

以上、ここまでが優れたロゴを生み出すための7ヶ条である。
しかし忘れてはならないことがある、法則は破るためにあるのだ

ここで紹介したは7ヶ条は時代を超えて長く通用し、ロゴを作る上で大いに役立つ。
しかし法則をしっかり守るだけでいいのだろうか?
新たな道を切り開き、枠組みを打ち破って、一歩進んだ試みに取り組むかどうかは自分次第である。
その試みは必ずしも成功するとは限らない、例え失敗したとしても、それは誰かのせいではなく自分自身のミスならそこから多くのことを学び、より成長できるはずだ。

デザイナーとしての第一の目標は、あなたが魅力的だと思うクライアントをあなたの方から魅了していくこと。そのために大切なのは常にスキルを磨き、学び続け、成長していくことである。

感想

自分がロゴをデザインする上で元になっているのはこの考え方ですが、ロゴデザインを教える側になった時、ロゴの作り方について改めて説明しようと思うとなかなか難しい、その点でこの本は非常に分かりやすかったです。

目には見えない理念や想いを形にするロゴデザインというものは面白いな、と日々感じます。著者のDavid Aireyさんは説明がとても上手く分かりやすいので好きです。



活動のためサポートいただけると助かります。いただいたサポートはクリエイターの活動費として使わせて頂きます。