デンマークでは水道水が売られている?!postevandのデザイン
こんにちは、デザイナーの堀野美雪です。
デンマークを旅して、その国のデザインを調査したことを書いているnoteです。
私は海外のスーパーマーケットでパッケージを見るのが好きです。
今回もコペンハーゲン市内のスーパーを徘徊していると、気になる紹介を見つけました。
多くの食品パッケージといえば余白が少ない特徴があるため、このように余白のとられたデザインは非常に珍しい。
食品をおいしそうに見せるために用いられるシズル感も一切ありません。
パッケージには大きく「postevand」という商品名らしきものが書かれています。
白いから牛乳なのかな?とGoogleで翻訳してみると、そこに出てきた文字はなんと「水道水」。
えっ、まじか…商品名がダイレクト…!
その直球さと、スーパーで水道水を売っていることに驚きつつも、後日サイトを見てみるとデザインが良すぎてさらにびっくり。
流行のエモさを感じるイメージビジュアル。
細いラインで仕切られたシンプルな構成でありながら、スクロールによってビジュアルが動くのが楽しく先進的なサイトになっています。
postevandが目指すもの
postevandが販売しているのはデンマークの水道水。
年間売上の3%は地元の非営利団体に寄付し、気候危機との戦いに取り組んでいます。
市内のカフェやショップでは、プラスチックボトルのミネラルウォーターをやめてこちらの商品を選んでいるそう。
そうなるとパッケージデザインがここまでシンプルで洗練されている理由が分かりました。
一般消費者に買ってもらうというよりも、センスが良く環境意識の高いカフェやショップで選んでもらえるように、という意図があったのだと思います。
パッケージもリサイクル可能を目指して
カートン部分はFSCに認定された、96.6%植物由来でリサイクル可能な紙を使っています。
プラスチックボトルの気候への影響と比べると、その半分ほどだそう。
さいごに
デンマークの水道水は世界最高の飲料水として認められるほど綺麗なのです。
つまり、デンマークの水道水はプラスチックボトルのミネラルウォーターと同等のクオリティです。
デンマークで見つけたデザインをひとつひとつ深掘っていくと、やっぱりすべて「持続可能」へと繋がっているのがデンマークらしさという気がしています。
今後プラスチックボトルのミネラルウォーターを持つ人は少なくなり、postevandを持つ人の姿を多く見かけるようになるかもしれないですね。
postevandのデザインはそんな未来をつくっていたのでした。
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