カメルーン_023

西アフリカ最高峰、カメルーン山に登る

サヘルの国、チャドからカメルーンに入り南下を開始すると熱帯雨林が襲ってきて、再び心地よい湿度に体が包まれた。12時間かかると言われていた電車は16時間とアフリカでは普通の遅れだった。

途中ラマダン明けのお祭りに遭遇して、不思議な光景を目の当たりにする。これがアラブの国ではなく、アフリカの中央で行われているということが、かつてアラブの国々を旅した自分から見て特殊なわけで。子どもたちの衣装可愛かったなあ。

カメルーンの首都ヤウンデはアフリカレベルの大都会。熱帯とあってサヘルと比べたら食もバリエーションが増え、ムスリム国なのに普通にビールが飲める。

ここからブエアという標高1,000mの街に向かった。おそらく普通の旅行者は来ることはないだろう。僕はというと、せっかくなので西アフリカの最高峰、4,095mのカメルーン山に登りたかったのだ。ここから山頂までは3,000m。ガイドブックには標準3日、急げば2日、Super Fitならば一日も可能かもしれない、と書かれていた。久々に身体的なチャレンジをしたかったので、フィットしていないけれど1日コースにトライすることにした。

珍しくガイドさんをお願いすることにした。前夜にガイドさんに遅刻はしないでくれよ、と言うと「Guaranteed! 保障するよ!」って言ってたのに30分の遅刻。なぜならここはアフリカ・・・

早朝5時半に出発した。モロッコのトゥブカル山以来の山登り、バスに座ってたるみきった体に鞭を打つ、ひたすら打つ。一つの山で標高差3,000mなんて日本ではあまり体験できない。自分としても初体験だった。そしてこれが、いくら上がってもいくら登っても先が見えないのであった。

二日の行程で登ればこの山をもっと楽しめたと思う。カメルーン山は様々なバリエーションを見せてくれる楽しい山に違いなかった。最下部はやむ芋やとうもろこしなどが生える畑、その後は「ホウ!ホウッ!」と鳥の声がこだまする熱帯雨林、続いてサバンナ。最後は活火山ならではの瓦礫が続く溶岩地帯。ところどころ白い煙が立ち上がっていた。
しかし、この無茶な行程の為に僕には落ち着いて山を楽しむ暇はなかった。というよりも楽しんでいる余裕がないのだ。
いくら登っても上がある、これってすごいなあ。ほとんど休みという休みも取らずに、足が何度もつりそうにもなりながら、頂上に着いたのは出発から8時間後。さすがに達成感があり、うおーーー!と叫んだ。

もちろん下山も3,000mの下りだった。いくら下っても降りても下界には着かなかった。
宿に戻ったときは日もどっぷり暮れていた。13時間の長い長い一日だった。

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