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時間制限を生かした「進化型」日常指導

子どもたちに指導をする際、成長してほしいという願いをもたずに声を掛ける人はあまりいないと思います。

今回は、日常の生活を更に進化させるための指導を紹介したいと思います。

今回の取組では、以前紹介した締め切り効果を活用します。

今回ご紹介するのは、

日常指導で、繰り返し行われることや頻繁に行われることを対象に、時間制限をかける

という方法です。

例えば、体育の着替えや給食の準備・片付けなどがあげられます。

体育の着替えでしたら、「2分以内に終わらせられるようにしよう」といった具合に、時間制限を設けます。

この際、何も指導しない時にかかった時間を提示して、子どもたちに目標の時間を聞いてみます。

「今までは、大体4分くらいかかっていたけど、やる気を出したら、どれくらいの時間でできそうかな?」

といった声をかけ、子どもたちと対話しながら、目標時間を設定します。

あくまでも、目標時間はこちらから提示するのではなく、自分達で、設定させることが「進化型」の指導のポイントです。

そして、目標時間を設定する際には、二言、以下のようなことを付け足します。

①「早くなって空いた時間は、何に使おうか」

②「目標を達成できるようになったら、次の目標時間を設定すると更に良くなるかもしれないね。」

①は、自分達が努力した成果で得られるメリットを感じさせ、目的をはっきりさせるというねらいがあります。

メリットを感じることで、子どもたちが目標に向かって頑張ろうという意欲や目的をより意識できるからです。

なんのために、時間を短くするのかという目的があるとステップアップして、進化していきやすくなると私は思っています。

②は、目標時間を達成した後のことを先に話しておきます。

目標を達成して、ハイ終わりでは、「進化型」とは言えません。

目標を達成したら、自分達で目標を再設定して、更に工夫をしたり、取組を続けたりしていくように、ここでまず一手しかけておきます。

更に工夫をしたり、取組を続けたりしていくと、①の目的意識と相まって、自分達でどんどん新たな目標を設定して、どんどん進化していってくれます。

後は、それを価値づけたり、時には、話合いの場を設けるアドバイスをしたりするだけです。

時間の制約を設けることで、目標の設定や振り返りがしやすくなるため、手段として時間制限を採用しています。

時間制限を生かす

今回、体育の着替えを一例に挙げて、書きましたが、その他の事でも活用が可能です。

あくまでも子どもたちが、「進化」していくための方法の一つとして、時間制限を使うことが大切です。

よく子どもたちは、時間制限をして、それを達成することが目的になりがちです。

しかし、本当に大切なことは、その時間制限を達成することを通して、自分達が成長していくことだと私は考えています。

なかなか早く動くことが苦手な子も中には必ずいるはずです。

そうした児童を責めるのではなく、どうしたら、みんなで早くできるかと考え、話し合ってアイディアを出したり、アイディアを実際に試したりするという活動を通して、それぞれが進化していくことに重きをおけるうように価値づけをしていくことがとても重要です。

そのため、教師が、子どもたちが進化していけるように、見守り、時に話合いの場を設けるように助言しながら、大人も子どもも一緒になって取り組んでいくことが大切だと思います。

気軽にできる実践ではありますが、その点は、よく配慮して試してみていただければと思います。

一つのことでやるだけで、子どもたちがぐっと変わってくると思いますので、とてもオススメです。

今回もお読みいただきありがとうございました。






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