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ミステリー読破には集中力が必要

知り合いの娘さん(中学生)にすすめてもらった本が積読の中に埋もれていた。目が合ったというか「そろそろ読みませんか」と話しかけられた気がしたので手に取る。

実はこれまでもページを捲っては閉じ、捲っては閉じを繰り返して、いつの間にか積読の仲間入りをしていたのだ。

正直、本を読むスピードは早い方だと思う。比較対象がいないので自己申告ではあるけれど。自分が読みたくて購入した本ならば2時間で大抵は読み終える。

人からすすめられて買ったものだからなのか。読みたい欲求が希薄だったからなのか。序章からちっとも進まず翌日に持ち越してしまったのがいけなかった。

読書が苦手な人の特徴のひとつに「集中力が続かない」という要素があげられる。読み始めてみるものの眠くなったり、別のことに意識が散ってしまい、本の世界に没頭できないのだ。そうすると途中で休憩もしくは別の日に持ち越されてしまう。

日を変えて読み進める場合、よほどその本が面白いか興味をそそられるものでない限り、読んだ部分の記憶はキレイさっぱり消え去っているのが常だと思う。そして最初に戻って読み始め、またまた集中力が途切れて本を閉じる。このループに嵌ると一冊読破するのは困難を極めてしまう。

すすめられたこの本の場合も、間違いなく負のループにガチンコではまっていた。さらにミステリーというジャンルだったのが悲劇を倍増させていた(オーバー)。

登場人物が多いうえに、伏線がいたるところに散りばめられている。うっかりしている隙にわけがわからなくなって、一番はじめのページに逆戻り。エンドレスでゴールが見えない。結局、読むのを断念して放置プレイに及んだというわけだ。

いやこれは、誰もがというわけではなく、私の場合がそうだったという一例。ただ、本を読破できない友人のほとんどがこのパターンであることを鑑みると、あながち的外れでもないのかな。

あとは読むタイミングであったり、内容は素晴らしくてもフィーリングが合わないなど、読破できない要因は様々だと思う。

なんとなく『読むタイミングじゃない?』 直感が働いてトライしてみたところ、あっという間に読破してしまった。子どもの感想のようだけれど面白かった。人は本当に良い本と出逢ったとき「感動した、面白かった、凄かった」シンプルな言葉しか思い浮かばないものかもしれない。

話しも後半になってから本の紹介となってしまったけれど。
中学生の娘さんにすすめられた本は。

『幻夏』 太田愛著

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著者の太田愛さんのことを恥ずかしながら全く知らなかった。「相棒」「TRICK2」などの脚本を書かれている方だとわかって驚いた。テレビを見ない私が嵌っていたドラマが「相棒」と「TRICK」。そりゃあ面白いはずだ。しかも単なる謎解きではなく、警察、検察、裁判などの組織がリアルに描かれている。今回の作品でいえば「冤罪」に真っ向勝負を挑んだかたちだ。

驚くべきはこれを中学生が読んで「面白い」と感じたことかもしれない。組織や人間の中に巣くう「闇」にスポットがあたったような作品だ。この面白いは決して「愉快、楽しい」という陽の感情ではないはず。読破するだけでもかなりの集中力を要したと思う。

今まで読む本は自分で選んできたけれど、人からすすめられた本を読むのも一興かもしれない。

読書の新たな扉を開いてもらったような一冊でした。



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