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書くことより読むほうが好き

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文章と近いところでずっと仕事をしてきた。
ここ数年は自分でも文章を書くようになったので、
「書くのが好きなんですね」といわれることもあるけれど、
とんでもない、わたしは文章を読むのが好きなのだ。
文章を扱う仕事が終わると、自分の興味や関心の本を
読むのだから、読んでばかりいることになる。

文章を書き続けていると、ことばが指先から滑り出す

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ような感覚になるときがある。
しかし、自分が書く文章は、基本的には
自分の体験を超えない。
書いてみて、そうか、全体像はこうだったんだ、とか、
あのとき自分はこんなふうに感じていたのかと、客観的に
見ることもできるけれど、それも自分の理解を超えるものではない。

それに比べると、読むことは、自分にとって未知の世界(それは
必ずしも物理的な距離ではなく)を教えてくれたり、まだ
経験のないできごとについて考えさせてくれたり、気がつかなかった
感情を自覚させてくれたりもする。
文字を手がかりにして、ひとの体験や感性、思想を知る営みがある。
たぶんわたしは、それが好きなのだ。

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ことばは心を伝えない、伝えきれないかも
しれないけれど、それでも、ことばの力を信じて
託すものが、わたしたちにはある。

note でみなさんの文章を読むのが、わたしの日課に
なっている。
珍しい体験でなくても、おしゃれな場所でなくても、うまい
文章でなくてもいい。
そのひとにしか書けない心のうちを、素直に表現した文章が好きだ。
映し出す画面のこちら側で、笑ったり、
はらはらしたり、泣いたり、ときには怒ったりしながら、note の
記事を読んでいる。

結局のところ、わたしたちは、文章を通じて
その書き手に出会っている。

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たとえ会ったことが
なくても、きっとこういうひとだろうと
自分なりに想像できるのが、
文章というメディアだ。

今回の「#手書きnoteを書こう」企画は、それを手書きの文字で
見せてくれるという。
たぶんそれは、note 画面で見るよりも、もっと具体的に
書き手のひととなりを伝えてくれるはずだ。

ほかのひとは、どんな表現を見せてくれるのだろう?
それを知りたくて、わたしは今からわくわくしている。
参加しておいてなんだけれど、やっぱりわたしは、
書くことよりも読むほうが好き、らしい。

森野バク

*-*-*-*-*

だいすーけさん、素敵な企画をありがとうございました。
「#手書きnoteを書こう」に参加しています。

*写真 ジャカルタの書店 Periplus(インドネシア)


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