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心に残るnote作品集

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エッセイや日記、写真、漫画など、出会えてよかった、素敵なnoteを集めてみました。さまざまなジャンルのクリエイターの皆さんに感謝をこめて。マガジンをつくる前に読んだ素敵な作品もた…
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#人生

他人の言葉はあなたのものではない

他人の言葉はあなたのものではない。 これ、本来は当たり前のことだと思うんだけど、現実には、結構多くの人が他人が書いたものを読んで、そう思ってた的な発言を自然にしてしまう。 「共感する」と言えば聞こえはいい。 でも、本当に最初にそう思ってたのだとしたら、何故自分が先に同じことを書かないのかという話でもある。 それに本当に最初からそう思ってたら「私もそう思ってた」なんてことをうれしそうには言わないだろう。あっ、先に言われた!くらいのちょっとした悔しさが起こる方が自然な反応では

25年経って、ようやくあなたに言えること

「あなたのこと、愛していないと思う。でも、失いたくないの」 彼からのプロポーズに対する私からの最初の返事。YesでもNoでもない曖昧でずるい返事。当時、別れてからもずっと心を寄せる人がいた。愛する人から受ける友達宣言ほど辛いのはよく知っている。だからこそ、素直に答えなければと選んだ言葉だった。確固とした返事をすぐに出せなかった私に、直感だけがそう言わせた。 彼は私の両手を握ったまま、少し寂しそうな優しい笑顔で「わかった」とだけ答え、ゆっくりと私を抱きしめた。腕の中があまり

夢は叶うより実るほうがいい。

イラストレーターになりたいと思っていた。イラストに言葉を添えて、本を出したいと思っていた。 高校の頃の私の夢だ。 高校を卒業する頃、私はイラストの専門学校に行きたいと両親に言ったけれど、猛烈に反対されて大学受験することになった。でも第一志望の大学には受からず、すべり止めの大学に何とか受かり、その大学に入学したけど、結局のところ中退した。 私の夢は何一つ叶うことはなかった。 今思えば、その道はいくらでもあったはずなのに、私は何の努力もせずに、無気力なまま職安に通う日々が

最適解を求め急がない

「あなたの弱点はね、まず自分に都合のいいような答えを先に見つけて、それに引っ張られるところかな」 ほんの少しだけ躊躇いの色を見せながらも、先生は私の目をまっすぐ見てそう言った。自宅から車で20分程度の閑静な街。その一画にあるおうちで私は英会話の個人レッスンを受けている。 終わりのない英語学習。これまで現地の語学学校に通ったり、アメリカ人のチューターに英語を教わったりしてきた。今さら日本人の先生に指導を受けようと思ったのは、英語を習得した先に「翻訳」というスキルを身につけた