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退職願を出す&パリへGO!

 事の始まりは、2022年の暮れ。
 
 とある、まあまあ名前は通る?会社に新卒で入社した私は、ご多聞にもれず、数年勤務して退職願を出すことになった。別に、人間関係に悩んでいたわけでもなく、仕事内容に不満があったわけでもない。ただ、キャリアチェンジをすべく出願した大学院から合格をもらい、再び学生に戻ることにしたからだった。

 上司は驚いた様子だったけど、決意を固めた私の表情を見て、引き留めることなく、私が差し出した退職願を何も言わず受け取ってくれた。(私の日頃のパフォーマンスが低かったからだとは思いたくない。)

 この瞬間、私が始めたことは、有休消化期間をスタートできる日付の綿密な計算、および海外への高飛び計画だ。

 大学生の頃から、カフェでバイト代を貯めては、長期休暇に、ほぼ必ず海外旅行に行っていた私。会社勤めを始めたことと、コロナ禍もあり、海外旅行は3年以上もご無沙汰だった。久しぶりに得る長期間の休みだから、やはり近場ではなくヨーロッパに行きたい!主要な都市はだいたい学生のころに訪れたが、その中でもパリの景色がぼんやりと頭の中に浮かんだ。

 早速、意気揚々と航空券を探し始めると、その金額に目ん玉が飛び出た。私が学生の頃は、7万円あれば余裕で往復できたヨーロッパ。それが今は、乗り継ぎでも20万円が当たり前の世界になっていた。退職金を当て込んで行こうと思ったが、赤字を覚悟しなければいけなさそうだ。

 日付や発着地をいじりながら、いろいろと検索していたところ、3月上旬の関空⇆シャルルドゴール(パリ)が12万4千円で見つかった。シンガポール航空で、往路復路ともに、7時間ずつの乗り継ぎ時間があるので、街に出て遊ぶこともできそうなので、これに決めた。

 ただでさえ、航空券が想定の倍近い値段なのに、宿代は物価高と円安で余計に高い。調べに調べ倒して、パリの凱旋門近くのホテルを、3泊4万800円で抑えることに成功。アゴダでタイムセールをしていた時を狙ったのだけど、同じ条件でも1万円近くは価格が変動する。3日間ほどは、30分に1回くらいはチェックしていた。この価格でまともな宿を取れたのは、努力(暇)のたまものですね。

 パリ3泊、ロンドン1泊、シャルルドゴール空港の隣1泊、パリとロンドン往復のユーロスター料金と、航空券代を合わせて、ちょうど20万円だった。たっかいけど、頑張って抑えられたかなとも思う。

 残り1か月ちょっと、まじめに仕事して、引継ぎも完璧を目指してやりながら、旅立ちの日を楽しみに待った…。つづく