見出し画像

高校サッカーはなぜ心を掴むのか。25歳女性の分析

今日、会場はすごい空気だった。みんなが近江高校のファンになっていた。
結果は準優勝だったけれど、それだけは伝えたい。
どうか、このnoteが、近江高校サッカー部に届きますように。

高校サッカーを見始めたきっかけ

会場が家から行きやすい、サッカーを観るのが好きだし行ってみよう。
こんな安易な理由をきっかけに、1人で観戦を始めて、はや4年。

毎年極寒チャレンジに、成功しています。笑
いつか、冬の2試合連続(4時間コース)観戦の持ち物や防寒対策についても書きたいけれど、それはまた今度にします。

高校サッカーを1試合ごとに欠かさず見る!ってほど超絶ファン!!!ってわけじゃないけれど、高校サッカーがひそかに好き。
そんな私が、高校サッカーの魅力を分析してみました。

初めての観戦は、2019年暮れに一人で。

ひとを魅了する理由1:本気度

昨日のnoteにも書きましたが、もちろんA代表もJリーガーも本気。
だけれど、その度合いが高校生はまた違うと感じられます。

親元を離れて強豪校へ進学。
強豪校へ入ったからといって、その年の全国の切符を掴めるとは限らない。
そして仲間とも争い、掴み取った、ピッチでプレーする権利。
この仲間とプレーする、最後の機会。
人によっては、勝ちにこだわるサッカーはこれで最後と思っている人も、いるでしょう。

詳しくは、よければ昨日書いたこちらをどうぞ。

全員が、今までの想いを背負ってこの舞台に立っているのだと、具体的な背景を何も知らずとも、感じられます。

2024年1月8日。試合後横たわる選手たち。

ひとを魅了する理由2:選手の生の声が届くこと

私の経験からいうと、4回戦(ベスト4決め)までは、わりと会場が空いています。
試合開始前に行けば、最前列での観戦も余裕です。

となると、目の前に出ている選手たちの声が、応援歌に負けず生で聞こえます。
指示を出す声、悔しがる声、喜びの雄叫び。

そして、最前列のエリアとなると、その学校の選手家族に交じって座ることになります。

わざわざ家族と交じって座らなくても、という意見もあると思いますが、これが緊張感があります。
家族総出で地方から出てきて、本気で応援している人たちとともに、闘うのです。

選手の声が生で聞こえて、私の隣には遥々来た選手の家族たちがいる。これが高校サッカーならではです。

この距離での観戦はなかなかありません。

ひとを魅了する理由3:バイアスなしに、技術力で魅せられること

私は少し予習をしていく派なので、手元に背番号と名前、特徴をざっくり書いたメモを置きながら試合を観戦しますが、
観戦者の多くは、良くも悪くも、選手の名前や特徴を知りません。

私が予習に使う応援番組の短編ドキュメンタリーでも、フォーカスされている選手は1人か2人。
知れる内容もたかがしれています。

だからこそ、観戦中は周りの人たちも選手を背番号で呼び、技術力をもって目立つ背番号の人が出てくるのです。

今日は近江の14番と10番が絡むと違うねと言われていました。
浅井くんと金山くんだよ、名前覚えて帰って、と思いました(わたし誰笑)

今日の席は全体が見渡せるいい席でした!

ひとを魅了する理由4:応援歌

応援歌は、どうしても耳に入ってくるしそれでリズムをとってしまいます。

近江のアルプス一万尺の時なんか、選手のドリブルスピードも自然と早くなるのかなぁ、リズムが狂って足絡まっちゃったりしないかなぁ、と思いました。(素人笑)

応援歌じゃないけど、青森山田が校歌を元気よく歌っていたのが気持ちよかったですね。


2024年1月8日 国立競技場の空気

さて、今日の試合はというと。
開始10分くらいでもう、会場みんなが近江高校のファンになっていました。

青森山田にボールがあっても、すぐに奪いにいく姿勢、技術。
細かく丁寧なパス回し。
誰もが認める優勝候補、青森山田と互角に戦っていて、みんなが近江を応援していました。
青森山田が強いのはわかっている、だけど近江、上手いよ!いけるよ!と。

おー!とみんなが注目する時に出る声も、あぁ、という落胆の声も、周りは皆、近江サイドとして出る声でした。

0-1で迎えた近江1点目。
青森山田の1点目より、正直誰もが声を出して喜んでいて、会場が盛り上がっていました。
会場の空気は近江。これは強い、という展開でした。

しかし青森山田が2点目を取り出したあたりから。
やはり青森山田は強いか、というのを改めて感じました。
近江が疲れてきているのか、細かく丁寧なパス回しができず、青森山田にボールを取られる取られる。

青森山田に点が入るたびに、会場から落胆の声が漏れていました。
それと同時に、決して近江の1点目のように興奮して立ち上がるなどは起きないけれど、やはり強いし上手いなと、青森山田のプレーを称える拍手を皆がしていました。

確実に最後まで戦い抜けた青森山田は、これぞラスボスという感じがしました。

試合後の近江キャプテン金山くん

前回大会は、私は岡山学芸館を応援していて優勝したのでとても嬉しかったのですが、
今回は少し後に引きずる、でもこれが王者かと納得する、そんな試合後の心境でした。

私が今回、近江を応援した理由

私は過去4年間、1度も近江の試合を観に行ったことがなく、今回事前の応援番組で初めて、近江のプレースタイルや人を知りました。

その中で印象に残ったこと。
監督も、選手も、青森山田を青森山田さんと呼んでいたことです。
格上とわかっている、尊敬の念がある、戦えることにびっくり。
この地に足のついた感じが、とても好印象でした。

別にさん付けで呼ぶことがいいと言いたいわけじゃないけれど、(現に私は呼び捨てです、すみません笑) こういう些細なことが、応援したくなる、と思わせる力があるのだと思います。

そして、お金が足りなくなった時の監督の姿勢。
ベスト4を目指していた近江は、宿泊代などの活動資金が底をつき、クラウドファンディングの呼びかけを行なっていました。

地に足をつけて努力してきた近江が、想像以上の結果を出し現れた、嬉しい苦悩。
クラウドファンディングをすることは誰にでもできることかも知れないけれど、報道陣に素直に助けて、と言えることが、私は監督素敵だなと思いました。


旅を中心に記録しようと思っていたこのアカウントで、サッカーのお話がとても長くなってしまいました…笑
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
青森山田がなぜフィジカル最強なのか、私はその背景が追えていないのでこれから情報収集に入ります、、!

こんなに興奮した高校サッカーですが、次の第103回大会は観戦できない予定です…🥲
代わりに今年はブンデスリーガを生で何回か観戦する予定ですので、またそちらはnoteに記録しようと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?