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美浜のへしこちゃん生みの親、伊達さんは、ただものではない「へしこ愛」のカタマリで、今日も女将さんたちと一緒に「へしこの町美浜」を盛り上げます。



「へしこの町、美浜町」で出会った皆さまをご紹介します。

※こちらは、福井県・地域ものがたるアンバサダー行脚の前に、2022年4月、ジオリブ研究所の巽先生とともに、美浜町事前調査に訪れたときの見聞録です。

皆さんは、美浜町に行かれたことはありますか?
「美浜町」と調べると、愛知県・和歌山県・福井県となんと3つ💡出てきますが、今回は、福井県嶺南、若狭湾に面している美浜町です。地図で見ていただくと、一体いくつ入り江があるんでしょう!というぐらい、ぐるりと若狭湾を囲む長い海岸線を有した地です。ですので、今回訪問する2つのへしこ工房、三方五湖湖岸の日向と、突き出た半島の丹生は、湾をぐるりと囲んで車で30分離れています・・!

1.「へしこ工房 女将の会」の加藤さん(美浜町 日向)

日向湖は三方五湖のひとつで、海水の湖なので、海のお魚が獲れる、素敵な風情を残した漁村です。

へしこ工房は、旅館の女将案4人で始めた取り組み。

これは、懐かしの福井県観光連盟さんの「年縞✖三方五湖ツアー」に参加した時に私が初めてへしこ工房に連れて来られた時。なんともエネルギッシュな、案内人の伊達さんと、女将の会の加藤さんに圧倒されました!
昔は、この漁村の家々300軒、みんな漬けていましたが、大量生産に置き換わったり、サバの漁獲高が減ったりして、ほとんど皆やめてしまいました。加藤さん達は、旅館の女将さん4人友達で、伝統の製法を残そう!とこの取り組みを始めました。

今回は、ジオリブ巽先生とともにご訪問。この樽で、毎年昔ながらの製法で、丁寧に漬かり具合をチェックしながら、毎年この10個の桶で1回に1,000漬ける。空いたらまた1,000本・・・で年間6~7千本漬けます。

「昔は、サバの汁はほかしたらあかん!と言われたんよ。サバの汁と、塩・ぬか・醤油・酒粕・焼酎・唐辛子だけ。余計なものは入れません。」

「これから夏に向けてぽこぽこぽこと発酵し始める。10か月だと浅い、12か月でちょうどいいかな。冷夏だと長めに漬けます。」

前回は見なかった、「へしこ分布図」ができていました!女将の会、加藤さんのご説明は、お客さんが来て説明するたびに進化されているそうです。福井~京都~兵庫~鳥取の日本海側が「へしこ」で、石川では「こぬか漬け」と呼ぶんですねー!知りませんでした。

近年では、年中脂が乗って安定した漬かり方をする、ノルウェー産のサバを漬けられています。近海のサバは、春は脂がなく、秋は脂がのる(が全体的にノルウェーよりはさっぱりしている)ので、年中漬ける日向の製法ではコントロールが難しいそうです。昔は、獲れすぎて困ったのでへしこにして長期保存というのもありましたが、今は漁獲量が減ってしまいました。
巽先生からも、「八戸の脂の乗ったサバを使って作れない?」・・・とのご質問が。加藤さんの祖父の代は八戸産も使っていたそうです。今や希少になってしまった、さっぱり派の和サバとこってり派のノルウェー鯖、同じ製法での漬かり具合を味比べしてみたい気も個人的にはします!

そして出てきました、大輪の花!・・・ではなく、見目麗しいダイコンとへしこの薄切りマリアージュ。これがなんとも美味しい!ぱくぱく食べられてしまいます。(私は2回とも、10枚以上ごちそうになってしまいました・・・)ちなみに、買って帰った丸ごとのへしこをこんな感じにしようとチャレンジしましたが、こんなに素敵に薄くは切れませんでした😭 匠の技!

このへしこの天むすも絶品でした!

味見用の切り身と、伊達さん力作のへしこレシピ冊子をいただきました。
道の駅などに行くと、このエリアでは数十種類ものへしこが売られていますが、加藤さんの熱い想いを聞くと「日向のかあちゃんへしこ」に手が伸びます。

2.「丹生酵房 へしこ丸」の新谷さん(美浜町 丹生)

車で30分移動して、丹生のへしこ丸へ。こちらのへしこ文化の語り手は、新谷旅館の女将さんです。旅館の副業として各地で定着しているんですね!

海に突き出た桟橋をバックに。海と旅館の間にあるへしこ工房にて解説いただきます。海沿いの通りからとっても穏やかな湾へ、風が吹き抜けます。調湿等もしやすいのだそうです。

「いつ漬けた」と書いてある樽󠄀が並びます。

ここで、スペシャルなへしこが登場!へしこの粕漬けです。一度へしこにしてから、さらに粕漬けにする。女将の遊び心の詰まった特別仕様です。「これは永遠に日本酒飲めるわ」・・・と巽先生は早々に味をしめてしまいました。一般には売っていないので、食べてみたい方は、丹生のへしこ丸・新谷旅館へ直接お越しあれ(笑)。

3.「へしこの町美浜」を育て続けてきた、伊達 美鈴さん

美浜愛・へしこ愛のカタマリの伊達美鈴さん。私は、1年前の環境省三方五湖モニターツアーのときに、加藤さんの横で「流暢にへしこの魅力を生き生きと語っている方」というイメージで出会いました。

今回は、美浜町の総合的な魅力、へしこの町おこしの長年の歩み、ゆるキャラ「へしこちゃん」をかぶって歩いた時代のコト、へしこペペロンチーノなど、若者たちにもへしこに親しんでもらうために新たなレシピを開発するなどの現在の取り組み・・・と色々網羅的に語ってくださいました。

元は美浜町役場で、今は独立されて、各地でへしこの町のさらなる発展に奔走されています。皆さんも、美浜町へ訪れるときは、ぜひ美鈴さんの語りを聞いていただけたら、その熱量で美浜町のイメージががらりと変わるはずです。へしこの奥深さを学ぶ旅。皆様もぜひ!

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