障がい者さんのプライドが込められた卵。飼育作業と野菜の農業体験に行ってきた。〜No 農 No Life × NIPPON TABERU TIMESコラボ企画〜
はじめまして、TABETAI編集部短期ライターのまほです。
今回は、「No 農 No Life(のーのうのーらいふ)」(以下:ののの)が提供する農業体験サービスを通して参加した、農業体験の様子をお伝えします。
私は農学部の大学に通っていますが、普段は土に全く触れません。
農学部生として経験のためにも農業体験してみようと思い、関東でも手軽に農業体験ができるという情報を得て、今回は神奈川県川崎市麻生区早野に農場を持つ、ぷらいどらんどさんを取材させていただきました。
とにかく質にこだわる卵を作っている農家さんがいらっしゃるということで、そのこだわりを解明しにいきました!
書き手:まほ
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〈プロフィール〉
杉本有司(すぎもと・ゆうじ)さん。
ぷらいどらんど創業メンバー。
インドデリー大学卒業後、慶應義塾大学で助手を務め、現在は富士通の戦略企画部に所属。また、ビジネスブレークスルー大学の特任講師やベンチャー企業の戦略顧問も務めている。
長男が幼い頃に障害を持っていることを認識し、障害を持つ人もやりたいことを選べて夢中になれる仕事場づくりを目指した。自主性に寄り添い、多様な願い・夢に自由にチャレンジできる場として、ぷらいどらんどを設立。
黛慎吾(まゆずみ・しんご)
ぷらいどらんど創業メンバー。
以前はイベント制作会社に勤めていたが、コンサルタントをしていた杉本さんとの出会いを機に、農業を始めることとなった。
みなさん動物は好きですか?ちなみに私は虫や動物が苦手です。笑
普段は触るのも嫌なほど苦手ですが、農業体験への興味が強かったので、苦手克服のためにも行ってきました!
そんな私の農業体験をお話していきます!
農業×ワーケーションが体験できる「ののの」とは
今回私が参加した「ののの」とは、午前中は農家さんのお手伝い、午後はテレワーク、観光など一泊二日から気軽に農業・酪農・漁業体験ができる農ワーケーションをすることができるところです。
少しだけ旅行がてら農業を体験してみたい!という方にも最適です!
友達と体験することで、農作業をする大変さや動物と触れ合える新鮮さや楽しさを分かち合えるので、楽しさ倍増間違いなしです。
早速ですが、私の一泊二日のスケジュールをご紹介します。
1日目
12:00 到着
13:00 作業開始
基本鶏のお世話や農業作業は黛さん1人でやられていて、今回のワーケーションは黛さんに教えていただきながら行いました。
年別で小屋を分けているそうで、1つの小屋に100羽程、全体では700羽いる小屋のひなたち。1つのゲージずつ入り、全てのゲージの水を交換したり新しく餌をあげたりしました。
このようにぷらいどらんどさんでは、鶏をひなから育てているそうです。
とっても小さいひなたちですが、餌をあげようと餌を持って入ると、ひなたちが集団でぐわーっと走ってきて、可愛らしいひなたちの野性的な一面と迫力にとても驚きました。
鶏だけでなく、うさぎも飼育しています。
ちなみに食用ではないそうです。笑(観賞用とのことです。)
次に、ドライバーのようなもので筒に穴を開けてひなたちが水を飲めるようにします。
ひなたちのお世話が終わったら、卵を取りに行きます。
こちらの鶏たちは結構大きくて活発で少し怖かったです…
大きな箱に卵を温めている鶏たちがいて、箱を開けるときに開けるよと合図するために手で叩くそうです。
1日目はあいにくの雨だったので、少し早めに作業は終わりました。
鶏自体見るのが初めてだったので、鶏たちってこんな感じで鳴くんだ!と些細なことでも驚きと感動を感じました。鶏たちも人間と同じように人間関係ならぬ鶏関係があるらしく、ボスは体が大きいこの子かなぁとか観察していて面白かったです!
小さなひなのころからえさにこだわり、
放し飼いでのびのびと育てる環境にこだわり、
卵1つ得るのは、すごく大変なんだなということがわかりました。
サラリーマンから農家に
—まほ「なぜ農業をはじめたのですか?」
ー杉本さん「もともとおじいさんが農業をやっていたが、誰も継ぐ人がおらず、自分自身もサラリーマンとして働いていたんですよ。でも、突如のコロナ禍で在宅になって、これはチャンスだなと思って、自分が継ぐことにしました。」
—まほ「そうなんですね。なぜ障害者さんでも働ける環境づくりを目指したのですか?」
ー杉本さん「自分の長男が幼少期のときに障害を持っているってことが発覚しました。長男の将来を考えたときに、障害者でも働ける環境づくりをしようとって思って、障害者の人もやりたいことを選べる環境づくりを始めました。」
作業が終わった後、杉本さんに質問しつつお話をさせていただき
1日目が終了しました。
2日目
8:00 作業スタート
2日目は晴れたので農作業をしました。
まず、鶏たちにえさやお水をあげ、その後畑に入りトマト、きゅうり、なすの定植を行いました。
—黛さん「50㎝間隔で植えてください。」
—まほ「はい!」
黛さんに言われた通り、トマト、きゅうり、ナスの苗を50cm感覚で植えました。前日の雨の影響により、土がドロドロでした。なので、移動をする時に靴に泥がついて重たくなり、歩きづらくなって、植えるのがさらに大変でした。
定植するときは常に腰をかがめて4時間ほど作業をしたため、かなり腰が痛くなりました。作業をするときは帽子必須です。(暑かった。笑)
自然と触れ合えて、朝から太陽も浴びれてとても良かったです。途中から虫も手で捕まえられるようになり、たくましくなった気がします。笑
普段忙しく人通りの多い賑やかなところで生活している分、こういった無になれる時間があると、心も穏やかな気分になって良いリフレッシュになりました!
基本体力的に大変な作業でしたが、段々と虫嫌いな私でも虫に対しての抵抗感がなくなり、最後の方には土にいる虫は気にせず触れるようになっていました。また、野菜を育てる大変さを知ったので、野菜も残さず食べようと思えました。
11:45 昼休憩
13:00 作業開始
お昼休憩を挟み、13:00頃から作業を再開しました。
午後はまず、卵を洗い、その後にまた田植え作業をしました。
大体120個程黛さんと二人で洗いました。
卵を洗う時のポイントは両手で卵を包むように持ち、親指同士を左右で上下に動かすようにして洗います。
卵はすごく繊細で割れやすいため、慎重に汚れを水で洗い落します。商品として売るためには、やはり見た目が大切なので汚れはきちんと落とします。
午後は午前中に定植した野菜にポールのようなものを1つづつ横に立てます。成長した時に茎がまっすぐ生えるようにするためです。
16:00 作業終了
農ワーケーションを通して地元の方たちや私と同じように今回ぷらいどらんどさんを訪れに来た方、たくさんの方々との出会いがあり、いろんな学びをしてとっても楽しかったです。
平等とは
—黛さん「障がい者だからって特別扱いはしません。」
「お金をもらう分、障害者であってもしっかり働いてほしい。」
卵を洗いながら黛さんとおしゃべり。
障がい者さんだから私達とは違う仕事を任せる、なるべく楽な仕事を任せるのは本当に平等なのでしょうか。
障がい者さん達も自由に仕事を選べて、同じように大変な思いをして稼ぐ。それが本当の意味での平等なのかもしれないと新しい方向からの見解を学びました。
黛さんは、前職はサービス系の会社で働いていましたが、コロナ禍で会社の経営が傾きはじめ、コンサルタントさんへ相談することになった。そこで出会ったコンサルタントさんが杉本さんだった。
黛さんは話していく内に、杉本さんの利益のために環境に負荷を与えるのではなく、みんながみんなのためにやりたいことをやることで世界が回る世界にしたいという思いに賛同し、農業を手伝うこととなり、だんだんと農業にはまっていったそうです。
質のいいを目指して
—まほ「質のいいを目指したきっかけって何ですか?」
—杉本さん「消費者は何を求めているのだろうと考えた結果、やはり質が良くておいしく、安心して食べられるもの。いたってシンプルだけどこれが1番大切だと思う。」
こういったものを作るために必要な、地道な作業をコツコツする作業は、
ひとつのことに集中できる障害者こそ適していると杉本さんは考えたそう。
会社は経営者のためでなく、株主のためでもなく、世界のためにあると考えていて。
利益ばかりを求めて、環境に良くないことや法に触れるようなことをするのではなく、みんながやりたいことをやった結果、経済が回るそんな世界にしたい。
—まほ「じゃあ杉本さんにとって幸せってなんですか?」
—杉本さん「ぼくはもう、楽しければいいっすね~」
卵1つ作るのにこれだけのこだわりが詰まっているのはすごい驚きました。餌や水、育てる環境など鶏さん達のことを第1に考えられて、
そこには杉本さんや黛さんの消費者の方に少しでも良いものを、社会全体を良くしていきたいという思い、障がい者の方でも仕事が選べてやりがいを感じられる場所にしたいという想いまでもががたくさん込められていました。
自分が想像していた以上に大変で、食べ物のありがたみがわかるすごく貴重な体験ができました!
是非農業体験に興味ある方は、
ののののサービスを利用して行ってみてください!
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のののHP:https://nononolife.com/
のののInstagram:https://www.instagram.com/nononolife