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瀬戸内海行き当たりばったり旅~しまなみ海道完全走破~ 第1話

私が一人旅を始めたのはかれこれ12年前に遡る。当時沖縄在住の貧乏学生だった私は、就航したてだった格安航空会社のチケットと電車のフリーパスを手に関西中を駆け巡った。あれから12年がたち、旅の魅力にすっかりはまった私だが、まさか関西に住むとは思ってもいなかったなぁ。

12年。当時10代だった私も昨年30代に突入。いろいろと無茶ができなくなってきた。まだ体力があるうちに、出来ることはあるんだろうか。

ネットでいろいろ調べながら、ふと3年前の記憶が思い浮かんだ。しまなみ海道である。

3年前、私は島巡りの一環としてしまなみ海道をサイクリングしたことがある。この時は時間と荷物の制約上、半分だけ漕いでそのまま帰ってしまったのである。距離にして約30キロだったが、日ごろからデブの私にとっては十分大変で、しばらく足が遠のいていた。

「まぁきつかったしなぁ・・・」といいつつしまなみ海道を通じる島々の写真を見ていると、不思議と行きたくなってくるのである。しばらくしてグーグル先生の検索欄で、愛媛行フェリーを調べていた。

思い立ったが吉日、ということわざがこの場合あっているがどうかわからないが、行こうとおもった3時間後に私はフェリー乗り場にいた。大阪~愛媛を結ぶオレンジフェリーは毎日1往復運航している。この日は木曜日。かつそれなりに大きな船なので飛び込みでも予約は取れた。近くのローソンでお酒とおつまみを買い、船内へ乗り込む。

オレンジフェリーは全席個室でいわゆる雑魚寝というスペースがない。最下級のクラスでもベッドと化粧台が与えられ、これで1万円以下(※時期によって値段は変わります)とはお得。ただし、私にあてがわれた部屋はほとんどスマホの電波が繋がらなかった。スマホ中毒患者には結構きつい。本でも持ってこればよかった。

一通り風呂を浴び、ポッドキャストを聞きながらさっき買ったおつまみを食べて、あとはやることなし。まぁ明日愛媛到着が朝の6時だし、早めに寝ることにしよう。

思わぬ形で訪れたデジタルデトックス。こういった形で文明と離れるのも、船旅の魅力の一つなのかもしれない。

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