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(part3)続・堂々巡りの対話――「社会課題にのりきれない」背景にあるもの(仕事文脈vol.24)

(part 1, 2に引き続き、最後のパートとなるpart 3をお届けします)

社会課題が「自分ごと」にならないのはなぜか―前号の座談会企画「堂々巡りの対話」には、さまざまな反響がありました。面白かった、モヤモヤする、共感する部分もあるなど……このテーマに関心を持つ人が多そうだったこと、そして前回文字通り堂々巡りのまま終わったので、もう1回話をしてみようとなりました。今回は、企画の発端となったタバブックスアルバイトスタッフ椋本湧也さん、同年代の友人で『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』著者の葉山莉子さん、かつてのスタッフ仲間のデザイナー井上麻那巳さんと編集部・宮川の4人で語り合いました。

抑圧に目がいかない

宮川 抑圧のところに目がいかないというのは、共感できるものだけを見ちゃうし、そこにしか感情移入できない、やっぱりそういうことだよね。

井上 小沼さんの「日本で生きているゲイ男性の1人としての」っていうところを消しちゃったのと一緒ってことですよね(tbスタッフマガジン「社会課題にのりきれない」参照。)。

椋本 うん、そうだと思う。

宮川 それが、堂々巡りが終わらない理由。

葉山 さっき、つらいのにそれをやらないんですかっていう問いをしたんですけど、そのときにやってるっていう反応が返ってきたけど、そうじゃなくて、やってるけどここができてないとか、ここまではできてるけどここから先は何らかの心理的なハードルがあるからできないとか、自分ではやり方がわかんないかとか、そこぐらいまで自己分析してるのかなって思ったから聞いてみたんだけど、そういう回答じゃなかったから、うんうんなんかそっかって思っちゃった。


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