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【腰痛の基礎】横隔膜の機能解剖から身体への影響を考える


こんにちは、だいじろう(@idoco_daijiro)です!


前回は「なぜ今、呼吸が重視されるの?」というテーマで腹圧との関連の高い呼吸機能について解説していきました。

腹圧の理解なくして腰痛をみていくことはできません。


その腹圧機能に大きな影響を与えているのが横隔膜です。


横隔膜が正常に機能することで、胸郭運動が適切に起こり、かつ腹圧のコントロールが可能となります。


つまり、腰痛をみていく上では、呼吸機能(横隔膜機能)の評価・アプローチをできるかどうかが重要です。


そのためにも横隔膜の機能解剖からの身体への影響について詳しく理解しておく必要があります。


とくに近年ではこの横隔膜の過剰収縮からの運動連鎖について注目されています。


今回は、その「横隔膜の過剰収縮からの身体への影響」について解説していきたいと思います。


本記事はこんな方にオススメです!

●機能解剖の捉え方を学びたい方
●横隔膜の機能について学びたい方
●腰痛と呼吸機能の関連性について理解したい方




▶ 横隔膜の機能解剖

横隔膜の収縮(前面)

横隔膜の収縮(側面)

【起始】
・肋骨部:肋骨弓の下縁(第7−12肋軟骨の内面)
・腰椎部
 —内側部:第1−3腰椎体、第2−3椎間板、前縦靭帯
 —外側部:正中弓状靭帯、内側弓状靭帯、外側弓状靭帯
・胸骨部:剣状突起の後面
【停止】
中心腱
【作用】
胸郭呼吸運動、腹圧負荷
【神経支配(髄節)】
頚神経叢の横隔神経(C3-C5)


起始部の特徴としては、腰椎部が右脚と左脚に分かれており、右脚はL3椎体前面まで付着しますが、左脚はL2椎体前面(書籍によってはL2/3間の椎間板前面)まで付着します。


つまり起始部には「左右差」があるということです。


後述しますが、この左右差によって身体重心や機能面にも左右差が生じてきやすくなります。


人体は器質的にも機能的にも左右対称ではないことを把握しておくことは臨床上とても大切なところになります。


また、横隔膜には腹大動脈が通過する「大動脈裂孔」、腹大静脈が通過する「大静脈孔」、食道が通過する「食道裂孔」があります。

横隔膜(上面)

横隔膜(上面2)

腹大動脈はTh5以下では椎体左前面の近傍を走行するようになります。


では、この起始部の左右差や腹大動脈の位置が人体にどのような影響を及ぼしていくのかを解説していきます。


まずは「腹大動脈からの椎体への影響」についてです。




▶ 腹大動脈からの椎体への影響

横隔膜(上面2)

腹大動脈はTh5以下では椎体の前方を通過するようになります。


詳しくみると、椎体の左前方を通過しており、壁側胸膜や心膜などの影響から、椎体に対して押し付けられるような位置関係をとっています。


その位置関係から腹大動脈の拍動は椎体に外力を加えることが考えられます。

横隔膜の外力3

腹部で腹大動脈を触知してみると分かりますが、腹大動脈の拍動はかなり強いです。


もちろん徒手で押さえても、押し返されてしまいます。


その力が椎体に影響を与えていきます。


では、どのような影響を与えるのでしょうか?



ここまでが無料で読める内容となります。
以下では「【腰痛の基礎】横隔膜の機能解剖から身体への影響を考える」について詳しく解説していきます。
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