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【閲覧注意】◯◯に着目した足部機能についての変態的考察の一例

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こんにちは、だいじろう(@idoco_daijiro)です!


今回は足部マニア全開の「◯◯に着目した足部機能についての変態的考察」について解説していきます。


変に期待を持たせてもアレなので、早速公開しますが、◯◯というのは「中足骨の長さ」です!


足趾の長さに着目して考察されることはたまに見かけますが、「中足骨の長さ」に着目したものは私が知りうる限りありません。


先日、私が運営するオンラインサロンKIZUKIの方でメンバーに共有しましたが、これまでにない着眼点だったこともあり、難しかったようです。


ということで、ご意見・ご感想をいただければと思い、こちらにも投下したいと思います。


「ここ、どういうこと?」「これは違うだろ!」といったコメントがあれば、TwitterでRTもしくはDMいただけると嬉しいです!


では本題に入っていきたいと思います。




▶ はじめに

今回、ある症例を提示して考察を述べていきたいと思います。


症例は、私が非常勤先(以下、当院)で対応した方で、他院でACL再建術を施行され、経過不良にもかかわらず、150日超えということでリハ終了となっています。


当院初診時では、術後7Mで疼痛が残存し、ジョギングも困難な状態でした。


経過を聴取すると、前医ではリハビリはOKCのみの実施で、CKCは医師から「スクワットもやっといてね」としか言われていなかったようです。


当院で私が対応し術後11M(対応後4M)でなんとか競技復帰まで戻せました。


ですが、その1ヶ月後、トレーニング負荷量の減少などの要因もありましたが、予想外に機能低下を起こしていました。


ACL再建術の場合、下肢機能が低下してしまうことで再受傷するリスクが高まってしまいます。


そのため、この下肢機能の低下の要因を特定することは非常にじゅうようです。


その要因として足部機能、とくに中足骨に注目してみたので、考察をまとめていきたいと思います。




▶ 症例紹介

・22歳男性(歯学部4年生)
・170cm、83kg
・ラグビー選手(15人制ではFW、7人制ではBK)
・中学時代に右大腿直筋筋断裂の既往あり。不全断裂したまま。
・2019年1月にラグビー練習中にステップを踏んだ際に受傷。近医を受診し、右膝ACL断裂と診断され、同年2月中旬にACL再建術(BTB)を施行。
・2019年7月に150日切れということでリハ終了となったが、予後不良のため、同年9月初旬に当院を受診し、リハ開始となる。

※ざっくりとFWはコンタクトが重視されるポジションで、BKはアジリティが重視されるポジションです。

【初診時:術後7M】
・ROM(患側/健側):膝伸展 −10°/5°
・周径(患側—健側):大腿部 −3cm、下腿部 −2cm
・整形外科的テスト:ラックマンテスト (−)、前方引き出しテスト (−)
・膝前面の皮膚硬化 +
・片脚立ち上がりテスト:30cm可、20cm不可

随時機能評価を行い、問題のないことを確認しながら、一般的なACLプロトコルでの各期の移行期間を短縮して進めていきました。


【競技復帰時:術後11M】
・ROM(患側/健側):膝伸展 5°/5°
・周径(患側—健側):大腿部 −1cm、下腿部 −0.5cm
・整形外科的テスト:ラックマンテスト (−)、前方引き出しテスト (+)
※AMRIとPLRIが著明
・片脚立ち上がりテスト:10cm可
・7人制の大会でBKでの出場ということで競技復帰可(テーピング有り)

※AMRI:脛骨内側顆が前方に偏位する下腿外旋
※PLRI:脛骨外側顆が後方に偏位する下腿外旋

この時点では経過も順調で、競技復帰も可能となりました。


【競技復帰後:術後1Y】
・ROM(患側/健側):膝伸展 5°/5°
・周径(患側—健側):大腿部 −1.5cm、下腿部 −1cm
・整形外科的テスト:ラックマンテスト (−)、前方引き出しテスト(+)
※AMRIとPLRIが著明
・片脚立ち上がりテスト:10cm不可
・練習時および練習後に膝後外側にインピンジ様の疼痛有り。不安定感も出現。練習後のみ腫脹+。

競技復帰後に対応した際、試験などの関係もありトレーニング負荷量が落ちていたとのこと。


その影響を踏まえたとしても予想外に機能が低下していたことが気になり、細かく評価していきました。


その結果、膝を中心とした下肢機能を低下させているのが「中足骨の長さ」ではないかと仮説を立てました。




▶ 考察

初診時から未実施だったCKCトレーニングとしてスクワットやカーフレイズを中心に導入していきました。


そのなかで適切な運動連鎖を獲得するために母趾球荷重を意識させていたのですが、外側荷重になりやすかったり、趾噛みが過剰に起こりやすかったりしました。

テーピング無し(カーフレイズ)


またスクワットをする際も足部のマルアライメントが動的アライメントに影響を及ぼしている印象でした。

テーピング無し(スクワット)


復帰前まではそれ以上に患部の状態が良くなかったので、そこを重点的にアプローチしていき、復帰につなげていきました。


ただ、前述した通り、予想外に復帰後の機能低下が起こり、原因を探っていったところ、元々気になっていた足部のマルアライメントの要因が大きいと判断し、対応していきました。


まず症例の足部のマルアライメントとして、第5中足骨が短いという印象を受けました。

※足長や足囲を計測していなかったことが反省点です…

テーピング無し(静止立位)


足趾の長さで「エジプト型」「ギリシャ型」「方形型」などの分類があるかと思いますが、それと同様の視点で中足骨頭の位置関係で「エジプト型」、つまり外側にいくにつれて中足骨の長さが短くなっている状態でした。

※足趾の長さについてはこちらをご参照ください。


はじめは私もそれほど意識しておらず、特徴的な足だな〜という感覚でしたが、細かく考察していくとこの中足骨の位置関係は意外と重要なのではないかと思えてきました。


まずカーフレイズの際に下肢の運動連鎖を意識して母趾球荷重を促すと、構造的に第5中足骨が浮いてしまい足趾で支持しないといけない状態になっていました。

テーピング無し(カーフレイズ)


その結果、長趾屈筋の過剰収縮が強いられ、足部内転(下腿外旋)を呈し、長腓骨筋が機能しづらい環境になっていました。


長腓骨筋が機能しづらいことにより長母趾屈筋が過剰収縮し、さらに下腿が外旋するという悪循環に…

※このメカニズムが「?」という方はこちらで復習をお願いします。


また長母趾屈筋が過剰収縮することで…


ここまでが無料で読める内容となります。
以下では「【閲覧注意】◯◯に着目した足部機能についての変態的考察の一例」について詳しく解説していきます。
詳しく知りたい方はぜひ"実践!ゼロから学べる足の臨床"マガジンの購読をお願いします!

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