サーモンと帆立のマリネ
今回はかんたんで美味しく見栄えも良いお刺身用のサーモンと帆立貝柱を使った前菜をご紹介します。
調理自体はとてもシンプルですがセルクル型という調理道具を使って盛りつけることで見た目が一気に高級レストランっぽくなりますので、いきなりプロのシェフ化して家族や友人をおどろかせてやりましょう。
① 基本の材料
【サーモンマリネ】 ※作りやすい分量
・ 刺身用サーモンブロック … 300g
・ 上白糖 … 30g(※サーモンの重さの10%)
・ 塩 … 15g(※上白糖の重さの半分)
・ ディルの葉 … 適量(※無くても可)
【帆立マリネ】 ※作りやすい分量
・ 刺身用 帆立貝柱 … 8~10個
・ 塩 … 2g
・ 白ワインビネガー … 大さじ1
・ エキストラバージンオリーブオイル … 30ml
【サーモンと帆立のマリネ】
・ サーモンマリネ … 100g(※レシピ参照)
・ 帆立マリネ … 4~5個(※レシピ参照)
・ イクラ … 適量
・ ベビーリーフ … 適量(※好きなサラダで代用可)
・ マイクロトマト … 適量(※ミニトマトでも可)
・ 市販のバジルソース … 適量
② サーモンマリネの調理
1. キッチンペーパーでサーモンの表面についている水気を拭き取り、分量の上白糖と塩を表面全体に満遍なく刷り込む。
2. ディルの葉があれば適量を細かく刻んでサーモンの表面に満遍なく散らす(※単なる風味付けですので無くても美味しく食べられます)。
3. できるだけ空気が入らないようにラップで包み、冷蔵庫で一晩寝かせる(※少し水分が出ますので調理バットなどにのせて寝かしてください)。
4. 流水でサーモンの表面を洗い流し、水気をしっかり拭き取れば完成。
③ 帆立マリネの調理
1. 帆立貝柱は横半分の厚さにスライスしておく。
2. ボウルに塩と白ワインビネガーを入れてよく混ぜる。
3. 塩が完全に溶けたらオリーブオイルを加えてよく混ぜる。
4. 帆立貝柱を加え、全体をやさしくあえれば完成。
④ サーモンと帆立のマリネの仕上げ
1. 直径8㎝、高さ4.5㎝のセルクル型を皿の中央より少し手前側にセットし、内側にサーモンマリネを適当な厚さに削ぎ切りしながら敷き詰めていく。
2. サーモンマリネを隙間なく敷き詰めたら、その上に帆立マリネを敷き詰めていく。
3. その上にさらに同じ要領でサーモンマリネと帆立マリネを敷き詰め、合計で4層になるように重ねる。
4. セルクル型の奥側にベビーリーフとマイクロトマトを添える(※付け合わせなので適当なサラダとカットしたミニトマトでも構いません)。
5. 皿の手前余白にバジルソースを半円を描くように添える(※市販のバジルソースをスプーンに乗せて少しづつ丁寧にかけます。ソースが固い場合は分量外のエキストラバージンオリーブオイルで溶いて柔らかくしてから使います)。
6. セルクル型をゆっくりと持ち上げて抜き取り、適量のイクラをかけてディルの葉を飾れば完成。
⑤ ポイント&ヒント
・一般にスーパーで売られている刺身用のサーモンはノルウェー産かチリ産のものがほとんどですが、赤に近い鮮やかなオレンジ色で少し安めのトラウトサーモンと呼ばれるものと淡いオレンジ色で白い脂筋の入った少し割高なアトランティックサーモン(通称:とろサーモン)と呼ばれる2種類の商品が主に流通しています。
実はトラウトサーモンはサケではなく北欧で食用に改良・養殖されたニジマスであり、そのほとんどが日本で消費されています。コスパが高く、色味もきれいなことから回転寿司やリーズナブルな居酒屋などで使われているサーモンとは、ほとんどがこのトラウトです。
対してアトランティックサーモンとは正真正銘のサケでトラウトサーモンよりも上質な脂となめらかな舌触りを持っており、淡い色合いに似合わず豪快で深い味わいを楽しむことができます。主に料亭や本格フレンチ、イタリアンレストランなどの価格よりも素材のクオリティを重視する高級飲食店などで使われています。
この料理はどちらで作っても美味しくできるのですが味や食感の印象が大きく変わりますので機会がありましたら、ぜひそれぞれの種類のサーモンで味わいの違いを楽しまれてみてください。どちらのほうが美味しいかは、おそらく個人によって好みが分かれることと思います。
トラウトをマリネにした時のネチッとした濃厚な味わい。アトランティックのとろけるようなやわらかさと上品な脂の旨味。どちらも甲乙つけがたい美味しさがあります。
・サーモンマリネの上白糖と塩の量は用意したサーモンの重量に対して調整してください。
上白糖の量はサーモンの重さの10%ですのでサーモンが500gなら上白糖は50g、サーモンが326gなら上白糖は32.6gとなります。
塩は上白糖の重さの半分ですので上記の場合、上白糖が50gなら塩は25g、上白糖が32.6gなら塩は16.3gとなります。
大きな半身(フィレ)でも作り方は全く同じです。ただ、大きなフィレは中骨が残っている場合が多く、骨抜きで1本づつ丁寧に取り除く必要があります。
・セルクル型に盛り付ける時は中心部よりも外周部分を意識しながら詰め込んでいくと取り外した際に段層がきれいに仕上がります。中心部はどうせ外からは見えませんので適当でも良いです。
4層が全て同じくらいの幅でくっきりと色のコントラストが分かれるよう、セルクル型を取り外した後の仕上がりを想像しながら盛り付けましょう。
・ディルはやわらかな細い葉が特徴のセリ科のハーブです。爽やかな香りとほろ苦さを持つため魚介類と相性が良く、特にサーモンと一緒に使われることが多いです。料理の飾りに添えると繊細で美しく映えますので、ここぞという勝負料理を演出したい時には重宝します。
ただ、飾りに使用するハーブ全般に共通して言えることですが素材との相性が良くない料理に飾ってあると非常に不自然で恥ずかしいことになりますので注意してください。
分かりやすい例ですとイチゴのショートケーキにミントやセルフィーユの葉を飾るのは自然ですが、イタリアンパセリやオレガノなどを飾るのは不自然です。それがハーブケーキなのでしたら話は別ですけれども。
・サーモンマリネが残った時はピッタリとラップを張って冷蔵庫保存しておけば2~3週間は日持ちします。しばらく使う予定がなければ冷凍保存も可能です(※解凍の際はレンジを使わず冷蔵庫に一晩おいて解凍します)。
・帆立マリネは貝柱の刺身をドレッシングであえただけのものになりますのでサーモンマリネよりもはるかに痛みやすいため、できれば作った当日か、その翌日までには食べ切るようにしてください。
・どちらのマリネも単体でも充分に美味しくお召し上がりいただけます。お皿にカルパッチョのように平たく敷き詰め、オニオンスライスやケイパー、イクラなどを散らして仕上げに少量のエキストラバージンオリーブオイルを垂らしてもお洒落な一皿になりますし、リーフ野菜と混ぜ合わせ、お好みのドレッシングをかけてマリネサラダにして食べるのも良いかと思います。
⑥ 要点まとめ
・ 刺身用のサーモンの柵に10%の砂糖と5%の塩をすり込む。
・ 刻んだディルをかけ、ラップで包んで冷蔵庫で一晩寝かす。
・ 流水で洗って、水気を拭き取ればサーモンマリネの完成。
・ 帆立は横半分にスライスしてマリネドレッシングであえる。
・ セルクル型を使ってサーモンと帆立のマリネを4層に積む。
・ 付け合せを添え、バジルソースを飾ってからセルクルを外す。
・ イクラとディルの葉を飾って完成。
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