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#2 『初めに揃えるべき調理道具』


さぁ、料理を作れるようになるぞー!とどれだけ意気込んでも、そのために必要な道具がなければトレーニングすら始めようがありません

もちろん道具によっては既に手元にあるもので機能を代用できるかもしれません。しかし、例えばこれから本格的に野球を学びたいと考えている人が百円ショップでおもちゃのプラスチックバットを買って来たり、テニス部に入ってレギュラーを目指す高校生が自宅にあったバドミントンのラケットを持ってきたりはしませんよね。

それらは機能や形状が似ていても実質的には完全な別物であり、場合によっては正しい成長の妨げにすらなりかねません。

プロ仕様や超高級品なんかでなくとも、ごく標準的な価格帯の専用道具一式を揃えることは新しい技術や知識を学んでいく上でとても重要なことです。

せっかく道具を揃えたのだから頑張ろうというモチベーションにもつながりますし、それもスキルを磨いていく上では大切な要素のひとつです。

それでは料理を学ぶにあたって、まず初めに揃えるべき調理道具を順番に見ていきましょう。

① 包丁

一口に包丁といっても実に多くの形状とサイズが存在します。

誰もが既にご自宅にお持ちかとは思いますが、これから本格的に料理の勉強を始めるために、まずはちゃんとした包丁を一本だけ入手されるということでしたら刃渡り21cmの牛刀をおすすめします。

牛刀の形状は全ての包丁の中でもっとも多用途に対応でき、肉や魚、野菜や果物、パンにまでもマルチに使える万能タイプです。

これまでホームセンターなどで適当に手に入れた小さくて軽い包丁(安い三徳包丁など)を使ってきた人にとって21cmの牛刀やや大きく重たく感じるかもしれません。

でも、キャベツやカボチャなどの大きな野菜を扱うときにはサイズが大きめで適度な重量があったほうが格段に安定感が増すほか、多くの面積を一気にカットできますので切るという作業自体が極めて快適になります。また、大きさや重さは日々使っていれば驚くほど短期間で慣れるものです。

むしろ慣れてくると今度は逆に、これまで使っていた包丁がいかに扱いにくい代物であったのかに自然と気が付くはずです。おそらく念のためにとっておいた今現在お使いの包丁は使う機会がなさすぎて結局、誰かにあげるか捨ててしまうことになると思われます。

この牛刀一本さえあれば問題なしと言いたいところなのですが、もし、もう一本だけ追加で用意することが可能なのであれば、牛刀よりも細かい作業に適した刃渡り12cm程度のペティナイフがあると超絶便利です。

トマトのヘタや種をくり抜いたり、レモンやキウイなどの小ぶりな果物の皮を剥いてカットしたり、細かい食材を少しだけ刻みたいときなど、いちいち刃渡り21cmサイズの牛刀を出してくるのは大げさな気もします。

大は小を兼ねる
ということで、できないことはないのですが目的によっては作業しづらく感じることもあるでしょう。

そういったときにペティナイフは小回りがきくので重宝します。
ちょっとした調理くらいならペティ1本だけで完結してしまうことも多々あります。

これから本格的に料理に取り組むなら、まず最低でも牛刀1本は必須
可能であればペティナイフとの2本持ちがベストです。

【僕が推奨する家庭向けの高品質な包丁】
藤次郎 DPコバルト合金鋼割込 口金付 牛刀 210mm F-808
藤次郎 DPコバルト合金鋼割込 口金付 ペティナイフ 120mm F-801
この商品は僕が実際に所有しており、ご家庭用の包丁としては自信を持っておすすめしますが、もちろんこれでなくても何ら問題はございません。
専門店などでご自身の気に入ったデザインや握ってみた感触で最も手にしっくり馴染むものをお選びください。

何よりも大切なのはその包丁に愛着を持てるかどうかです。

良い包丁というのは一生涯、使うことができます
そう考えれば人生で一度限りの特別な買い物なのです。
くれぐれも2~3千円程度の安価な包丁もどきは避けましょう。

僕たちプロの料理人は骨やスジが残ったままの巨大な肉のかたまりをさばくなど過酷な環境で大量の調理をするため耐久性や安定性、柄の部分まで丸ごと煮沸消毒ができるなどの衛生面も重要になってきますので、家庭用よりも造りのしっかりとしたプロ向けの包丁を複数所有し、用途に応じて最適なものを使い分けています。

ちなみに僕自身は上記で紹介したものも含め、包丁全部で12本ほど所有しておりますが中でも日常的な調理で最も頻繁に活躍しているのは以下の3本です。僕は大きな包丁の扱いには慣れていますのでメイン牛刀刃渡り24cmのものを愛用しています。プロを目指している方にご参考まで。

【僕が日常的に愛用している包丁3本】
グレステン Mタイプ 牛刀 24cm 724TM
グレステン Mタイプ ホームペティ 14cm 814TUMM
グレステン Mタイプ 筋引 30㎝ 730TSM
※プロフィールアイコンで握っているのはこの30cmの筋引ですね。


② まな板

まな板少しでも大きいほうが作業しやすいのは間違いないですが、自宅の台所では使わないときの保管場所や洗浄するためのシンクの大きさなどから日々の活用に現実的なサイズを選ばねばなりません。

キッチンスペースに余裕のある人は少しでも大きめのものを選べば良いと思いますが、大体のご家庭では幅40cm前後 × 奥行き25cm前後 × 厚み1.5cm前後くらいのサイズが適当ではないでしょうか。

素材としては水気に強くて乾きやすく、適度な硬さと安定感があり、包丁の刃あたりが良く小キズも付きにくい、ひのき製の商品を推奨します。

しかしながら、まな板に関しては包丁のように一生モノというほどの目線ではなく衛生的に見ても、10年に一度くらいは新しいものに買い換えるのが妥当かと思います。10年も経てば家を引っ越していたりしてキッチンの広さも変わっているかもしれませんしね。

ですので、それほど高価な品を選ぶ必要もないかと思います。

【僕が自宅で愛用しているまな板】
ダイワ産業 まな板 木製 ひのき 食洗機対応 39cm
こちらは食器洗い乾燥機にも対応したひのき製まな板です。サイズも小さすぎず大きすぎず、価格もお手頃なのでおすすめです。乾かす際や保管時に便利なスタンド付きのバリエーションもあります。

使うときはサッと流水で流し、ふきんで水気を軽く拭き取って表面を少し湿らせた状態で使うと素材の色素や匂いが板に移りにくくなります。また水気を拭き取ったふきんを絞り、まな板の下に敷いておけば安定します

まな板は片面を『生肉・生魚専用』、反対側の面を『それ意外のもの全て』として使い分けましょう。生肉や生魚には細菌が多いのでカットしてそのまま食べる野菜や果物などにできるだけ菌がつかないよう配慮するためです。

まな板の表面のどこかにメーカー名や商品名などの刻印があれば、それを目印に使い分けすれば良いですし、なければ最初に片面の隅に油性ペンなどで小さく魚マークなどの印をつけておくと良いでしょう。

【まな板の裏表の使い分けについて】
たまに勘違いされている方を見かけますが、まな板を使い分ける肉や魚というのはあくまで生の状態のものであり、例えば肉ならベーコンやウインナー、生ハム(※生肉ではありません)、焼いた後のステーキや照り焼きチキン、魚なら白身フライや焼き魚、ツナやすり身などは全て生ではありませんので『それ以外のもの全て』側の面を使ってカットすべきものに含まれます。

微妙なのが刺身でこれは確かに生魚に違いないのすが、そのまま加熱せずに食べるものなので『生肉・生魚』の面ではカットしないほうがベターです。ただし、内臓を取り出してさばくような場合は『生肉・生魚』の面を使うべきです(※魚の内臓には細菌や寄生虫が特に多いため)。

いずれにせよ、あくまで菌の摂取をできるだけ予防することが目的であって、基本的には使った後に洗剤できちんと洗ってさえいれば、それほど神経質になる必要はありません。

食事の前には薬用石鹸で指や爪の隙間までしっかりと手洗いしましょう!と言われるのと似たようなもので、裏表の使い分けを間違えたからといって即座に体に変調をきたすようなことはまずありませんのでご安心ください。

まな板を使い終えた後はクレンザーもしくは食器用洗剤できれいに洗い流し、キッチンペーパーなどで水気をよく拭き取ってから全面の風通しが良くなる形に立てかけるなどして保管します。

月に一度くらいは両面にキッチン泡ハイターなどを吹きかけて10分ほど放置し、最後に洗剤でしっかり洗い流しておけば家庭レベルでの衛生管理は完璧です。


③ 鍋&フライパン

《鍋》
は一つだけでは作ることのできる料理がかなり限定されてしまいます。
ですので最低でも以下の2サイズは用意しておく必要があります

【揃えておきたい2つの鍋と主な用途】
1. 小鍋
 … お湯を沸かしたり、野菜を茹でたりする際にも利用。直径の目安は約 16cm 前後。主な調理使用例は一人前の即席ラーメン、手作りのミートソース、味噌汁、各種スープ、少量の野菜ボイルなど。

2. 中鍋 … 最も使い勝手の良いサイズで様々な用途に利用。直径の目安は約 20cm 前後。主な調理使用例はカレー、シチュー、豚の角煮、肉じゃが、スパゲッティのボイルなど。

上記はせいぜい2~3人を対象とした調理に対応できるサイズです。
4人家族などになってきますとカレーなどの量も中鍋では足りず、もうひと回り大きなサイズ(例えば20cmと27cmなど)を検討する必要が出てくるでしょう。

ただ、鍋はたくさん所持していても邪魔なだけで特にメリットはありません。小中(もしくは中大)の2サイズが揃っていれば、むやみに数を増やす必要はないかと思います。

あとは、それぞれの鍋に合うサイズの蓋も揃えておきたいところです。
蓋があるだけで手軽に作れる料理の幅が広がり、調理時間も大幅に短縮できるようになるからです。

また取っ手が付いていると加熱中の鍋をゆすったり、湯切りなどで移動させる際にも便利ですが、逆に取っ手が付いていることで大きな鍋の中に小さな鍋を入れて収納することができなくなるため、保管スペースには苦労します。

調理の利便性収納のコンパクトさのどちらを優先するかは悩みどころです。…なんて実は両方の問題を解決する方法があるのですが、その前にフライパンについて先にご紹介します。


《フライパン》
炒め物をはじめ、ステーキや魚をソテーしたり、パスタソースを作ってあえたり、焼きそばや炒飯、目玉焼きから餃子、ハンバーグまで多くの料理がフライパンで作られます。

やはり表面にコート加工(テフロン加工、フッ素加工、ダイヤモンド加工など名称は様々)が施されている商品が料理がくっつきにくく、洗浄が楽な上、油の使用量も少なめで調理できるため絶対的におすすめです。

多種多様な調理に使用するだけに、こちらも最低でも2種類のサイズは持っておきたいところです。

【必要不可欠な2サイズのフライパン】
1. 小フライパン
 … 主に少人数向けの料理やソースなど。直径の目安は約 20cm 前後。主な調理使用例は目玉焼き、スクランブルエッグ、親子丼、オムライス、他。

2. 中フライパン
 … 最も使い勝手の良いサイズで様々な用途に利用。直径の目安は約 26cm 前後。主な調理使用例:野菜炒め、ステーキ、焼き魚、餃子、ペペロンチーノ他。

※上記に加え、少し深めのフライパンと鍋の中間のような炒め鍋があれば、焼きそばや炒飯などの嵩の多い料理や唐揚げや天ぷらやトンカツなどの揚げ物にも兼用できるので便利です。


上記の鍋&フライパン揃えておくべきサイズや種類を完全に網羅し、しかも取っ手の問題まで見事に解決した素晴らしいセット商品を発見しましたので以下にご紹介しておきます。

【僕の推奨する鍋&フライパン一式を網羅したセット】
アイリスオーヤマ「ダイヤモンドコートパン」12点セット H-IS-SE12
特筆すべきは取っ手が脱着式であるということ。片付けるときは取っ手を外して全ての鍋やフライパンを重ねることで超省スペースに収納。使うときは取っ手を使いたい鍋やフライパンにパチンと着けるだけで取っ手付き鍋に変身というアイデア商品。

ほどんどの鍋やフライパンで加熱中も中身が見える耐熱ガラスの専用蓋が兼用でき、調理後に冷ました小鍋にはタッパーのようなプラ蓋をはめて、そのまま冷蔵庫で保管までできるという優れものです。

このセットがあれば鍋やフライパンで困ることは、ほぼないと思われます。

ただ一点だけ僕が心配なのは耐久性です。

僕も自宅で同じような取っ手の脱着できるタイプの鍋とフライパンのセットを使っているのですが、それはティファールという大手キッチンメーカーの商品で、このセットより一回り高額な商品です。

このアイリスオーヤマの商品は僕の愛用しているティファールのセットよりもはるかに内容が充実しているにも関わらず、1万円以下という驚異の破格値ですので、もしかするとコートの耐久性が低かったり、本体の強度や保温力などに多少の差があるのかも知れません。

いずれにせよ所詮、鍋やフライパンは消耗品ですので、この価格なら3~5年ほど普通に使えれば、その後にもう少し良質な商品に買い替えるにしても、さほど大きな負担ではないかと思います。むしろ、料理の入門時点でこれだけのものが揃っていれば必要十分といえるでしょう。

※ちなみに…僕がお店で使用している鍋やフライパンは完全業務用のゴツゴツした頑丈なもので、そのまま丸ごとオーブンに放り込んだりすることもあるため、取っ手部分も全て金属製になっており、強火にかけているときは厚手の布巾などで掴まないと伝導熱で火傷してしまいます。
サイズも直径30cmを超えるものなど、ご家庭用としては到底おすすめできませんため、あえて商品の紹介もしませんが何卒ご了承くださいませ笑


④ ボウル&ざる

ボウルは調理の下ごしらえやお菓子作りや合わせ調味料を始め、カットした食材の一時ストックや、野菜を水洗いするときなど料理では広範囲に使われます

ざるは洗った野菜の水切りや茹であがった麺の湯切りなどに使うボールざると、だしやスープなどを濾したり、粉をふるったりする用途に使う持ち手のついた手付ざる(万能こし器とも言う)の2種類があれば便利です。

いずれも材質は熱・酸・アルカリに強く、丈夫なステンレス製が最適です。

サイズや数は家庭料理では以下の商品くらいを揃えておけば、まず困ることはなく、あらゆる調理に対応できるかと思います。

【家庭で揃えておきたいボール&ざる一式】
1. ざる・ボウル 3サイズ セット ステンレス AMG-0362
2. パール金属 手付き ステンレス ざる 18cm HB-1632
3. 小さなボウルを2~3個(※百円ショップの商品でOK


⑤ キッチンツール

キッチンツールとは混ぜたり、掴んだり、流し込んだり、すくったり…といった様々な調理作業に使う道具類のことです。

もはや世の中には数え切れないほど多種多様なキッチンツールが出回っていますが、一般的な家庭で使われているのは主に以下の10点くらいです。

百円ショップでもそこそこ使えるものはありますが、見た目は立派でも使っていると耐熱温度が低くて溶けてきたり、すぐ壊れてしまったり、塗装が剥げてきたり、水洗いすると錆びてきたり…と安いには安いなりの理由があることは予め覚悟しておきましょう。

【基本のキッチンツール 10点】

1. 菜箸 … 調理用の長箸。30cm前後の、持ち手に塗装などのないシンプルな竹製のものがおすすめ。2膳くらいあったほうが作業がはかどります。
2. トング … 金属製のものはフライパンのコートを傷めるので先端はシリコン製がおすすめ。揚げ物にも使いたいので耐熱温度250度以上のもの。
3. 泡立て器 … 液体を混ぜるために使います。家庭では軽くてコンパクトなものが使いやすいと思います。
4. 木べら … ミンチ肉を崩しながら炒めたり、カレーを煮込むときに鍋底からかき混ぜたりするときなどに使います。
5. スパチュラ … ゴムベラともいいます。クリームや液体を無駄なくこそぎ取ったり、軽く混ぜ合わせる用途などにも使います。大小2サイズあると便利です。
6. おたま … レードルともいいます。スープや具材をすくったり、食卓の鍋にも使えます。
7. 穴あきおたま … 汁気の中から具材だけをすくい上げるのに使います。
8. ターナー … フライ返しともいいます。ハンバーグを焼いたり、焼き物をひっくり返したりするのに使います。
9. 料理ばさみ …  レトルトを開封したり、カニや昆布や肉や野菜などの食材を切るためのキッチン専用バサミで丸洗いのできる頑丈なもの。不衛生なので、くれぐれも文房具ハサミを料理に兼用はしないでくださいね。
10. ピーラー … 皮むき器とも呼ばれ、料理をされる家庭には必ず常備されているかと思います。別に包丁があれば無くても構わないのですが確かにあれば手軽なので使ってしまいます。
余談ですが僕のお気に入りのピーラーはスリムな縦型で見た目が格好よく、特にジャガイモやリンゴなど丸い形状の皮むきに非常に使い勝手が良いので気になる人はチェックしてみてください。
Zwilling ツヴィリング 「ツインキュイジーヌ ピーラー 」 縦型 皮むき


⑥ 電子スケール&計量小物

料理をする人に必ず持っておいてほしいのが電子スケールと計量小物類です。料理がなかなかうまくならない…とい嘆いている人は大概、この計量に関する部分をないがしろにしている場合が多いように感じます。

レシピに500mlと書いてあったときに、元の容器が1000mlだったという理由でだいたい半分くらいを入れてみたり、大さじ一杯と書いてあったら家にあったカレースプーンで適当にすくって入れてみたり、3gと書いてあったらイメージだけでひとつまみくらいを入れてみたり…そんなズボラ計量に思い当たる節はありませんでしょうか。

美味しい料理というのは絶妙な配合バランスで成り立っているものです。
作る全体量にもよりますが家庭料理で1~2人前の量を作っているときに塩の量がほんの1g増えただけで、どれほどの塩辛さが増して元の味のバランスが狂ってしまうのかを理解しておかなければなりません。

確かにプロの料理人や料理が得意な方はレシピに塩3gと書いてあっても、食材についていた元々の塩加減や水分の煮詰まり具合、繰り返し料理を作ってきた経験から(今日は野菜の水分が多く出てスープが少し薄まっているから塩はやや多めに3.8gくらい入れたほうが美味しくなるだろうな…)だとか(いつもよりスープが煮詰まっているのと、今日は仕上げに粉チーズをかけたいから、その分の塩気を差し引いて2gくらいにしておこう…)などと仕上がりの状態から逆算し、自身の直感でレシピ量を変更調整したりもします。
でも、その領域に達するまでは電子スケールや計量小物は必ず揃えて、レシピがあるときは面倒でも必ず正確な分量を計測しながら作る癖をつけましょう。正確な計量を何度も繰り返すことによって、いつか必ずみなさんも正しい逆算ができるようになります。

【料理を初める前に揃えておくべき計量ツール】

1. 電子スケール … 家庭で使うスケールに重要な要素はまずコンパクトで使用中も収納時もなるべく場所をとらないということ。そして非常に汚れやすいため水洗い可能な防水設計であること。次に最大2kgくらいまでの計量に対応していること。そして最後に大切なのが0.1g単位の計測ができることです。一般的に2.7gなどといった中途半端なレシピはありませんが例えば5gを測るときに5.0gなのか5.9gなのかで味は大きく変わってきます。100g以上の計測をするときは1g単位で構いませんが、99g以下の分量を計るときは基本的に0.1g単位のモードを使って計測するように心がけましょう。
家庭用なのに2kgもの計量に対応しているものを選ぶ理由は、スケールの上に鍋やフライパンを直接置き、水や調味料を追加しながら計量できるからです。鍋やフライパンを含んだ重さに耐えられないものだと、わざわざ別の皿やボウルなどを用意して計ることになるため、洗い物や工程が無駄に増えて作業効率が悪くなってしまうのです。
2. 計量カップ … 計量カップは液体の分量を測るときに使います。測るのが水だけであれば、水は 1g = 1ml = 1cc ですので電子スケールでも計量できますが液体が醤油だったり、ソースだったり、だったりすると重さでは正確な量を計ることができません。そこで計量カップが必ず必要になります。家庭ではかさばらない200mlタイプが一つあればいいと思います。多い量を計るときは何回も繰り返さないといけないので余裕があるなら500mlタイプのものも1つ持っておくと調理がより効率的にはなりますが、まずは200mlタイプが1つあれば良いでしょう。ちなみにガラス製は落とすと派手に割れて危険ですので、ガラスよりは割れにくく、割れても実害の少ないアクリル樹脂製で、お湯や短時間のレンジ温めにも使える耐熱性能のあるものを選ぶようにしてください。
3. 計量スプーン … 主に粉末や液体やペーストなどの調味料を計るためのスプーンです。水気に強く丈夫なステンレス製のものがおすすめです。計量スプーン自体は百円ショップでも手に入りますので、それでも使用上の問題は特にないかと思います。最低限必要なのは大さじ(15ml)と小さじ(5ml)の2本で、あとはその半分が計量できる大さじ1/2(7.5ml)や小さじ1/2(2.5ml)に対応したものがあれば便利かもしれません。1/3などもありますが、あまりにスプーンの束が多くなるとかえって探すのが億劫になってしまいます。ちなみにレシピ上の『さじ1』とは適当にひとすくいという意味ではなく、さじの表面を箸などで平らにすり切り一杯に調整した状態の量を指していますのでお間違えなく。引き出しから電子スケールを出してくるよりも手軽なので家庭向けのレシピでは、この『さじ』表記が多く使われていますが、一度に作る量の多い飲食店のレシピなどでは、まず使われることはありません
4. タイマー … 計量とは違いますが調理時間を計測するためのキッチンタイマーです。レトルト食品やソーセージをボイルしたりするくらいなら不要ですが、野菜をベストな硬さに茹で上げあげたり、パスタや半熟玉子などを作りたいときなどにはタイマーを使用したほうが確実です。百円ショップのタイマーでも機能自体は問題ないのですが、僕の愛用しているタイマーは大画面で少し離れた場所からでも残り時間が把握しやすく、10キー付きで時間設定をする際にボタンを長時間押し続けたり連打する必要もないので、とても扱いやすくおすすめです。


⑦ 要点まとめ

【料理を学ぶのに初めに揃えたい料理道具】
・ 品質の良い牛刀とペティナイフを各1本づつ
・ ひのき製のまな板を1枚
・ 蓋付きの鍋(小・中)とフライパン(小・中)
・ ボウルとざるを各サイズ数個と手付きザル1つ
・ 基本のキッチンツール 10点
・ 電子スケール、計量カップ&スプーン、タイマー

※内容にご意見ご質問等ございましたらお気軽にコメントくださいませ。

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