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二度目ましてのミステリー

自宅の本棚で見かけ、「確かに読んだ」という記憶はあるものの、不思議と内容に関する印象が薄く…
ただ、最初に読了した当時は「おお、こ、こうきたかあ…!」と感動したような覚えもあって…

あらすじを読んでも、不甲斐ないことにほとんどなにも思い出せぬまま、冒頭の数ページに目を通す。
ああ、自分の子供と間違えらて家族ぐるみで付き合いのある近所の子供が誘拐されて、身代金の受け渡しに失敗したんだったな…?
え、他人様の家の子という体で、実際には浮気したときの子で…?
ほんほん…あー、そういう感じかー…
などと言っている間にラストまで読み切ってしまった。
このツカミからの怒涛の展開、特に後半の畳みかける感じすごい
(なんで覚えてなかったんだろ…)

基本的に、ミステリーは、初めて読む、その最初の1回が勝負!
という気持ちは大変よくわかる派のわたしです。
幸いに、1回読み切って、すぐにもう1度読み返したくなるような本があることも確かです。

ただ、今回新たに、ほとんど忘れた状態で読み返す楽しみを発見しました。
うっすらと思い出していく感覚が、なんとなく真相に近づいていく感覚とリンクしてくるのも愉快で。

第2の事件が起きて、え、残りのページ数これしかないってことはさすがにもう新たな人物の登場はないよな?
ということは、今までの登場人物のなかに真犯人がいるな…?
(うわー、ま、まさか、あの人が犯人だとすると大分恐ろしいけど…)
えー、この後どうなるんでしたっけー…とページをめくる指が止まらず。

状況とか、文化とか全体的に昭和感強めな内容なので、今読むと大分時代がかった印象もありつつ、ただ、人間模様とか、行動パターンとかはまるで古くなっていなくて、ミステリー小説として、この先何年経っても楽しめるものなんだろうな。
(というより人間の名探偵が普通に活動できる最後の時代が昭和なのかも)

それにしても、いいものは何回読んでもいいのです。
手元に紙の本を置いておく価値はこういうところにもあるのだ!
(データだと、たまたま目に入るという機会もあんまりなさそうだし)
新しく読みたいものもたくさんあるけれど、こうしてふとした拍子に読み返すのも、新たな発見があっていいものですね。

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