見出し画像

綾瀬駅から歩いて墨田区に行ったら異臭がした(東京散策記 2024年5月3日)

 2024年のゴールデンウィークは奇妙だ。昭和の日が4/29(月)で、火・水・木が平日。金曜・土曜・日曜が各々憲法記念日・みどりの日・子供の日になっている。日曜日の子供の日(5/5)が、5/6に振替になったので、3連休→3連勤→4連休となっている。


 GW前半の3連休は、大学時代の友人と飲み会をし、泥酔し、映画館でオッペンハイマーを鑑賞した。

 一方で、GW後半の4連休は全く予定がない。誰も自分を誘ってくれない。誰も愛してくれない。人生とは孤独なのである。

 孤独だと嘆いてるくせに、誰かを誘う勇気はない。そんな人間だから孤独なのだ。人に手を差し伸べる勇気がないくせに、なぜ誰も自分を救ってくれないのかと憤慨している。


 暇な連休は、いつもの週末と同じ扱いになる。なので、いつも週末にしてることをしようと思う。ポッドキャストを聴きながら散歩する。これしかやることがない。家でゴロゴロしてるよりはマシだろう。

 今日はどこに行こうか。いつも葛飾区・足立区・荒川区を徘徊してるので、違う場所に行こうと思う。Google Mapを見ながら考える。

 ちなみに、僕は綾瀬駅の近くに住んでいる。葛飾区と足立区の区界で、川を超えたらすぐに荒川区だ。


綾瀬駅周辺

 

 せっかくだから、なかなか行かなかった区に行ってみよう。ということで、墨田区に行くことにした。

 実は、葛飾区に引っ越す前、引越し先の候補として真っ先に上がったのが墨田区だった。相対的に賃料も安いし、都心と近いからだ。だが、物件を見ていくうちにわかってきた。僕が求める十分に綺麗なマンションは、墨田区でも賃料が高い。

 以下のようなルートにした。まあ、マップなんて見ながら歩かないので、ほとんど意味はないけど。 

 できるだけ川沿いを歩き、橋を渡り墨田区に行く。その後、東武スカイツリーラインで戻る予定だ。


出発

 
 15時30分。気温は24度。湿気もなく、散歩するにはもってこいの天気だ。空を仰ぐと、雲ひとつ無い。

葛飾区の空

 僕の服装はいつも通り。EDWINの黒いジーンズにSketchersのスニーカー、それにイトーヨーカドーで買った、Found Goodという自社ブランドの真っ白なロンT。ちなみにロンTは綿100%。

スニーカーとジーンズ


 住宅街をダラダラと歩く。まだイヤホンはつけてない。耳に入ってくる自然の音を聴きたい。入ってきたのは、ガソリンスタンドの店員の元気な声と、車が走る音だけだった。

 

おっと!こんなところに葛飾区小菅の名物が!


 住宅街を歩きながらEarPods proをポケットから出し、イヤホンを耳に刺す。イヤホンについている再生ボタンを押す。カチッという音がして、直近に聞いたポッドキャストの続きが流れる。

 ゆとたわが再生された。いつも愉快な二人だが、今回の内容は重いものが多い。その分、二人の話し方も慎重になる。


 綾瀬駅から南に歩く。下を向いて歩く。たまに正面を見る。するといくつかの家で、普段見慣れないものが掲げてある。日章旗だ。

風に揺れている日章旗

 そういえば今日は憲法記念日だ。だから掲げているのか。

 僕は違和感を感じた。建国記念日ならともかく、なんで憲法記念日に日章旗が掲げられているんだ?そんなにめでたいのか?この憲法の制定が?

 誤解しないでほしい。僕は日本国憲法を侮辱しているわけではないし、改憲派でも護憲派でもない。

 もちろん、男女平等・徴兵制の廃止・公務員による拷問の絶対的な禁止など帝国憲法より良い点もある。だからと言ってGHQによって半強制的に…いや、もうやめておこう。僕の無知が露呈するだけだ。




 南に淡々と歩く。だが、南に行くだけでは墨田区にたどりつけない。江戸川区に行ってしまう。少しずつ、歩く方向を西に曲げていく。

 すると、巨大な高架道路が見えてきた。仰ぎながら歩く。

高架道路

 僕は高架道路が好きだ。なぜなら、人間の土木技術の素晴らしさ、荘厳さ、いかにして社会を支えているかがわかるからだ。特に、荒川沿いに通っている首都高速の高架道路は巨大だ。何歩も歩いているのに、僕から見た視点では、この巨大な建物はちょっとしか動かない。

 近くに寄ったらよりわかる。この巨大な土木施設の偉大さ、人間の凄さ。高架道路と電子機器を見ると人間讃歌が止まらなくなるのは僕だけだろうか。


 高架下に行くために、道路を横切る横断歩道を探す。その時、道路の向かい側に奇妙な侵入口を見つけた。どうしてもその入り口から入りたい。僕は無断横断した。法律を犯した。

なぜかここから入りたかった

 正面から見たら何が奇妙だったのかわからない。ともかく坂を登る。

 本格的に高架下になってきた。テンションが上がる。

高架下

 高架下にはいつもの風景が広がっている。スケートボードをする若者、よくわからない業者の車、水色ビニールシートで作られた簡易ホーム。

 川沿いに歩き、小さな橋を渡る。ガードレールに花束が添えてある。茶色く腐っている。交通事故でもあったんだろうか。だが、車道にはほぼ90度のカーブなので、花を添えるほどの交通事故が起きるとは考えづらい。
 僕の予想だが、誰か川に落ちて溺死したのでは無いだろうか。

腐った花束

 

 橋を渡り切って、土手に出る。強烈な光が目に入り、顔を歪ませる。荒川の水面が光を反射している。

荒川

 止まって、川を凝視する。ランニングしているおじさん、サイクリングするカップル、写真を撮っている僕をチラッと見たお姉さんが横切る。

 「視野が開ける」という言葉がピッタリな光景だ。建物が密集した東京の中で、自分の目線よりも高い建物がほとんどない場所にいるなんて、なかなか経験できない。

 引き続き、墨田区を目指して歩きだす。

土手道

 

 謎のタンポポアートがあった。

タンポポアート

 …実はこの写真は撮りたくなかった。別にタンポポアートが嫌いなわけではない。ただ、この「写真を撮ってくれ」と訴えかけているアートを撮影している自分が嫌なので撮りたくなかった。


 ここでゆとたわが終わった。次に再生されたのは朝日新聞ポットキャストのメインMCである神田大介さんの個人ポットキャスト。

 鮮明なイントロが流れる。その後、神田さんが話し始める。音質はzoomのミーティングと同じくらい。

 …だめだ。風の音で何も聞こえない。雑音が倍増されているような気がする。神田さんごめん。家で聴きます。スマホを出して、別の番組を再生する。rebuildにしよう。


 川を横切る道路の橋が見えた。横断歩道がないので、橋を渡って墨田区に行くか、堤防を降りて迂回するしかない。僕は堤防を降りた。もう少し川に沿って歩きたい。より川に近づいた。


川と堤防の間の道

 道の右側は、ススキが生い茂っている。ハリウッド映画のトウモロコシ畑のように、無限に広がっているとも思える。ススキ畑の先には、スカイツリーが見えた。

ススキとスカイツリー


 左側には緑が生い茂っている。Google Mapを見たところ、タンポポ群生地らしい。じゃあ紫色の花もタンポポなのだろうか。よく考えたら、先ほど見たタンポポアートに青も、紫もあった。

タンポポとカモ



 道は一つしかないので、引き続き直進する。川を横切る橋が現れた。そろそろ川を渡り、墨田区に入ろう。僕は土手に上がり、橋を渡る。

 渡る途中、川の方を見る。とてつもなく青く、広い。川を横目に、前を見ずに歩く。

荒川



到着

 墨田区についた。異臭がする。都会なのに家畜の糞の匂いがする。誰かが畑をやっていて、糞を撒いているのだろうか。

 墨田区の奥に入っていく。異臭は無くならない。顔を歪ませながら前進する。

 葛飾区より建物が高い。背が低いアパートと2階建ての一軒家が多い葛飾区とは大違いだ。墨田区には背の高いマンションがたくさんある。

 奥に奥に入っていく。異臭はやまない。いや、匂いはどんどん強くなっていく。


 その時、とある工場を見つけた。「廃棄物リサイクル」を営んでいると書いてある。苦情があったのか、「臭気をご容赦下さい。」のような看板が立っている。

 できるだけ早く立ち去ろう。僕は足を早めた。

 

 住宅街に出た。写真に撮るものがない。小学校の近くにある住宅密集地の風景を撮ってみた。

若干廃れたものの美しさ

 少し歩いて、東向島駅に着いた。時計を見たら、17:40だった。2時間くらい歩いたのか。そろそろ帰ろう…

 東向島から電車に乗れば、家の近くまで行ける。だが、徒歩でも40分で家につくらしい。思いの外、葛飾区と墨田区は近い。僕は歩くことにした。


 帰る途中。水面に映った夕焼けをが見えた。

水面に映る夕焼け

 出発した時間が15:30だったのが幸いだった。ちょうどいい時間に帰ることで、いいものが見れる。


 家の冷蔵庫に、ブロックの豚ロースがある。全部トンカツにしよう。

トンカツ

 左下のものだけ異様に色が濃い。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集