バーンアウトを予防しよう【全力投球は必要ありません】
こんにちは。現役社会福祉士のタカヒロです。
今回は、バーンアウトについてお伝えします。
以前、こんなツイートをしました。
目の前の利用者に対して、一生懸命に支援をすればするほど、自分を犠牲にして仕事をしている場合はありませんか?
気づいたら「バーンアウトしていた」という人を多く見てきました。
そのようなことにならないよう、この記事ではバーンアウトの予防についてお伝えしていきます。
バーンアウトとは
まずバーンアウトについて説明します。
バーンアウトとは、”燃え尽き症候群”とも言われています。
厚生労働省のホームページによれば、以下のような定義となっています。
それまで意欲を持ってひとつのことに没頭していた人が、あたかも燃え尽きたかのように意欲をなくし、社会的に適応できなくなってしまう状態
特に、医療や介護従事者などの「人」を対象に仕事をしている職種に症状が出やすいと言われています。
なぜなら、「物」と違い、「人」には価値観や感情があるため、支援する側は相手の価値観や感情に向き合いながら対応することが必要です。
その相手の気持ちに向き合うということは、自分の価値観や感情を抑えることにもつながるので、場合によっては大きなストレスを抱えることになります。
また、医療や介護従事者の職場環境は決して楽なものではありません。
感情のコントロールに加え、職場の激務が重なると、いつの間にか精神的に疲れてしまいます。
疲労が続くと長期間休職となってしまい、最悪、退職になってしまう…
こんなことにならないためにも、バーンアウトの予防は必要です。
なぜ、バーンアウトの予防は必要なのか
みなさんもご存じだと思いますが、現在は医療・介護従事者の定職率や離職率が話題になっています。
同時に、今後ますます高齢者が増えることが予想されるため、介護人材の確保について対策が迫られています。
下の表は、厚生労働省が発表している介護人材のニーズです。
この表では、2020年度末までに約26万人、2025年度末までに約55万人、年間6万人程度の介護人材が必要と示しています。
しかし、離職者も多い介護業界ですので、簡単に年間6万人の人材確保は難しい状況です。
そこで、実際に働いている介護従事者をできるだけ離職させないように、国はバーンアウト予防についても力を入れるようになっています。
主な対策を書き出しました。
・ストレスチェック
・産業医等による面談
・夜勤の3交代制導入
・患者や利用者に対するハラスメント予防
・処遇改善加算(給与アップ)
それでも離職する職員は後を絶たないのが現状です。
バーンアウトなった僕の経験談
ここでは、僕の経験をお話します。
現在は介護老人保健施設で支援相談員として働いていますが、前職は回復期の医療機関に約6年間勤務していました。
そこでは社会福祉士として、退院支援を主な仕事としていましたが、同時にベッドコントロールの一翼も担っていました。
高い在宅復帰率を求められ、病棟管理者が提示する退院日を忠実に守りながら退院を進めていくことに、いつしか疑問が湧き上がってきました。
「患者や家族の利益を守りながら、組織の都合も加味しながら調整していく」。このことについては特に異論はなかったですが、社会福祉士として、患者・家族の訴えや不安を押さえつけて、医療機関側の都合だけで退院支援を進めることは、「これは支援ではなく交渉や説得では」と思うようになりました。
同時期に、権利意識が高い家族から幾度となく暴言を言われたことにより、精神的に疲れてしまった時期でもありました。
退職することも考えましたが、1か月半の休職と役職者との面談を繰り返し、職場復帰することができました。
面談では、「職場環境の改善」「ハラスメントに対する対応」を協議してもらい、社会福祉士の人員確保やマニュアルの整備を行ってもらうこととなりました。
僕の場合は、職場が迅速に行動してくれたことにより、早期に復帰することができましたが、このような事例は決して多くはないと思います。
職場や外部に相談していくことは大事ですが、自分でも精神面をケアすることが必要なんだろうと考えました。
次は、実際にバーンアウトを予防する方法について説明します。
バーンアウトを予防する方法
僕の経験ですが、バーンアウトは知らず知らずのうちに迫ってくるものだと思っています。
それは「セルフケア」に対する視野が狭くなっていることにもつながるのかな、とも振り返りました。
目の前の仕事に一生懸命になると周りが見えなくなることはないですか?
周囲が見えているときは「気持ちに余裕があるとき」だと思います。
その余裕を作り出すには、仕事への向き合い方を変える必要があるのではないでしょうか。
全力投球しても身体を壊すだけ
このことを、僕は自らの経験から学びました。
バーンアウトを予防するための例を提案します。
・苦手な人を自ら理解する
・苦手、嫌いな人から遠ざかる
・どうしても接する場合は手短に終える
・周囲に「苦手だ」と告知しておく
・仕事とプライベートは完全に分離する
・睡眠と適度な運動を確保する
・笑うこと
上記のように全てを行うことは難しいと思います。
ですが、どれか1つでも行動に移せるかもしれません。
「最近、仕事でイライラする」と思っている方は、ぜひ実践してみてください。
そして、気持ちの余裕を持つことで、仕事の効率も向上することにつながります。
まずは自分のことは自分で守るよう、自分を可愛がってはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、バーンアウトの予防についてお伝えしました。
バーンアウトによる精神的な落ち込みはつらいものです。
気づいたら、自分を責めている場合もあります。
そうならないように、自分の気持ちを早い段階で察知し、決して仕事を一生懸命、全力投球しないようにしましょう。
どの職業・職種でも同じことですが、人材は必要です。
P.F.ドラッカーは、このような言葉を残しています。
「人は最大の資産である」
まさに、共感できる言葉ですよね。
今後、みなさんの中で「疲れた」と思われる方がいたら、この記事を思い返してもらえると幸いです。
自分の身体は1つしかありません。
くれぐれも無理はしないよう、ご自愛ください。
それでは、今回はここまでとします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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