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全部未解決のまま、寝る時間だけが来る
夜中に食べていたカップラーメンは健康診断の反省から姿を消して、深夜にある海外サッカーの試合は翌朝ハイライトで確認するようになって、まさしく社会人な毎日。
毎日繰り返すアフターファイブでは、少し目を離した隙に寝る時間がやってくるから、とりあえず明日も「大人」であるために今日もちゃんと寝るまでの準備を進めなくちゃいけない。
けれど最近、よく思う。
○日後の仕事のこととか、資料とか上司とか、○週間後の親知らずの抜歯の件とか、親や健康の不安とか、可愛い子に緊張して上手く喋れなかったこととか、部屋とか夢とか転職とか人生とか。
ぐるぐる頭の中を巡るそんな事柄達を前に、今日という日に折り合いがつけられなかった人は、どうやって今日を終えればいいのだろう。
どういう心持ちで、瞼を閉じるところまで持っていけばいいのだろうか。
今日が終わっていないまま、明日が来てしまう。
全部未解決のまま、手放しでとりあえず眠りに向かっていく、
ということが、しっくりこなくて、とても苦手だ。
もちろん、試験とか恋愛とかバイトとか、そういうことは学生時代の頃もあったはずだけど、歳を取れば取るほど「宙ぶらりんの未解決案件」の量は増えている気がしていて、多分家庭を持ったり、仕事で責任が増えたり、今より歳を取ればもっともっと増えていくんだろうなーと思う。
本当は雲ひとつない青空みたいな、ニュートラルな精神状態でいることが理想だけど、人生は常に複数のプロジェクトが同時進行してて、あるものは順調だったり、あるものは順調じゃなかったりする。
例えば仕事はうまくいってるけど、プライベートが不調だったり、プライベートは順調だけど、健康の落とし穴に遭遇したりといった具合で。
些細で色々なプロジェクトはとても複雑に存在していて、生活と形容されるそれらの同時進行に慣れなくちゃいけないことは分かっているけど、20代半ばになっても全然うまくいっていない。
本当はRPGバトルの1ターン制みたいに、1個づつ着実に片付けていきたい。つまり、親知らずを抜くまでは、一旦仕事は休みたい。(だけどそれはそれでずっと親知らずのことを考えていなくちゃならないから、やっぱり不安の前に別の不安があることは逆に健康的なのかもしれない…。)
疲れ切った脳みそで、ぐるぐるぐるぐる。
雑音みたいなテレビ番組が流れる1Kの真ん中で、やっぱり全部未解決のまま、今日も寝る時間だけがやってくる。
まあ大谷翔平が活躍してればそれでいっかと、そうやって一旦目を瞑る鈍感さこそが、この騒々しい世界での「生活」には求められているのかもしれない。
「ああ、だから皆んな1日の終わりにお酒を飲むのか」と、今更ながらそんなことを考えていた。
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