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原体験の話

前回の記事の最後に触れた、自分の高校3年時の原体験について振り返っていきたいと思う。

そもそも原体験とはなにか。

Googleで検索すると、以下のように記載されている。

「原体験」:人の生き方や考え方に大きな影響を与える幼少期の体験。

しかし、原体験は幼少期に限ったものではないというのが僕の考え。
なぜなら、これから話そうとしている原体験は高校3年時のものだが、今の自分の人生に大きな影響力を及ぼしている。


高校3年時の原体験とは具体的に何か?

「選手権大阪予選ベスト8の興国高校との試合」

ではその経験は一体どんなものだったのか、印象的だったポイントを抽象度を上げて3つ挙げたいと思う。

① "one for team" の具現化
② 確固たる信頼関係
③ 関係者全員と夢中を共有して感動を生み出した瞬間

では、1つずつ具体的に説明していく。


① "one for team" の具現化

つまりサッカー部の部員一人ひとりがチームの勝利のためにできることを考え、行動していたということ。
試合に出ている選手はチームにおいての自分の役割を理解し走り続け、
ベンチで控えている選手はいつでも出れるように最善の準備をし、活躍して勝利に貢献するイメージを描いていた。
また、メンバーに選ばれなかった多くの選手は声を枯らして応援したり、黙々とビデオで撮影したり、試合に出ている選手たちの近くでサポートしたりとみんなそれぞれ自分の置かれた立場で全力でチームに貢献していた。
(我が校のエンブレムには蓮の花がデザインされており、泥沼でも咲くことから「置かれた場所で咲きなさい」という意味が込められ、3年間よく指導者に口酸っぱく言われていた。)
もちろん監督はじめスタッフ陣も勝利のために試行錯誤し、応援しにきてくれていた部員の保護者の方々も勝利を信じて声を出していた。

みんなやってることは違えど、チームのために本気になっていることに変わりはなかった。
その中の一員でいられることってこんなにもワクワクするものなのかと。
まさに全員で3年間創り上げてきた集大成のような感覚だった。


② 確固たる信頼関係

ここで重要なことを言う。
僕はこの試合、応援スタンドで太鼓を叩いていた。
前日の練習で監督からメンバー外を宣告され、練習後には悔しさとショックのあまり涙を堪えきれなかった。
そんな時、メンバーに選ばれた同期の仲間が「勝って次に繋げるからまたメンバーに入ってこい。」という言葉をかけてくれた。
くさいと思われるかもしれないけど、この言葉にかなり救われ、試合当日にはスタンドから過去最高の応援をしてチームのために貢献するという強い想いしかなかった。
「試合に出ている仲間が勝って次に繋げてくれる。」と、スタンドの選手全員が信じてこれまでで一番の応援をした。
試合は1点リードで前半を折り返したが、後半途中に追いつかれどちらが決めてもおかしくない中、試合終了5分前に劇的なゴールを決め勝利を収めた。
自分は試合に出ていないのに死ぬほど嬉しかった。


③ 関係者全員と夢中を共有して感動を生み出した瞬間

それは、試合終了間際のゴールの瞬間だ。
とにかく嬉しかった。めちゃめちゃ嬉しかった。
足がフラフラになりながらピッチで戦っていたチームメイトが、アドレナリン全開で猛ダッシュで応援している僕たちのもとへ走ってきた。
真剣な眼差しで、興奮して笑っているのかよくわからない表情でみんなが叫びながら一直線に向かってきた。
僕は何も考えることなくそいつらに飛びついた。

気がついたら、抱き合いながら大声を出して泣いていた。(誰と抱き合ったのかは覚えていない。)

人生で初めての”男泣き”だった。

審判に注意されて、はにかみながら、でもまだ集中を切らしてはいけないと言わんばかりの顔でピッチに戻っていく彼らの姿は、半端じゃないほどかっこよかった。

試合再開のホイッスルが鳴る時、ふと我に帰った。

なぜなのかは未だにわからないけど、
自分の今いる状況を俯瞰的に考える時間があった。ほんの一瞬だけ。
この感覚は今でも鮮明に覚えている。


関わるすべての人と夢中を共有している瞬間に立ち会えたのだ。


サッカー部の選手はもちろん監督やコーチなどのスタッフ、応援にきてくれていた他部活の生徒たち、お世話になっている学校の教員方、保護者の方々、さらにサッカーを観にきている学校とは関係のないギャラリーの人たちも、みんなが一つのもの(試合)に没頭して感動を共有している光景だった。

その時、何とも言えない、感じたことのない幸せな気持ちになった。

大好きなお寿司を食べてる幸せな気持ちとは違う、全く別物の幸福感。

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この原体験が今の自分に大きな影響を与えており、
現在所属している体育会サッカー部においても、
また社会に出て入社する予定の会社においても、
より再現性高いものの実現を目指していきたいと思う。



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