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医学会新聞新年号特集「認知症とともに生きる」を読んで(感想文)


医学会新聞 新年号特集
・2023年1月1日「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が制定され、特集が組まれています。
・認知症に対する社会の理解や認知症の人や家族との共生、当事者の視点、社会参加への支援について強調しています。


特集の紹介

2023年に日本で制定された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は、認知症の有無にかかわらず全ての人が基本的人権を有することを目指し、共生社会の実現を目指しています。この法律は、認知症に対する新しい政策的規範・価値の定義付けを行い、認知症の人々の参画を重視しています。

認知症になると、一般的には重度の状態を思い浮かべがちですが、実際には、認知症になっても自立した日常生活を送ることが可能です。周囲のサポートやテクノロジーの助けを借りて、認知症の人々は日常生活を継続できます。

認知症当事者ワーキンググループ代表である藤田和子さんを含む当事者たちは、認知症に対する偏見に立ち向かい、自分たちの声を社会に届けています。ワーキンググループの皆さんは、認知症になっても有意義な生活を送ることができるというメッセージを広めています。

この特集においては、認知症の人々が地域で暮らし続けるためには、地域の理解と協力が不可欠であることが述べられています。認知症の人々が働き、社会とつながり、役割を持ち続けることは、認知症の進行を遅らせる上で重要です。これを支援する取り組みが広がっています。認知症に対する理解を深め、認知症の人々が社会の一員として尊重され、参画することの重要性を強調しています。また、認知症の人々が地域社会の中で暮らし続けることを支援する動きが進展していることを示しています。


(私の感想)

私の週間医学会新聞のイメージは、医学書院という医学書ではメジャーな出版社が、研修病院にフリーペーパーのように配布している情報誌です(関係者の方、違ってたらすみません💦)。私は、本を購入するのが好きでしたので、医学書院の本を研修医のころから百冊以上は購入しています(教科書も含まれるので全部読んだかどうかは別)。一冊が1万円前後しますので、結構な投資額になっていますw
つい目新しい考え方が載っていると買っちゃうんですよね・・・。
この新聞で認知症基本法が週間医学会新聞で取り上げられるというのは、目の付け所がさすがだと思いました。

本特集は、医学的な視点よりも社会的な視点が重視されているところが特徴だと思います。今後こういった書籍も出版されるのかもしれません。私も認知症の人の人権ベースで本が出版されるのは大変良いと思います。

医学会新聞ですので、当然医師が中心の読者です。
医者として求められている医学的な面と社会的な面を併せ持つ複眼的な視点もあってもよいかと思います。
例えば認知症かそうでないかを、AIやテクノロジーに置き換えようとする考え方が出てくるのも理解はできます。しかし、まだ不十分だと思います。AIは、最初に質の良いデータが必要です。まずは神経学的所見、神経心理学的な所見の取り方や、MRIの読影などの特集で若手臨床医に認知症診療の魅力を伝えていただきたいと思います。私も引き続き患者さんから求められている診察技術を基本法や医学倫理と同時に磨いていきたいと思います🍀





認知症に関する書籍を執筆しています。10月に発売された新刊の「図解でわかる認知症と制度・サービス」では、認知症の症状、診断、治療だけでなく、認知症の人や家族が楽になる制度やサービスについてもコンパクトにまとめてあります。新聞が読める方には読んでいただけるぐらい平易な文章で書かれています。Kindle版もあります。よろしければ参考になさってください。

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