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研修と育成のジレンマ

会社の中で教える、教わる機会は非常に多い。
1対1で先輩から教わる。集団で研修する。
短期間もあれば、長期間もある。
その中でも
数ヶ月間の研修や育成かつ集団のケースで
おちいりがちなジレンマと
一つの考え方について。

集団で研修や育成をする場合
大抵は、入社時期が一緒だったり、成績が一緒だったり、
何かしら知識やスキルが同じくらいのレベル感の人を一つにまとめるケースが多い。
それは、同じくらいのレベル感(知識、スキル)のメンバーがいた場合。
1対1で育成していくよりも、
集団に対して研修を行なっていった方が効率的と考える。
家庭教師型よりも塾講師型。

そもそも、
会社では家庭教師役になれる人が少ないことも多く、
教える側の役割も育成以外に重要なミッションを持っていることが多い。
そうすると、
効率と講師不足により、
集団に対して育成や研修を行なっていくことが多い。

ただ、
実際に育成をしてみると細かな前提条件が全然違うことがよくわかる。
1対1の場合は、
相手の理解度に合わせて柔軟にコンテンツや難易度を変更させることができるが、
集団になった場合、教えるコンテンツが一緒がゆえに
相手の理解度が全然違うことにまずは直面することになる。

さらに、人は同じように成長しない。
同じように教えても覚えるのが早い人、遅い人。
コツを掴むのが早い人、遅い人。
やる気のある人、無い人。
実にさまざま。

ここでジレンマに陥る。
そのジレンマとは、
初めは集団で育成することが効率的と思っていたが、
同じグループでは進めると、
上の対象に合わせるべきか、下の対象に合わせるべきか、
中間を取るべきかの選択に迫られる。

結果、
レベルごとで分け始め、
いくつかの小グループに分かれる。
効率化を意識して始めたはずが、
それぞれのレベルに合わせて小グループ化するか。
または、そのまま進めるかの2択を迫られる。

私も今までは、
小グループを作る派だったが、
結果的に教師不足、
または教師としては不足している人が教える側に回ってしまい
全体的なクオリティを落とす結果になってしまった経験がある。

一見、
同じレベル感に分けることで効率的に思えるが、
これは、短視感的で、多様性を無視して考えてしまっている。
例えば、
知識は少ないが、ヒアリング能力に長けていたり、
どちらも足りないが、学ぶ姿勢に長けていて、
周囲のモチベーションと継続力に貢献してくれている人がいたりする。
さらに言うと、
学習側の中で教え合うことで、知識が定着することも期待できる。

会社の中という前提であれば
横のつながりができたり、
普段の仕事の中では見えなかった良い部分が見えてきたり、
マネジメントへの興味が湧いてきたり。
他のさまざまな効果に波及することもある。

まとめ

集団で育成していく場合、
成長の過程が異なるので、同じように育成するのは不可能。
育成の効率化よりも多様性のメリットを期待して設計する方がさまざまなメリットを得られる可能性がある。

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