アキ・カウリスマキ傑作選@目黒シネマ
先月、かねてから訪れてみたかった目黒シネマで、アキ・カウリスマキ傑作選2本立てを観た。
今時2本立てなんて珍しい。
日替わり上映のため、まずはパラダイスの夕暮れと真夜中の虹を鑑賞。ひさしぶりのカウリスマキ節、ひさしぶりのフィルム映像の質感に、どこぞの専門学生のようにテンションが上がってしまった。アート系の映画でこんな風に気持ちが高揚するのはいつ以来だろう。
40代半ばにもなると大抵のものへの反応が薄くなりがちだが、80年代の映画を見てこんなにも衝撃を受けている自分に驚き、我に返る。やっぱりアナログって良い。そして、アキ・カウリスマキはやっぱりすごい。
結局2日連続で通いコンプリート。束の間の現実逃避。この4作を観てマッティ・ペロンパーを好きにならない人はいないだろう。すでにこの世にいないのが残念である。
どの作品も音楽がとても効いていて、“映画とは総合芸術である” という言葉を再認識させられる。
*
帰宅後、長年にわたって少しずつ読みながら未だ読み終わっていないアキ・カウリスマキの本を久しぶりに開いてみる。監督の作品を制覇するまで、もうしばらく楽しめそうである。
<おまけ>
目黒駅の近くに穴場の駐輪場を見つけた。閉店してそうなラーメン店の脇の路地を入り、突き当りを左折すると右手に墓地、左手に駐輪場が見えてくる。都会の中のちょっと不思議な村上春樹的空間。うだるような真夏が良く似合う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?