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十年以上前の作品を加筆修正して完結させた

この度、長編を完結させました。
「GRAYHEATHIA*グラィエーシア」という作品です。読みは「グラィエーシア」、略称は「グラィ」といいます。
2009年に連載、完結した作品を改訂したものです。そう、もう十年以上前の作品なのでした。

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何故改訂版を書こうと思ったのか。理由は色々ありますが、「書ききれていないところを書き足したかった」のと、「自作で最も読まれたであろう作品だから」というのが大きかったと思います。

十年前といえば、個人サイトの割合がまだまだ大きかった頃。
携帯端末は、フィーチャーフォンとスマートフォン。スマホはまだまだ全員が持っているというわけではなかったと思います。

「異種族」で「政略結婚」で、「現代人」が「異世界召喚(=非現実的な場所に送致)」されるような恋愛ファンタジーを書こう。
「そして二人は結婚し、仲睦まじく暮らしました」の先を書こう。

ごくありふれた日々の、いつもの「新しい話を書こう」という思いのもと、その物語は芽吹いたのでした。

取り憑かれたような勢いで書いたそれは、想像もしなかったたくさんの人の目に触れることになり、それまででは信じられないくらい多くの感想や反応をいただきました。
いや本当に、すごかった。サイトのカウンターが回っているというよりはぶっ壊れてランダムな数字を吐き出しているのかと思いましたね……。

パソコンだけでなく、携帯電話でぽちぽちと見てくださった方には感謝の念に絶えません。いまほど快適ではなかったので読むのも大変だったと思います。

しかし勢いに任せて書いていたので荒くないわけがなく。
完結まで書ききったときは、読者の方の声を背に受けてゴールまで全力疾走した、という印象でした。

これを直すのには技量がいるし、時間もかかる。
いまの形も嫌いではないし、もう手をつけることはなかろう。
そう思いながら小話を細々と更新して、十余年。

重い腰を上げたのは、同人誌版の新約「グラィエーシア」を作ったから。

同人誌にするにあたってWeb版を下敷きに、新しい物語を仕上げたとき、この夫婦をちゃんと書きたいという思いを強くし、時間がないなら作れ! とばかりに書き始めたのでした。

時間がかかりつつも改訂版を修正しきれたのは、あのときの読者の方の声を思い出しながら、よりわかりやすく面白くしたいと私の思いに、ちょっとだけ技術が追いついたおかげかもしれない、と思います。
この十年の間に、運良く商業デビューし、編集さんに教えていただいたことは、とてつもなく大きな出来事で、私に自信と無力感と悔しさを教えてくれました。
そのおかげで、多分あの頃には書けなかったものを書いた、という感触があります。

目の肥えた読者やプロの方々から見れば、まだまだ未熟で、ベストセラーにはならない作品なのだと思います。
けれど私は創作者としてこの作品に特別な愛情を抱いているし、多分末期まで持っていくでしょう。

そういう作品にこれからも巡り会えるなら、私の人生はきっと最高だ。

そしてそれを私でない誰かも愛してくれることを願ってやみません。




もし課金したいと思ってくださったらどこかで新刊が出たらよろしくねよろしくね!


今日の進捗。
・書き物作業(1h)
・note更新。
・インスタ更新。
・机周りの片付け。

今日嬉しかったこと。
・午前中バリバリ動いたぞ。
・部屋が綺麗になって嬉しい。

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