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夏の読書1

JAXAのSLIMは月に着陸し、中国の無人探査機は月の裏側から岩石を持ち帰りました。数年後にはアメリカが半世紀ぶりに有人ロケットで月着陸を目指します。その後は月の近くに有人宇宙基地を作り、月に降りやすくして、将来的には月面基地開発を行うのだそうです。

まさに、月ブームが始まりました。

私は、今こそ読んでおきたい本があります。ずっと読みたいと思っていたけど、読んでいなかった本。それは「月は無慈悲な夜の女王」(ロバート・A・ハインライン)です。

この本は、アポロ宇宙船が月に着陸した1969年より4年前の1965年に発表された作品です。つまり今から59年前の作品ということになります。そして、機動戦士ガンダムが生まれるきっかけになった作品とも言われています。

まず、この本を手にとって初めに思ったのが、こんなに分厚い本だったのか!ということです。680ページほどあります。

本の裏に書いてある概略程度に内容を説明すると、犯罪者の流刑の地として開発された月では、その2代目、3代目と代を重ねていた。そこは人口増加のため食糧不足になっていた地球に食糧を送る植民地でもあった。その人々が地球の圧制に耐えられなくなり独立するために立ち上がった。というものです。

宇宙空間、とくに月面における人類の活動の状況が、まだ人が月に行っていないのによくこんなに細かく描けるものだと感心してしまいました。この作者は信じられないくらい頭がいい人だというのがわかります。

そして、確かにガンダムの元になっているなあと感じました。この作品では、月は植民地にされていて、そのために独立を目指すのですが、ここで私は思いました。ガンダムのジオンってどうして独立をしようとしたんだろう?ジオンも植民地だったのかな?

そこで、ガンダムの基本設定をおさらいしてみたくなり、まずはガンダムファースト(一番初めに作られたTV版ガンダム)を観てみると、冒頭のおなじみのナレーションでこう言います。

「人類が増え過ぎた人口を宇宙に移民させるようになって、すでに半世紀が過ぎた…、地球に最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた」

ジオンは、どうも植民地ではなさそうです。

ジオン公国ってどこにあるんだろう?と思っていると、その場所は月の裏側あたりでその空域はサイド3(スリー)といい、40基のスペースコロニーで構成されていて、総人口は1億5千万人だそうです。

そんなにいたんだ。

そして、人類を宇宙に移民させるというあたりをもっと詳しく説明しているものがありました。それは「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」

この本には、こんなことが書かれています。

人類の増加によってその排泄物に汚染され、温暖化現象によって異常気象がおこり、食糧危機と自然破壊によって人類が地球に住めなくなりつつあったことから、人類はやっと危機意識をいだき、地球を保全、復活させるために人類を宇宙に住まわせることにした。そしてスペースコロニーの建設が始まった。

これが宇宙世紀の始まりで、ガンダムファーストは宇宙世紀0079年。閃光のハサウェイは宇宙世紀0100年というわけです。

そして、地球を完全に再生させるには千年から1万年くらいはかかるし、なにより全人類が地球から離れないといけないので、宇宙移民は強制的に行われたというわけです。しかし、一部の人類が地球を保全させるためという名目で地球に残ったため、宇宙に移民させられた人と地球に残った人との間にあつれきが生じたのです。

それを、ジオン側から言うとギレン・ザビのこんな演説になります。

「我々は地球を追われ、宇宙移民にさせられた。そしてひと握りのエリートが宇宙にまでふくれあがった地球連邦を支配して54年。宇宙に住む我々が自由を要求して何度連邦に踏みにじられたか、ジオン公国のかかげる自由のための戦いを、神が見捨てるわけがない」

こうして独立戦争が起きていたのです。

さて、日本には四季がなくなり、二季となっていくようですし、これまでなかった線状降水帯が各地で発生しています。すると、月の開発の次はスペースコロニーということになるんでしょうねえ。間に合うかな?

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