モノづくりについて

私はモノづくりを仕事にしているわけではない(モノづくりの会社だが部署はWebなので)が、実は工作が好きな少年であった。
ベイブレードなんか、ぶきっちょな級友のぶんも組み立てた記憶がある。

しかししかし、私は手先が器用なわけでもないのである。
私が一番最近に作ったのと言えばアンプだろうか、と考えたらもう2年以上前だった。1年半前に同僚に1台作ったので、それも含めりゃまあアンプでいいか。
アンプ、といってもオーディオアンプである。要するに見た目はただの箱、そこにボリウムと端子が出ていて、プレイヤーとスピーカーをつなぐとでかい音が鳴る。

今鳴らしているアンプはずいぶんきれいに仕上がっている。金をかけたからだ。内部の部材にではない。工具、外装に金をかけた。ステップドリルやなんやら、専用の塗料やら、結構気前よく作ったのである。だから見た目がいい。On/Off時のノイズが少々あれだがまあ目をつぶろう。

話が脱線した。私が不思議に思うのは、周囲にDIYをたしなむ人間が少ないことである。私にしたところで、電気の資格など一切持っていないが法律に触れぬ範囲であれこれしている。物理だのなんだのの知識は皆無。オームの法則で電圧の計算をするのが関の山。こんな人間でも結構楽しいのに、周囲の人々、それも立派な大学の電気工学を出ているような人が「いや、私はちょっと」なんて言っていて、世の中複雑怪奇だと思うのである。

私には祖父が二人いるが(祖父が二人って、割と当たり前田のクラッカーだが)二人ともモノづくりの人だった。方や原料を切削だか融解しての金型づくり、方や部材を組み立てての工業でだいぶ違ったらしいが、その血は私に流れているらしい。手製の短波ラジオで韓国の放送をキャッチした中学時代、大人に反抗すべく聞き出したロックを手製の機械で聞けた高校時代、なんだか私の人生にはDIYデバイスが寄り添っているらしい。

私は不器用だ。今鳴らしているアンプも中身はひどいものだ。基盤上でのアクロバット配線など、結構すごいチューニングがされている。
塗装もなかなか。まあこれは仕方があるまい。私の地元は空気が汚かったのだろう。
それでも私は自作を続けそうだ。なぜって、自分の身近に置いておく機械があるならその仕組みをある程度知っておいたほうが安心して過ごせるから。私はともすれば機械への理解を失いかねない人間だから、絶えず機械の仕組みを気にしていたいのだ。

追記
考えてみれば、1番最近DIYしたのはTシャツのステンシルであった。「RIDE」と「doors」。
写真は同僚に作ったアンプ。米フィリップスがカーステ用に製造していたICを使っている。(過去記事の再掲です。同僚に作ったアンプの画像が見つかりませんでした)

※この記事も、過去に出していた記事の再掲です。写真は~とか書いていますが、肝心の写真がどこかに行ってしまったのでお出しできないのです…

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