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コーチングスクールでの学び(Day17,18)

いよいよ最終モジュールになりました。スクールに皆集って学ぶのもこれで一区切りとなります。ここまで8回分書き綴ってきましたが、今週分も粛々と学んだこと、感じたことを書き記しておこうと思います。

自分がやりたいことを探すには

自分のやりたいことを探すには、2つの方法があります。

  1. 色んな体験をして探してみる。

  2. その考え自体が思い込みに過ぎないと認識し、目の前のやれそうなことに集中する

①はキャリアアンカー、②はプランド・ハップンスタンス(計画された偶発性理論)の考え方そのものです。いわゆる“出会いの時期”というものがあります。まさに”コネクティング・ザ・ドッツ”、あるいは以前にもふれたことがありましたが”セレンディピティ”というやつです。キャリアコンサルタントの資格を取って8年。今ごろやっと腹落ちしました。プランド・ハップンスタンスは個人的にはかなり好きな考え方なので、いつか別の機会で書いてみたいと思います。

また、「ヒーローズジャーニー」の話にも触れられました。この概念も上記の考え方に通じるものがあるなと思います。

コーチングにおける治具

コーチングのポジションチェンジにおける椅子は“治具”みたいなもの、という話がありました。技術屋(研究者と思われている節がありますが、職業としては技術者です)としては、「めっちゃ分かる!」という内容でした。工具だけを正攻法で使っても攻略できないのと同じ。治具をうまく使ってこそ。治具の選定と使い方こそが技術者の腕の見せどころです。

What:本当はどんな状態になっていたらいい?
How:それに向かってどんなことができそう?
仮説でもいいから、答えを作ってみる。「何でもいいので答えてみて」と。

コーチングが上手になる秘訣は、クライアントに協力してもらうことです。例えばそれは、スケーリングだったり、「本当はどうなったらいい?」という問い掛けであったりします。さらに、「今、何点?」「すごいね!」「1点上げるには何ができそう?」と続けていくのです。

コーチングを形作る3つの柱

コーチングは普段とは違うコミュニケーションのスタイルを取っていきます。普段の何気ない会話ではそういったやり取りや進め方はしません。コーチングは以下の3つの要素から成り立っていると考えられます。

① 1つ目は構造/構造化。構造化とは「どの順番で何をしていくのか」ということ。(WhatからHowへ,GROWなど)

② 次のステップとしては、一致。一致とは、認識と体験が一致すること。思い込みではなく、“ありのまま”に受け止める。クライアントが「本当にそうだ」と思えていること。が故に、コーチングにおいては、「言ってみてどう?」という問いがあったり、ポジションチェンジをして「心の声を聴いてみてどう?」というやり取りがあります。つまり、クライアントの内面で本当にそうなのかを確かめています。と同時に、コーチ側でも一致をすることが必要です。
ここで、答えが出ない、一致しているのか分からないからと、妥協するのは良くありません。違う問い掛けをするとか、コーチから答えが出るように働きかけるなど、泥臭くてもいいからベストを尽くすことが大切です。
そして、コーチは「クライアントを頑張らせる」ことを頑張るのです。本人ができるサイズにアレンジして、細かくしてみる。少し無理にも思えることを投げ掛けるけど、考えやすいように変換していく。逆にここで愛情(情けにも近い)をかけ過ぎないことです。決して甘やかさないこと。それは少し言い過ぎかもしれませんが、クライアント本人、クライアントの人生をバカにしていることに等しいのです。

③ さらに、上記①、②の続きがあります。3つ目は体験学習。体験学習とは、仮説検証サイクルとも言い換えることができます。自分なりの仮説を立てて、やってみる。その結果、体験してみてどうだったのか、振り返ってみる。そのためにもクライアントに継続で関わる“ガッツ”を見せることも大切です。かつ、その仮説や検証、考察に対してコーチがさらに壊しにかかること。すなわち、科学的アプローチとも言える”反証”を与えることも時として重要です。ある種、批判的であることです。

無意識の先行学習という考え方もあります。人は無意識にでも自然と学習しています。ふとした時に「あ、分かった」となります。したがって、体験することを止めない。その場に居続けることが重要です。
その他にもいろいろあります。俯瞰して見る”脱同一化”。刺激と反応に間を空け、普段通りの行動を取らない、自動運転モードから手動(主導)運転への転換。

ポジションチェンジとタイムラインを組合せる

身体に手を当てる。どんな表情をして座ってる?と。体の反応と体の認識を重ね、確かめていく。一致させていく。そして、コーチはそうなる“仕掛け“を作っていきます。体の方から心のチェックをしていく。それが気持ちをまず聴く理由です。「ここに行くためには誰と何をやればいい?」と聴き、未来の椅子は1つ1つ全員のものに座ってみた方が望ましいです。

相手のポジションに入る前には“スイッチの切り替え”をする。いろいろやり方はありますが、未来の場所からポジションの見直しをするのがオーソドックスな手順です。もちろん、現在の別視点や過去から見てみるのも1つです。

「何の制約も無かったら」ということの意味

お金、時間、エネルギー、自信、他者の協力や理解、などが十分にあったなら、という前提をコーチングの場面においては意図的に予め伝えておきます。そして時として、中途半端な質問やリストを用意しておきます。将棋の三手筋のように、コーチングでも手筋を考えて進めることを意識する。また、SMARTフレームワークを活用してゴールの具体化をしていくことも有効な手段となります。

エッセンスとエピソードの往復作業も有効かつ大切な手順です。エピソードからエッセンスを抽出し、エッセンスからエピソードへ落とし込んで具体化し、疑似体験する。それをタイムラインを駆使しながら繰り返し行き来させることで、より内省化し、言語化し、具体化し、行動化していく。

ちなみに、アドラー心理学では、所属欲というものは、生存欲よりも大きいと考えられています。さらに劣等感については、建設的だと補償になりますが(時として過補償にもなる)、非建設的である場合は、劣等コンプレックスか優越コンプレックスのいずれかになってしまいます。優越コンプレックスとは、自身を強く見せようとすることです。そのような場合は、自分はどうなりたいのか、に基づいて向き合った方が良いとされています。一方、自分自身に厳しい人は自分メガネを見直した方が良く、この点は自戒の意味も込めて覚えておきたいと思います。
そして、アドラー心理学に関する子育て、ライフスタイルの話。人のライフスタイルは10歳までにできると考えられています。いくつかある大事な要素のうち、家族価値と家族の雰囲気というものがあります。家族価値というのは、両親が大切にしているものや目的といったものを指します。一方、家族の雰囲気とは、民主的なコミュニケーションであったり、やり取りであったりといった、支配している雰囲気や風土のことを指します。これらによって、ライフスタイルが形成されていくのです。

グループコーチング(ファシリテーション)

グループコーチング(ファシリテーション)のプロセスは以下の手順で進めていきます。

  1. 仲良くなるためにここに来たことを確認(どう関われば良いのかの確認)

  2. ルールの確認:分かってほしいことを伝える、批判をしない

  3. 分かってほしいことの目的確認、それを順番に聴く

  4. 共有ゾーン(大原則や目的)の確認

  5. お互いの良いところを伝え合う

  6. ラブボタンと地雷ボタンの確認

  7. コミットメントの確認(何をするのか、しないのか)

相手の立場になってシミュレーションをしてみる。その人が動いてみたいと思わせる、動機づけを考えてみること。その時、「平等な肩入れ」という意識を必ず忘れない。そして、人間は感情の動物であり、感情から設計していくことに努めます。

コーチングを広めていく

コーチングのマインドを世の中に広めていくために。

  • 1on1

  • 1万人コーチング

  • OJC(On the Job Corthing)

  • 心理教育(勉強会やセミナー等)

  • 背中でコーチング

他にもできることがないか、日々考えていこうと思います。

この6ヶ月間クラスを受けて

全体を通して感じるのは、コーチングを受ける経験が少なかったなと。そんな中で、「迷ったら踏み出す」、「未体験ゾーンへ飛び込んでみる」、「一期一会のご縁を大切にする」、を行動指針として動けたのは大きかったですし、続けることができました。それがあったから、デモとはいえ多くの人の前でコーチングする体験もできました。大きな財産になったと思います(TNTメソッドも誕生!)。
そして、何よりも「何もしない」「自分に正直になる、誠実になる」「あるがまま」を実践し、それを仮説検証できたのが最大の収穫だったと思います。7つの習慣でいえば、第2の習慣にある”ミッションステートメント”、第3の習慣の第二領域にあたる、”体調管理を重んじる”、を意識、実践できたことがとてつもなく大きかったのではないかと感じています。

師匠の師である方が東日本大震災直後に言われていたという言葉を最後に書いておこうと思います。地震の直後、「自分たちも何かしなければ」と思い慌てる生徒に向かって、「我々に今できることは何もありません。来たるべき時に備えておきましょう」と声を掛けたそうです。

まだ学びの旅路は始まったばかり。来るべき時に備えて、”刃を研ぐ”。

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