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【プロセカ】MASTER譜面を伸ばしたい人のための音ゲー指南書

※注意!!! この記事の内容は2022年6月時点でのものであり、特にフリックやスライド周りの仕様は2023年から大幅に改善されています。大昔の化石のような記事だと思って読んで頂ければ幸いです。


 どうも!一般音ゲーマーのTです。

 近頃はプロセカが大変賑わっているようで、プロセカ勢の一員としてもすごいいいなって感じています。プロセカのユーザー数も指数関数的な増え方をしているらしく、ボカロと音ゲーの界隈を盛り上げるのにすごい貢献しているように自分も感じています。そんな中で、「プロセカの腕前を伸ばしたい」「プロセカの最難関曲をクリアしたい」といった高い志を持ったプレイヤーが数多く出ているのは当然でしょう。

 何を隠そう、自分もそのような人達のうちの1人です。性根が腐っているので去年の夏までは逆張りでプロセカをしていなかったのですが、いざ触ったらもう一瞬でハマってしまいましたね。そして去年の秋には「プロセカとかいうヤバいゲームをざっと解説する」という記事を書き、APやFCを狙う点で参考にすべき点を簡単にまとめたのでした。(一応下にリンク貼っときます)

 ただ、この記事を書いた当時よりもさらにプロセカに関する知識や経験が積み重なった今の自分が見ると、どうも内容が不正確だなって感じることがあったり、まあ端的に言えばテキトーな記事だなって感じてしまうんですよね。今回はこの上の記事をリメイクして、ゲームの基本的仕様、プレイ中意識した方がいい点、さらにはチーターを見極める方法まで、さらに正確かつ有用な情報をまとめていきたいと思っています。あ、文面は上の記事よりだいぶ真面目です。端末にパンチしたり陣内智則の声でなんか叫んだりはしないので、そこはご了承ください。

 あと、この記事はプロセカの音ゲー部分の解説がメインです。ソシャゲ部分の解説は一切していないので、そこもご了承してくださると幸いです。


◎はじめに〜プロセカの基本知識〜

 プロセカが上手くなるための近道は何かと訊ねられたら、僕は真っ先に「プロセカというゲームを正しく知ること」であると答えますね。本当に細かい部分の仕様まで全て理解していれば、変なミスが出た時も「多分これが原因でミスが出たんだな」というふうにすぐ考察することができますし、自分のミスを考察して次のプレイで対策を講じることができれば、どんどんミスをする箇所が減って、最終的には必ずAPできるようになります。そんなわけでこの記事では、「プロセカというゲームを知る」という点を重点的に捉えつつ解説していきます。

◯判定幅について

 まずは判定幅からですね。Perfectと判定される時間がどれぐらいの狭さかということです。ノーツごとに多少の違いがあるので、それぞれ順番に解説します。

 全ての基本となる白タップ、緑スライド始点、赤フリックのPerfect判定幅は±41.666…ms(0.041666…秒)です。同じ判定幅の音ゲーとして、jubeatやガルパなどが挙げられます。音ゲー全体で見ると普通か少し緩めぐらいの判定幅です。

 次に黄タップ、黄スライド始点。これらの判定幅は少し広めで、±55ms(0.055秒)です。通常ノーツよりは安心感を持って叩けるノーツたちですね。ちなみに黄フリックはこれよりまたもう少し広く、±58.333…ms(0.058333…秒)となっています。黄色いフリックが来た時はあまり気を配らなくてよさそうですね。

 最後にスライド終点、スライド終点フリック。これらは色による判定幅の違いはありませんが、ノーツの前後で判定幅が異なっていて、手前方向が58.333…ms、奥の方向に66.666…msとなっています。

ホールド終点の判定幅は前後で違う

 ノーツの前後で判定幅が違うので、判定幅が広い方を意識して入力すると光りやすいです。具体的には、指を離す(もしくはフリックする)のを若干遅めにすることで、より安定してPerfectを出せるようになります。

 ちなみにスライドの中継点(可視中継点も含む)は取れれば必ずPerfectになります。スライドの途中でグレが出る、ということは絶対に起きないです。(チートを使うことによりのみ可能)

 ※余談ですが、数字が微妙な数になっているのは判定幅が60fpsのフレーム数単位で決められているからです。ただ、どこかの人が解析したところによると(良い子は真似してはいけません)、0.5フレーム単位で判定幅が決められているらしく、120fps対応も秒読みのような気がしてならないです…

◯当たり判定について

 当たり判定についてですが、これは全ノーツ一律になっていて、見た目+左右1レーンとなっています。また上下の当たり判定幅については端末によって誤差があるのですが、自分が使っているiPhone11の寸法だと下のような感じでした。

ノーツが反応する範囲

 プロセカのレーンは見た目は斜めになっていますが、当たり判定は斜めではなく縦に真っ直ぐです。そのため上の方を叩く時は見た目通りではなくなってしまうので注意が必要です。

 また、端にあるノーツはそのまた外側を叩いてもしっかり反応します。(これは知ってたところで使う場面ないですが、まあトリビア程度に覚えておいてください)

一応ここでも…

 ノーツの当たり判定が左右1レーン見た目より多いのを利用することで、高難易度譜面の難所では様々な運指を考えることができます。例えば激唱や六兆年の難所をこのように取ることも考えられます。(下の画像参照)

当たり判定を活用しよう

 基本的な仕様については以上の通りとなります。ここからは、ノーツごとにコツや意識する点などを説明していきます。まずは全ての基本となるノーツ、タップからです。


◎タップは一番単純だが、一番奥深い

 タップなんて押すだけじゃんって思ってる人、かなりいるんじゃないんですか?そうです、タップはその名前通り、ただ「押す」のみのノーツとなります。それ以上でもそれ以下でもないんだから今更解説なんて、と思うかもしれませんが、ただ「押す」ノーツだからこそ奥深いのです。タップは全ての譜面において基礎のノーツであり、最難関譜面でもそれは例外ではありません。タップは配置次第でいくらでも化けることができます。

 タップがただ「押す」ノーツなのに、配置によって大きな壁となって我々に立ちはだかる例は実にたくさんあります。その中でも特に皆さんが苦戦しがちなのは、文字通りノーツの「壁」として我々に襲いかかってくる、縦連ではないでしょうか。

絵に描いたような「縦連」

 縦連にも様々な種類があって、両手で見たままトリルするだけでいいもの、両手でトリルして取れるけど抜けやすいもの、片手でゴリ押ししなきゃいけないものなど多々あります。そんな多種多様に我々を痛めつけてくる「縦連」について、具体例を交えながらこれから解説します。

◯縦連はプロセカの譜面を捌きにくくしている

 これは全ての音ゲーに言える話なのですが、そもそも音ゲーの「難易度が高い」ってどういうことかというと、端的に言えばとてもやりづらい操作をさせられるということですよね。その「やりづらい」という要素をとても簡単に我々にもたらしてくれる配置が、ズバリ縦連なのです。そういう意味では、縦連が高難易度譜面に多いのは必然的ですし、また逆に縦連があればその譜面は高難易度になりやすい傾向があります。

 その縦連の「やりづらい」と感じる要素にも何個か種類がありますが、その中でも皆さんが特にプロセカでよく見かけるものは、「認識しづらい」という要素を持った縦連ではないでしょうか。

どうやって押せばいいんだよシリーズ

 上に挙げたのは代表的な「認識を難しくさせるための縦連」の配置の例です。ひと目見ただけではどうやって押すのが正解かすぐに理解することができないと思います。このような我々の頭をバグらせるための縦連配置は特にプロセカでよく見かけるので、個人的にはこれがプロセカの譜面のアイデンティティなんじゃないかなって思ってたりもします。そう感じるぐらいこういう縦連配置は多いです。

 どれぐらい我々の認識を縦連が狂わせるのか実感してもらうために、先ほどの上の画像の見辛い部分を黒く塗りつぶしてみました。それが下の画像です。上の画像と見比べてみてくださいね。

そうやって押せばええんかよシリーズ

 めっちゃ見やすくなったでしょ。これが恐るべし縦連の威力です。このように、余分な部分にノーツがあって縦連があるように見えることによって、我々の頭はいとも簡単にバグってしまうのです。プロセカの譜面がつまらないと思っている人が多い理由も、自分はここにあると思っています。

 このような認識難の配置には、巻き込みミスを誘発するものもあります。代表的なのはMikuのラストです。

ただのベース音なのになんでこんな配置にしたん?

 こういう単推し→同時押しみたいな配置は、二本指で単押しを押すとどっちかの指のタップ判定が奥のノーツに行ってGoodが出ます。チュウニズムみたいに何本指で押しても大丈夫みたいにはいかないんですね。ここが認識難の譜面を捌く上で非常にネックになるポイントです。くれぐれも注意しましょう。

◯いやらしいタップ配置の対策法

 縦連やそれに起因した認識難を捌くとき、キーワードになるのは「素早い動き」と「譜面研究」です。

 認識難や、忙しすぎてどう押せばいいかわからない配置などでは譜面研究で対策するのが一般的です。「譜面研究」って言われても、具体的には何をすればいいかわかんねーよ!って人もいると思うので、ここで説明しておきましょう。譜面研究ですべきことは主に、①譜面を正しく把握する ②叩き方の候補を挙げ、どれが自分に合うか吟味する ③譜面を叩く時の感覚を覚え、体に馴染ませる の3つです。本番のプレイでは最初から通しでやらなければいけないので、できない部分を見たり感じたりする機会が少なく、正しく譜面を把握することができないことが多いです。なのでプレイ動画をスロー再生したりして、ゆっくりじっくり譜面を見る機会が必要なのですね。「おかめ八目」という言葉がありますが、まさにそれです。

 縦連など物理的に無理がある配置を押すためには素早い動きができることが不可欠です。そのような配置を押せるようにするためには幾つか方法がありますが、まずは力の入れ方を変えてみましょう。例えば縦連を押す時は指で押すというより、腕ごと震わせるイメージの方が押しやすいです。座高も力の入れ方に大きく影響します。座高が高い方が縦連は押しやすいですが、エイムが悪くなりやすいので相談が必要です。そんな感じで、力の入れ方や環境などを試行錯誤して、一番押しやすいコンディションをまずは探しましょう。

 それでも追いつかないなら、あとは地道な腕力の向上しかありません。こればっかりはその配置が押せるように腕や指を鍛える必要があります。オススメなのはやはり筋トレです。指は前腕の筋肉が動かしているので、前腕の筋肉を鍛えるといいと思います。手軽なのはグーパーグーパーって何回も高速で繰り返すやつですね。慣れてないと100回ぐらいで前腕がパンパンになります。結構効きますよ。縦連対策に限らず、指押しなどにも前腕の筋肉は使うので、鍛えて恩恵しかないです。鍛えましょう。

 ちなみにグーパー法は前腕の筋肉の中でも浅指屈筋という部分によく効きます。もし前腕全体の筋肉をバランス良く鍛えたいなら、ダンベルを使ったトレーニングをオススメします。こちらも腕の回転などに使う筋肉が鍛えられて、AC音ゲーなどでは恩恵が多いと思いますよ。

 もちろん、筋肉だけあるのもダメです。ちゃんとその筋力を実践で使えるように、音ゲーを普段からプレイして腕を慣らす必要もあります。結局回数と慣れと筋肉かよ…って思う人もいるかもしれませんが、どうすればできるようになるか知らずに闇雲にプレイし続けるよりかは、先程のようなことを意識してプレイした方が何倍も成長につながると思います。

◯もう一つの縦連の「難しさ」

 縦連は押し方を覚えて筋肉をつければ対策は万全かと言われるとそうではなく、実はまだ大きな落とし穴が残されています。これも具体例を示しましょう。

例の縦連

 マシンガンポエムドール(Expert)の終盤では、BPM220の16分という超高速の縦連が降ってきます。なんだこれも早いだけじゃないか、と思うかもしれませんが、この譜面を触ったことがある人はこのような経験をしたことがあるかもしれません。

「ちゃんとトリルで取ったのに、ノーツが抜けた」

 これ、プロセカの縦連では結構あるあるの事例なんですよね。以下ではその「縦連中の謎のノーツ抜け」の原因と対策について説明していきます。

・原因① 認識しにくいという縦連の性質によるミス

 縦連はそもそも認識がしにくいです。え、ただの縦連なんだから認識も何も普通にトリルで取れば通るじゃないかだって?実は、全くその通りというわけにはいきません。なぜならただの縦連というのはトリルとは違って、軸が分かりにくいという大きな難点があるからです。

 「軸」ってそもそも何…って人もいると思うので、ここで説明しておきましょう。たとえば同じくマシンガンポエムドール赤の前半にあるこのトリル。

絵に描いたような「トリル」

 う〜ん、実にトリルですね。ここで、このトリルを右側左側で分けてみましょう。

右左で分ける

 このとき、曲の8分音符のリズムを右側で、8分裏拍のリズムは左側で捌いていますね。トリルの「軸」というのは、トリルしている時に8分音符のリズムを叩いている方のことを指します。つまりこのトリルの軸は、右ということになりますね。

激唱(Expert)

 激唱Expertのサビもこれを見ると、前半は右側が軸で、後半は左側が軸となっていますね。前半と後半で軸が入れ替わっているのに気付かないと、ミスやグレ以下が多発して大変なことになってしまいます。

 このように普通のトリルでは「軸」という概念があり、この軸が叩くタイミングの大きな目安となっているので、トリルは捌きやすいんです。

 さてこれを踏まえた上で、先程のマシンガンポエムドールの縦連の軸を探し出してみましょう!どーん!

軸なんてなかった

無理ですね。

 ということからわかる通り、縦連には軸がありません。ということは、リズムの目安になるものがない状態で、この16分を裁かなければいけないわけです。そうなると、途中で叩くタイミングにズレが生じたり、叩く速さが変わったりして、ミスが発生します。しかも縦連なのでどこでミスったのかもひと目見ただけではわかりにくいです。厄介ですね。

 これを防ぐためには、軸を自分で作るという手法がとても有効です。しかしトリルにあるような「見た目でわかる軸」は存在しないので、自分の感覚内で軸を作らなくてはいけません。具体的に言うと、連打をしている時に8分音符を同じ手で叩くことを常に意識してみましょう。こうすることで見た目では精度の支えになるものがなくても、曲の8分音符というリズム自体を精度の支えにすることができ、安定して正しいタイミングで連打することができます。

・原因② タップの判定が前のタップに吸われている

 これは主に小さい端末だと起きやすい事例なのですが、指の位置がかなり近い時に、一方の指が画面についている状態でもう一方の指でタップすると、もう押している箇所を叩いたとみなされてタップが反応しないということが起きます。

作:T

 このパターンは「片方の指が画面についている時にもう片方の指が画面につく」というのが条件なので、高BPMの縦連では頻発します。先程挙げたマシンガンポエムドールExpertの縦連がまさにそうです。また、初音ミクの消失Masterのサビ前をトリルで取ろうとした時も同じ問題に直面すると思います。

 このパターンのノーツ抜けを防ぐために意識できることが2つあります。1つは指の位置をある程度遠ざけること。同じ場所を押したというふうに判定されにくくしましょう。2つ目はタップしたらなるべく早く指を離すようにすること。2つの指がどちらも画面についているという状態を極力避けましょう。この2つの意識をすることで、この類のミスは劇的に減るはずです。

 (この原因②に起因するかは不明ですが、体感と経験上では縦連は遅めのタイミングで叩くと抜けが発生しやすいというイメージがあります。もしこの2つを実践しても縦連が抜けるといった場合は、全体的に叩くタイミングを早くしてみるといいかもしれません。)

◯置きプレイなら「指押し」を有効活用

 今のみなさんのプレイスタイルが親指か置きプレイかは分かりませんが、この2つのプレイスタイルの間にある明確な違いとして、「指押し」ができるかできないかというのがあります。もし貴方が置きプレイ派なら、指押しを用いることでより有利にプレイすることができます。

 といっても、実はプロセカで指押しを用いるか用いないかというのは結構好き嫌いが分かれてるかなって思っています。現に私自身、よっぽど2本じゃきつい配置じゃない限りは全て2本指でやるように意識しています。なぜかというと、自分は端末が小さいこともあって、プロセカで指押しすると無反応が出やすいからです。自身の音ゲー環境とも照らし合わせて、指押しを活用するかしないかを決めるのがよいでしょう。

 それでは指押しを活用するという体で、どういう場面で指押しが役立つのか具体例を示して解説していきます。まず最初はこちらの場面です。

どうやったら追いつくんだよシリーズ

 連打の終点に同時押しがあるパターン。特にスピードの速い曲だと2連が間に合わなくて同時押しでグレが出たりミスしたりすることが多々あると思います。しかしその2連の部分を指押しすれば、変に力を入れる必要なくスムーズにこのような配置を取ることができます。この指押しの使い方は僕もよくやっています。そしてもう一つ、指押しを使った方がいい場面があります。

二本指でさせる気ないだろシリーズ

 乱打です。こればっかりはどうしようもないです。BPMが遅い乱打なら二本指でも全然追いつくんですけど、ヒバナとかマシンガンポエムドールみたいな高BPMの乱打はもう指押し使わないと不可能に近いです。このような譜面でFCやAPを狙う場合、もはや指押しのスキルはほぼ必須になると言ってもいいでしょう。

 基本的には高難易度になればなるほど指押しのスキルが必要になると思っておいた方がいいです。2本指でもある程度の領域までは行くことができますが、限界の領域に行くのは指押しというツールなしではとても無理であるということは把握しておいた方がいいでしょう。他の音ゲーで例えるなら、北斗運指だけで皆伝を目指しているようなものです。できないことはないですが、限りなく時間と労力はかかります。

 指押しのスキルを伸ばしたいなら、とにかく指を独立させる練習をしてください。例えばピアノなんかはとっても優秀ですね。ピアノを習っていた人は音ゲーが上手い傾向にあるというのは、恐らく元から指が独立しているから音ゲーが上手くなりやすいということが理由の一つでしょう。鍵盤タイプの音ゲーに手を出してみるのもオススメです。OverlapidやMUSYNX、タクミキュービック、Kalpaなど、鍵盤タイプの高クオリティースマホ音ゲーは実にたくさんあります。曲もいいものが沢山あるので、僕としてはぜひ色んな音ゲーに手を出してみて欲しいです!

◯その他気をつけるべきタップの配置たち

・トリル
 基礎的な操作なのですが、トリルができない!といった人も多くいますし、トリルは音ゲーがある程度できるようになってきた時にぶち当たりやすい壁の一つでもあります。ここではトリルを取る際のコツについて簡単に説明しますね。まず最初に言っておきますが、トリルのノーツを一つひとつしっかり見て押している人はほとんどいません。トリルを取る際にはなるべくアバウトに、何個かのノーツを一個の塊として見るといった認識法が一般的です。以下でもう少しわかりやすく説明しますね。

トリルの認識の仕方

 曲の最小単位である「1小節」を強く意識します(ここで説明すると長くなるので、分からない人はググってください)。たとえば殆どの曲に採用されている4拍子の曲の場合、1/4小節の間に何個ノーツがあるかというのを意識するといいです。16分トリルなら4個、12分トリルなら3個、24分トリルなら6個入ります。このように、四分音符の間に何回だけ叩くかというのを意識することで、叩く数が多かったとか少なかったとかいうことがなくなるわけですね。

 ただ初音ミクの激唱のExpertのように連打が必要以上に長いと、どこで区切ればいいか分からなくなることもあると思います。そのような時は上で既に紹介した「軸」の考え方を使います。片側が常に八分音符と強く意識することで、ブレなく正確なリズムで叩けるようになりますよ!

・隣接同色同時押し
 ただの同時押しなんです。そう、ただの同時押しなんですけど、例えばノーツの降るスピードを早めに設定してると、隣接した同じ色のタップの同時押しが1つのノーツに見えてしまって、勘違いでミスるといった事態がとっても多発するんですよね。自分は未だに頻繁にやらかします。対策としては、

・ノーツスピードを遅くする
・どこで隣接同時押しが来るか覚えておく

ぐらいしかないかな〜と思います。幽霊東京とか夜に駆けるとか、アイディスマイルとか、この配置で悪名高い曲もいくつかあるので、印象に残しておくといいかもです。もうちょっと視認性良くしてくれないかなぁ...

 以上がタップについて述べたかった点です。縦連と指押しという二大巨頭について意識していることはざっと書き終わったかな〜って思います。次はプロセカのスライドについてです!


◎スライドは仕様を理解してサボり尽くす

 スライドノーツが抜けてお困りの人もとても多いと思います。特にスライドが細かったりウネウネ動きまくったり、変な重なり方をしている譜面は誰しもが抜けるのを恐れながらプレイしていることでしょう。しかしスライドの仕様を正しく理解することによって、スライド抜けをかなり抑えることができます。僕から言わせて貰えば、スライドは見出しにもある通り、いかにサボるかゲーです。そんなわけでまずはスライドの仕様について解説していきます。

◯スライドの仕様

 スライドノーツがタップやフリックと大きく違う点は、「押しっぱなしにする」という要素がある点にあります。しかし、スライドノーツの仕様について掘り下げると、実はスライドは「押しっぱなし」じゃなくても大丈夫だということがわかります。簡単にスライドの仕様をまとめた画像を用意しました。

スライドの(偉大なる)仕様

 スライドは一言で言うと「中継点」の集まりです。スライドは指を離したら即アウトというわけではなく、スライド中にいくつもの「中継点」があり、その「中継点」が判定ラインを通過するときに指がスライドを取っていればOKとみなす、というような仕様になっています。

 スライドの中継点には2つ種類があり、「見えない中継点」と「見える中継点」があります。「見えない中継点」はスライド始点から1/8拍ずつ配置されています。つまりプロセカのほとんどのスライドは、8分音符のリズムでタッタッタッって押すだけで通ってしまうのですね。もう一つの中継点が、「見える中継点」です。スライドの途中に小さい点みたいなものが置いてあることがありますよね。あれです。この中継点は曲のリズムに合わせて降ってきますが、もちろんその時にスライドを取っていないとミスになります。気をつけましょう。

 またスライドでミスやグレが頻発しやすいポイントとして、終点が挙げられます。そもそもタイミングよく指を離すという操作に慣れが必要なうえに、指を離す時は終点ノーツの上でなければいけません。特にこれを意識しなければいけないのは例えばこういう配置。

怖すぎる配置

 マシュマリーの最後の最後にあるこのスライドですが、横方向に加速した後に狭い終点ノーツの範囲で指を離さなければいけません。指を離す位置を特別意識しないと、位置にズレが発生してすぐにグレやミスが出てしまいます。とはいっても、実はこのような配置を安定してPerfectで捌けるようになる裏技もあるんですよね。そろそろスライドの仕様を皆さんある程度理解できたと思うので、その仕様を活用したスライドの「裏技」について説明していきます。

◯中継点がないなら無視してしまえ

 スライドの中継点が判定ラインを過ぎるときにスライドを取っていないともちろんミスが出るのですが、逆に言えば「中継点」がない間はスライドから指を離しても全く問題ありません。そのため賢くスライドをサボることで、本来忙しい箇所ですら全く指を動かさずとも取れてしまうということがあります。

一見ヤバそうなスライドたち

 Brand New Day、再生、脱法ロックのスライドをこちらにご用意しました。どれも指定通りに動かしたら忙しくてたまらない配置ですが、これらのスライドの中継点以外を全て消すと下のようになります。

中継点だけ残してみた

 スライドのほとんどが消えましたね。そう、実はこの画像でほんのちょびっとだけ残っている部分さえ取れていれば、これらのスライドは取れている扱いになってしまうのです。だからわざわざ指定通りに指を動かさなくても、

横移動なんていらなかった

 このように、全く横に指をスライドすることなく、ただ押してタイミングよく離すだけでこいつらは取れてしまうのですね。中継点の仕様を利用することで、上のような一見難しそうなスライドもごく簡単な操作で取れてしまうことがあります。ここサボれそうだなって思ったら積極的にサボっていきましょう!

◯絨毯も有効だが注意が必要

 また中継点の仕様を利用したもう一つのスライドのサボり方として、「絨毯」があります。指を何本も画面につけることで、複雑な形のスライドを全く指を動かさずに取るテクニックですね。ここでも一例を紹介します。

絨毯の一例

 上の配置はいずれも一本指だと難しい配置ですが、複数の指で押さえ続けることによって全く横移動をしなくても取ることができてしまいます。あとは先ほど載せたマシュマリーのスライドも、真ん中と端っこを押して絨毯することで、終点で離す位置がズレるということもなく安全に取ることができます。まさに革命級のワザなのですが、実は絨毯をするにあたってスライドのとある仕様に少し気をつけないとミスが起きる場合があります。それは、重なっているスライドはちゃんと2本の指で取らないといけないという仕様です。上の画像でもスライドが重なっている部分は2本で処理しているのを確認できると思います。ちなみにトンデモワンダーズの序盤のスライドなどはこの仕様により絨毯が困難です。

トンデモないスライド

 トンデモの難所については一応真ん中のように絨毯もできなくはないですが、位置がかなりシビアなのでおすすめはしません。右のように、◯になっている部分を二本指でなぞるようにして取ると上手く通ると思います。絨毯が効かない時は、どこでスライドが重なっているかということを強く意識してみましょう。

◯その他特殊なスライドたち

 以上でスライドの仕様と主な意識する点については全て解説し終わったのですが、ここまでの情報を把握していても安定しない変わり者のスライドも中には存在します。そんな厄介な異端種たちの例がこちら。

なんだこのスライドは!!

※以下、筆者の個人的な予想及び考察の割合が多くなりますので、できれば鵜呑みにせず参考意見程度で読んでください。

 こいつらは、誰しもに抜けたりミスを連発した経験がある異端児スライドの代表格たちです。とはいっても、結局はスライドの基本的な仕様をもとにミスを考察して対策していけば、勝率を上げることができます。以下では、自分がした考察と講じた対策をご紹介します。

・初音天地開闢神話のスライド

 まず一番左の天地開闢中盤のスライドについてですが、こいつの終点フリック、めちゃくちゃ抜けやすいなって皆さん感じませんでしたか?自分はここの終点が余りにも抜けるので、なんでこんなに取れないんだろうと思い、原因を探るため試行錯誤を繰り返しました。そして得られた自分の予想はこの通りです。

初音天地開闢神話のスライド

 赤色は手前のスライド上、青色が奥のスライド上であるとします。手前のスライドからフリックの動作をしようとするタイミングが遅めだと、その動作を始めた時には既に奥のスライドが判定ラインを覆っています。すると、そのタイミングでフリックしても、奥のスライド上でただ指を動かしただけだと認識され、手前の終点フリックが見事に抜けてしまう...というメカニズムです。詳しいことは後ほど説明しますが、上手い人ほど終点フリックは遅め意識で取るという意識が根強いために、こうしたミスを出してしまう人が多いのではないか、というのが自分の考察です。

 対策は案外シンプルで、終点フリックを取る動作を始めるタイミングを早めにすることです。僕はこの終点フリックが来るタイミングの1/4拍前のタイミングで指を動かし始めるようにしています。もちろん早く指を動かし始める分、指が当たり判定外に出てしまうリスクも高まります。なるべく動きは遅めに、ゆっくりねっとりとスライドをなぞるイメージでやると通りやすいです。

・ぼうけんのしょ、ロミオとシンデレラのスライド

 上の画像の真ん中と右のスライドは、なかなか苦労した人も多いのではないのでしょうか。ぼうけんのしょの王将スライドの終点が全然通らない...と嘆いている人はよく見かけます。自分もその一人でした。ていうか、ついこの間までずっと嘆いてました。ようやく今回この記事を書くにあたって、終点が抜ける原因を探るために独自で実験をしましたので、その結果を元にした自分の考察をこれから紹介したいと思います。

 自分の予想ですが、これらのスライドの終点が抜けやすい諸悪の根源は、ズバリ直前のスライドが完全に重なっていることです。スライドが重なっていることと終点の無反応になんの関係があるのかと思う人もいるでしょうが、実はそこが今回の自分の考察のキモです。自分の実験データを元に話を進めていきます。

 まず自分がどのような実験を行ったかというと、王将スライドを二本指で取り、最後の終点を左だけ離す、という操作を何回も繰り返し行いました。このとき離すタイミングは意図的に若干早めにしてあります。左の終点だけ反応して、右の終点が抜けるという状況が理想ですが、果たして結果はどうだったのでしょうか。

 その結果は悩ましいものでした。左のスライド終点の反応した回数と無反応が起きた回数がほぼ半々になったのです。同じ操作をしているなら毎回同じようにノーツが反応するはずですが、そうならなかったのです。一体なぜなのでしょうか?自分の操作に若干ブレがあることも考慮しましたが、結論から言えば動きのブレはあまり関係ありませんでした。では、他にどのような原因が考えられるのでしょうか?その答えは以下の通りです。

便利なはずの仕様が、新しい問題を生む

 例えば、重なっているスライドを指一本だけで取ったとします。その時どちらのスライドを取っているかというのは決められるのでしょうか?答えはNOであるはずです。なぜなら、プロセカのスライドは持ち替え可能だからです。チュウニズムもスライドは持ち替え可能ですが、重なっている部分も一本指で取れるので無問題でした。しかしプロセカは、「重なっている部分は2本置かなければいけない」という仕様と、「スライドは持ち替え可能」という仕様を両立させてしまったが故に、「どっちのスライドを取っているかわからない」というシュレディンガーの猫のような状況が生まれてしまうのです。

 重なったスライドを2本指でちゃんと取った時も例外ではありません。どっちの指がどっちのスライドを取っているというのは決定されておらず、依然として「シュレディンガーの猫」が二つ重なっただけなのです。すると今度は、そんな状況で終点近くで指を離したら、スライド終点の判定はしっかり分配されるのだろうか?という疑問が生まれますね。お察しの方も多いと思いますが、しっかり分配されてたらこんなところで無反応なんて出ません。ここのスライド終点が抜ける原因は、直前で「シュレディンガーの猫」状態になっていることにより、当たり判定の分配がきちんとなされていないことにあります。分かりにくいと思うので、画像を用意しました。

図解:王将スライド

 まず王将スライドの最後の方のこの部分ですが、スライドが2つ重なっていますね。これを分解するとこんな感じになります。そしてこの部分を普通に二本指で押した時に何が起きるか見てみましょう。

王将スライド、実はこうなっていた

 このように、この配置には「終点がしっかり指の先にあるパターン」と、「終点が指の先にないパターン」の2つがありますが、この2つのどちらになるかは押している段階では決まっていません。離した瞬間、ランダムにこの2つのうちどちらか1つの処理をゲーム側が行うのですが、それにより勝率50%のスライドができてしまいますね。そう、まさにこれが先ほどの実験結果のメカニズムだったのです。

 中にはめちゃくちゃ理不尽だと感じる人もいるかもしれません。しかし、これがプロセカの仕様なので、しっかり対策して付き合っていく必要があります。このようなスライドを安定して取るための対策は主に3つあるので、順番に紹介しますね。

 1つ目の対策として、離すタイミングを遅くすることが挙げられます。先ほど述べた現象はあくまで離すタイミングが比較的早い場合に起こるものであり、タイミングが遅ければ既に終点ノーツが判定ラインに触れていてノーツが重なっていないので、正常に反応してくれます。スライド終点はそもそも遅めに判定が広くなっているので、これだけでも十分有効な策といえるでしょう。

 もし離すタイミングを意図的に遅くすることに恐怖心があるという人がいれば、終点で指を離す際に別の指で終点をタップするという手段もあります。終点をタイミングよくタップすることにより、先程のように早めに離して終点が反応しなかった場合にも、タップしたあとの指を離す動作で終点ノーツが反応して、ミスを防いでくれます。

 最後に挙げるのは、真ん中で指を離すという方法です。これは終点ノーツが隣接してる場合にしか使えませんが、離すタイミングを気にしなくても良いという点で優秀です。終点ノーツが隣接している境目に二本の指をどちらも持っていくことで、どのパターンで処理されても全ての終点ノーツが反応するという状態を作り出すことができ、安定して終点ノーツが反応してくれます。

 プロセカのスライドに関しての解説はこれにて終了です。当たり判定も終点の判定幅も緩いノーツですが、注意するべき部分もしっかりあることが理解できて貰えれば幸いです。次はいよいよプロセカ最大の難点であり、これまで数多くのプレイヤーを悩ませた諸悪の根源である、フリックノーツについて解説していきます。


◎フリックを制す者はプロセカを制す

 遂にフリックノーツについて述べる時が来ました。前に書いた記事でも言ってましたが、「フリックを制す者はプロセカを制す」は冗談でも言い過ぎでもなく、疑いようのない事実です。プロセカでAPを狙う際に出るGREATは大体このフリックノーツが元凶ですし、FC狙いであっても、手の動きを忙しくさせ、かつスライド終点になると当たり判定もシビアになるフリックノーツは大きな脅威として我々の前に立ちはだかります。そんな悩ましいこのフリックノーツについて、まずは仕様から説明していきたいと思います。

◯通常フリックノーツの仕様

 プロセカのフリックノーツには2種類ありますが、最初は通常のフリックノーツについて解説していきます。通常フリックノーツの当たり判定には順序があり、イメージとしては、タップノーツに指を動かす命令を付け足したような感じです。詳しく説明していきましょう。

 プロセカの通常フリックの仕様は、ガルパやLanota、デレステなどの他の音ゲーのフリックとはまた違う独特なものです。この独特な仕様がフリックノーツの難しさの大元であり、プロセカでのAPを困難にしている諸悪の根源です。他の音ゲーの名前を借りてプロセカのフリックの仕様を説明すると、「当たり判定はガルパ式、精度判定はLanota式」といったところでしょうか。

 当たり判定がガルパ式とはどういうことかというと、通常のタップの当たり判定にプラスして、フリックの当たり判定があるということです。要するに、先に指をつけた状態からフリックしてもフリックノーツは反応しないということですね。しっかり正しいタイミングでノーツをタップ→その時使った指をそのまま動かした、という場合にのみフリックが反応するのです。図にするとこんな感じ。

通常フリックノーツの仕様

 しかしPerfectなどの判定の仕様はガルパとは異なります。ガルパはフリックしたタイミングはあまり関係なく、タップしたタイミングで判定が決まります。プロセカは逆です。タップしたタイミングは判定とは関係がなく、フリックしたタイミングで判定が決まります。いくら正しいタイミングでノーツをタップしても、指を動かし始めるタイミングが遅いとGreatにされてしまうわけです。

 我々がタップしてからすぐにフリックの動作をしようとすると、どうあがいてもタップしたタイミングとフリックの動作をしたタイミングには若干の時間差ができます。なので、タップのタイミングを基準にフリックを取ってしまうと、遅Greatが多発する事態になってしまいます。それを防ぐためには、フリックを押すタイミングをかなり早めにするよう意識するか、指サックを用いるのがいいでしょう。

 また余談ですが、プロセカのフリックをする際の指を動かす距離はほんの僅かでも大丈夫なので、特に忙しい場面などでは指を動かす距離をかなり短くして動きに余裕を持たせるなどの工夫をするといいと思います。

 通常フリックノーツのコツや意識する点はまだありますが、ひとまずその前に終点フリックの解説をしておきましょう。

◯終点フリックノーツの仕様

 多くのプロセカ勢、特に皆伝などを狙っている段階の人が大きくつまずくポイントとして、この終点フリックが挙げられます。皆伝狙いの人はおろか、その独特な仕様のために大会出場者でさえも終点フリックに苦戦するぐらい癖のあるノーツですが、仕様を理解すれば、ミスの原因がわからない、考察できないといった事態を大幅に減らすことができるので、これもまたプレイ時に把握しておくべきポイントになります。

 スライド終点フリックは、まず終点直前のスライドを取っていることが反応の前提条件です。ただ、その前提条件の範囲は著しく狭く、普通に終点フリックを普通のフリックとしてみなしても取れてしまうことがあります(通常フリックよりは安定しないので非推奨)。この前提条件が満たされた状態で指が動くと、スライド終点が反応する、といった感じです。

 フリックの前提条件として認識されるスライドの範囲が狭い理由は簡単です。仮にその範囲が広かったと仮定すると、直前のスライドの操作をフリックが認識して早とちりしてしまい、早Greatが出るといった事態が多発してしまいます。それを防ぐために、こういった仕様になっているのですが、実はここにスライド終点フリックが抜ける原因が潜んでいるのです。

終点フリックでよくあるミス

 これは本当によくあるミスなのですが、指を動かし始めるタイミングが早すぎると、終点フリックが来た時には指先が判定ラインの上限を越えていたり、ノーツの横幅から外れていたりするので、ノーツが反応しないといったケースがあります。また、同じく指を動かし始めるのが早すぎるせいで、指先がノーツが反応する範囲を出ていなくても、動きが既に止まっているのでフリックが反応しないというケースもあります。いずれにせよ、スライド終点フリックが抜ける大元の原因は指を動かし始めるタイミングが早すぎることです。なので終点フリックがよく抜けるという方は、ノーツの幅に気を遣いつつ、指を動かし始めるタイミングを遅めにするだけで大幅に改善すると思います。

 ここまでがフリックの仕様についての解説でした。ここからはもう少し実践的な、タップやホールドなどと一緒にフリックが降ってきた場合に意識することについて解説していきます。

◯フリックは他のノーツといる時が怖い

 フリックノーツ単体なら早め意識で適当にシュッてやるだけで簡単に反応して光るのですが、フリックノーツはほとんどの場合単体ではなく他のノーツと一緒に降ってきます。そして、精度狙いの場合においてもフルコン狙いの場合においても、このような配置が一番厄介になってきます。まずは精度方面の話をしましょう。

・フリックはAPの天敵

 我々が精度狙いをしている、まあ具体的に言うとAPなんかを狙っている際にかなり厄介なのが、タップやホールド始点との同時押しとして降ってくるフリックです。理由は単純で、タップやホールド始点は適正タイミングで押せばしっかり光るのに対し、フリックはそれより早め意識じゃないと光らないので、同時押しなのにそれぞれのノーツの叩くべきタイミングに差が生まれてしまうからです。

 もちろんフリックだけ早め意識でなんて考えているとマトモに音ゲーができなくなってしまうので、フリックとタップが同時に降ってきたときは、どちらもPerfectになる絶妙なタイミングで取るようにするのが一般的です。以前僕が書いた記事から画像を引っ張ってきましたので、ご覧ください。

判定幅を可視化した図

 この画像の黄緑色の部分が、フリックの体感上のPerfect幅で、オレンジ色の部分がホールド始点(タップでもよい)のPerfect幅です。話は単純で、このような配置を同時押しの操作で光らせたい場合は、Perfect幅が重なっている赤色の範囲のタイミングで押せばいいということです。この赤色の判定幅に慣れているかどうかが、プロセカのPerfectが取れるか取れないかに大きく関わってきます。

 もちろんこの時、叩くタイミングは適正タイミングより若干早めでなければなりませんし、実質的な判定幅も41.66…msより幾分狭くなるので、光らせるのはかなり難しいです。僕が思うに、これがプロセカのAPを難しくしている諸悪の根源であり、このような配置をマスターできなければ、プロセカでAPを出すのは無理とは言いませんがかなり辛いであろうと思っています。こればっかりは慣れと感覚でどうにかする部分なので、回数を積んで努力しましょう。

・フリックはFCの天敵

 フルコンを狙う際にもフリックは我々にとって大きな脅威となります。腕の動きを忙しくするノーツというだけでも厄介なのですが、フリックには意識するべき特殊な仕様がまだあります。複数の指で同時に入力されている時、フリックはよりノーツの中心に近い方の指の操作を優先します。図を用いて説明しましょう。

フリックの厄介な仕様

 フリックした時に、図のように既に別の部分を指で押している際、もしその押している位置がフリックした位置よりもフリックの中心に近いと、フリックくんは中心に近い方の指の入力を優先するのでフリックしたとはみなさず、ミスになります。フリックしたのにミスが出た際はすぐに端末のせいにせず、別の指が触れていなかったか、どこでフリックしたかなどを意識してみるといいかもしれません。

 ちなみにスライドを押さえている指などがフリックに当たっている場合は、この仕様は適応されません。あくまでスライドを取っている時はその判定を優先しているということですね。なのでドンファイの休憩地帯などは一本指でスライドを取っていれば問題ないのですが、もし二本指でスライドを取っていると......

ドンファイ休憩地帯のスライドは1本で取ろう

 とまあこのように、フリックが抜けてしまう事態に陥るわけです。この部分をプレイする際には、スライド抜けを怖がるよりもフリック抜けを気にしたほうが良さそうですね。

 この仕様、縦連の終わりなどにフリックがある際には猛威をふるいます。特にこの仕様による脱落者が多いのが、チルドレンレコードのラストです。

チルレコのラスト

 この配置はヤバいです。BPM210の16分縦連でフリック直前のタップがど真ん中2レーンなので、直前のタップをめちゃくちゃ早く離さないと直後のフリックがどこをフリックしてもミスになってしまう状態になってしまいます。このフリック、この曲の一番最後のノーツなので、最後のノーツでミスが出てフルコンやAPを逃がすケースが非常に多いです。チルレコでFCやAP狙ってる人がいたら、本当に気をつけてくださいね...

※ちなみにスライド編では解説しませんでしたが、実はスライド終点にもこれとほぼ同じような仕様があります。スライド終点を二本指で押している時、終点の中心に近い方の指の操作を優先するということです。余裕があれば念頭に入れておいて下さいね。

◯フリックは向きにも注意しよう

 他にも忘れてはならない仕様として、フリックには向きがあるということが挙げられます。フリックの向きの種類について簡単にまとめたので、ご覧ください。

フリックの種類ごとのPerfect判定のある方向

 注意しなければならないのは、斜めフリックは横成分の反対方向と下方向にフリックするとGreatになるという点です。そもそも見た目通りにフリックしていればあまり気にしなくてもいいのでは、という人もいるとは思いますが、目ではわかっていても反対方向にフリックしてしまいがちな配置や、そもそも向きが認識しづらいといった厄介な配置もあり、それらが降ってくるとこの仕様は大きな脅威となります。具体例がこちら。

みんな嫌いなあの配置

 見る人が見たらグロ画像ですね。これらは普通に認識して取ったらかなりミスやGreatが出やすい部分です。かなりの音ゲーマーが苦戦したであろうこれらの配置ですが、実はコツをおさえることで比較的安定して取ることができちゃいます。具体的なミスのパターンと解決法について、左から順に解説していきましょう。

・モア!ジャンプ!モア!のスライド終点フリック

 モアジャンの「モアモアジャンプ!」って掛け声のところですが、このフリックにめちゃくちゃ癖があって、できない時はとことんできないと思います。原因は言うまでもなく、直前のスライドの移動方向がフリックの入力方向と真逆なためです。スライドをその通りに取っていると、フリック直前では右から左に指が移動することになりますが、フリックがそれを自分に対しての入力と勘違いして、真逆の方向への入力と捉えてグレを出すといった感じですね。

 これを防ぐための対策は主に2つです。一つは、中継点の仕様を利用して、絨毯してしまう方法です。スライドを全部絨毯してそのまま上にフリックすれば、入力の横方向の成分がなくなるので安定して光ります。二つ目は、ノーツの当たり判定幅を利用して、横移動をなくす方法です。これは図を用いて説明します。

モアジャンのスライドを工夫しよう

 左は普通に取った場合ですが、フリック直前でフリックの向きと逆方向に指が動いているので危険です。しかし右のようにスライドを取ることで、フリック直前での指の動きがなくなるので、フリックでGreatが出るリスクが大幅に減少します。この取り方、かなり安定するので個人的にオススメです。是非やってみてください!

・ドクターファンクビート、テオetc.のフリック

 こいつらはもう見た目じゃどうすればいいか分からないって点でかなり脅威なフリックですね。こいつらをその場で見切って取ることなどほぼ不可能なので、基本的には特殊なアプローチを講じる必要があります。これも主に2つの対策が考えられますね。順番に説明していきます。

 一つ目の対策ですが、これは自分もやっている対策で、「フリックする向きを統一する」という方法です。具体的には、全てのフリックは上入力で光るので、全て上に捌くことで向きへの意識をなくす、といった感じです。多少逆側に指が行っちゃっても、上成分の方が多ければしっかり光ってくれるので、このやり方は個人的にかなり有用です。しかし、一部の人にこの方法が受け入れられていないという現実もあります。その主な理由は僕が思うに、左右のフリックと上下フリックでは操作の性質が違うからであると思います。ここで少し解剖学のお話が入ります。

肩関節のしくみ

 これは肩関節の動かし方の種類をまとめた図なのですが、通常音ゲーのフリックというのは左右に振ることが多いので、上の図で言う外旋、内旋の動きになります。この動きはほとんどの音ゲーで要求されるので、音ゲーマーにとっては馴染み深い動きでしょう。しかし、プロセカの上フリックやWACCAの上フリックなど、一部の音ゲーでは「奥に腕を動かす」という操作が要求されることがあります。この時、我々は普段慣れ親しんだ外旋、内旋の動きではなく、慣れていない屈曲、伸展の動きをさせられることになってしまいます。これが、プロセカのフリックで上方向に入力することに抵抗がある人が多い理由です。

 では、屈曲や伸展に慣れていない人はフリックを全て上側入力で捌く方法を使えないのかというと、実はそうでもありません。あくまで上フリックが屈曲や伸展の動きになるというのは、上フリックが垂直な向きであるからであって、これを逆手に取ると、上フリックが水平になるように腕を配置すれば、慣れ親しんだ外旋、内旋の動きで取れるようになるということになります。図で示すとこんな感じ。

腕の向きによって関節の使い方は変わる

 もちろんこれは横に十分なスペースがないとできない操作ですし、腕の動きが多くなる分疲れや忙しさも増すので、結局全部上方向にフリックするのはキツいなって思う人はそこそこいると思います。そのような人は二つ目の対策である、「フリックの向きを全て覚える」をする必要があります。対策というか、これはもう最終手段ですね。フリックの向きを全て覚えれば、単純な横方向フリックで全部光らせることができますが、くれぐれも向きの勘違いやケアレスミスには気をつけましょう。

 フリックの解説は以上になります。プロセカのAPを狙う上ではかなり脅威となるノーツですが、知識で殴るというよりかは慣れと経験で培ったスキルで殴るノーツなのかなって思うので、何回もプレイして感覚を掴んでいきましょう!


◎その他注意すべきこと

◯判定調整や精度関連で意識すること

 そもそも精度ってどうやって良くすればいいんだよ!って人はかなりいるんじゃないかな〜って思うので、ここでは簡単に精度の取り方について触れておこうと思います。といってもあくまで簡単になので、詳しい話は別の記事に丸投げします。ごめんなさい。

 精度の取り方には手段が何個かあって、「曲に合わせて叩く」「曲と叩いた音を合わせる」「目で見て押す(目押し)」といったものがあります。どれか一つを採用しているといったことはなく、大体の音ゲーマーは、その割合は違えどこの3つの手段を融合して独自の精度の取り方を確立しています。自分はある程度目押しの割合が大きいですね。目押しの割合が大きいと、基本的には目線は中心〜ちょい下になります。逆に曲を聴いて精度を取る人は、目線は上になりがちです。ここも自身のスタイルに合わせて調整していく必要があります。

 ここらへんの詳しい話はわかりやすく書いてくれてる記事があるので、そのリンクだけ貼っておしまいにしちゃいます。時間あったら読んでください。絶対に損はしないと思います!

 ちなみにSEのありなしも精度の取り方によって変わってきます。自分は叩いた時の音(打音)と曲を合わせる方式にしているので、SEはかえって邪魔なので切っています。もちろんそうじゃない人はSEをつけた方がやりやすいということも多いです。これも自分に合ったやり方を探してくださいね。

 もう一つ精度に関して言うなら、「判定調整」について話しておきましょうか。精度の取り方によって叩くタイミングって変わっちゃうので、判定調整の値もそれによって個人差が出ます。SEありの人は0〜+2の場合が多いですね。逆に自分みたいな打音基準でSEなしの人だと、ほとんどが-2〜-3になっています。参考にしてみてくださいね。

 また、これはプロセカだけの話なのですが、プロセカは音ゲーの判定が著しく不安定です。アップデートやメンテナンスの前後で判定が変わるといったことが頻繁に起きます。しかもそのずれ具合は判定調整で調節できる幅より小さいことが多く、自身の感覚を変える以外に対策がないことが現状です。判定の細かいズレに対処しなければならない場合があることも考慮に入れましょう。

◯チーターに注意!!見分け方と対策

 プロセカはチーターめっちゃたくさんいます。意外に思う人もいるかもしれませんが、まず初音ミクの消失MASTERのAPが1500人超えてるわけがないんですよね。長い間音ゲー界隈を見てきて、ランカーにも数人知り合いがいる上に自身でも消失フルコンしてるので言わせてもらいますが、消失の自力でのAPは150人も超えていないと個人的に思っています。だからまあ少なく見積もっても2000人ぐらいはチーターがいます。

 「プロセカ チート」で検索すると簡単にヒットしちゃうのでもう名前とかは隠しませんが、現在流通しているプロセカのチートは「icry4u」という人が提供しているAndroid用のものがメジャーです。このツールの1番許せない点はチートツールに広告を仕込んでその広告費で稼いでいる点なのですが、それはともかく、このチートの最大の特徴は、「自動AP中にタップしたノーツをグレさせることができる」という点にあります。もちろんこの設定はオフにできるので、嘘の手元も簡単に撮れるわけです。悪意の塊ですね。

 そんな生きる価値のないチーターどもをどう見分けてどう糾弾するかをこれからまとめていきます!

①プロフィールを確認!
 ランクマとかで誰がチーターかどうかを見るなら、ランキングなどからプロフィールを覗くのがいいでしょう。特に見るべきはランクです。ランクが40以下でマスター帯にいるようなら100%チーターでしょう。

 また、名前に「サブ」とついていたり、一言欄に「サブ垢です」とか書いていた場合も100%チーターです。まず運営はサブ垢の作成を認めていません。規約違反です。チート目的じゃなくても控えましょう。

②プレイ中やリザルトに不自然がないか確認しよう!
 自動APをオンにしたままプレイ開始すると、最初にノーツが来ていないのにコンボが加算されることがあります。プレイ開始してすぐに1〜2コンボついてる人がいたらチーターです。蹴りましょう。

 また、リザルトで表示される全ノーツ数が通常より少ない場合があります。これはバグなどではありえない挙動で、確実にチーターです。斬りましょう。

 ちなみに「プレイ開始時に読み込みゲージが50%で止まる」などの現象はチーターじゃなくても普通に起きるので、これらでチーター認定するのは不可能です。

③手元を要求しよう!
 QAPや大会などのイベントで怪しい人がいたなら、手元動画を要求してみましょう。その反応によって対応は変わります。

・手元動画も画面収録も拒否
 お話になりません。いかなる理由があっても即座に切りましょう。QAPやイベントなどに参加する資格はありません。

・画面収録のみOK
 まだ救いがあります。このような場合にはTwitterアカウントなど本人が確認できる情報と、録画をしている日付時間をまず表示してもらって、その後にノーカットでプロセカを起動してもらい、続けて同じ譜面をAP継続表示ONで2回やってもらいましょう。1回目はなるべくAPかそれに近いリザルト、2回目はなるべくmiss〜greatをまんべんなく出すように指示してください。打音も聞けるよう、収録時のマイクはなるべくオンにしてもらいましょう。

・どっちもOK
 撮ってもらう内容は上と変わりませんが、手元動画があると打音や指の動きと実際のプレイ画面を照らし合わせられるので、かなり信頼度は高くなります。嘘手元の可能性もあるので、手元の詳細な確認は怠らないようにしましょう。自分はそれでQAPを1つ消されました。

◆勘違いして欲しくないこと

どのツールにも脆弱性はある

 現在、上の画像で例に挙げたチート以外にもさまざまなものが出回っています。iPhoneなどでもPCなどを用いてRoot化やエミュレーターなどの手段を講じればチートは簡単にできます。Androidだから、Appleだからなどと端末でチーターかどうか判断するのはやめましょう。そして正しい手段を用いて見分けましょう。

 以上がチートの現状と、その対策法や見分け方についてでした。大会やQAPなどではチーター1人いるだけで全てがおじゃんになるので、警戒を怠らないようにしましょう。疑いすぎないのも、疑いすぎるのもNGです。正しい情報をもとに正しく対処して、平和に楽しくイベントなどを盛り上げていきましょう!



◎さいごに

 ここからは少し全体的なお話になります。まず、人間の脳って右脳と左脳に分かれてるのは結構な人がご存知だと思います。右脳がイメージや印象などを司る器官で、左脳が計算やロジックなどを司る器官ですね。今回の記事で書いたことは、ほぼ全てが左脳側で意識することになっています。絵で例えるなら、アタリはこう取るといいよとか、目の描き方10選解説!みたいな感じであって、本人の感覚に委ねられる右脳側の部分の話はあまり書いていません。ていうか、個々人のイメージに関わる部分って言語で解説するのがすごい難しいです。そういう意味では現代は左脳主義とも言えそうですね。

イメージや身体感覚は右脳が担っている

 そんなわけで、具体的なリズムの把握やパターンの認識方法など個々人の感覚によって大きく左右する右脳側の部分は深入りしません。そこらへんは本当に何ヶ月も何年も継続してやっていって培う部分であって、音ゲーは回数を積めとよく言われる理由はここにあると僕は思っています。自分に合ったイメージや感覚を試行回数を積んで確立することが、音ゲーが上手くなることの本質であると自分は思います。じゃあ正解はないじゃないか!ってことにもなるんですが、この記事で書いた内容はあくまで「プロセカにおける感覚の確立を手助けする促進剤」であって、腕前の向上自体はあなた自身の手と脳に全てかかっているわけです。上手くなりたいなら努力しましょう。

 まあ、それ以前に僕は音ゲーというコンテンツを楽しんでほしいと思いますね。その方向は人それぞれです。自分は難しい曲を詰めるのも、さまざまな曲や操作に触れるのも、運営のおふざけに付き合うのも、はたまた純粋にリズムを楽しむのも、みんな音ゲーの魅力だと思っていますし、全力で楽しんでます。あなたなりのやり方で音ゲーを楽しんでみてください!





ここまで読んでくれてありがとうございました!

※査読してくれた人たち、どうもありがとうございました!!最大限の感謝!!
 そして、もしこの記事に嘘があるぞ!って気付いた人がいましたら、僕のTwitterのDMに御一報ください。事実関係を確認次第、早急に修正します!
@T_main_1226

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