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学問や教育や知識にはお金を使いましょう。

最近の報道とはそんなに関係ないことを書こうとしているこーぞーです。

日本学術会議の任命拒否の件で,いろいろな意見を目にします。その中で思うところがあるので投稿します。何が言いたいかって言うとタイトルです。件(くだん)のニュースについてはおおよそ語っていません(笑)

日本の教育に対する財政支出はどれくらいか

まず,日本政府は教育にどれだけ支出しているかと言う話から。少ないってよく言いますよね。
有名な話ではあると思いますが,最新版がわりと最近出ましたので,データを見てみます。気になったことを突っ込んでみました。

いろいろな図表がありますが,まず,GDPに占める支出の割合の図表で見てみます。
上のリンクでは2枚目のグラフです。

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日本は合計で4.0%です。OECD平均は4.9%です。日本は小中高(青いグラフ)が低めですね。

これ,少子化の影響もありそうです。
ということで次のグラフ「児童・生徒,学生一人当たりの年間教育支出」です。

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青いグラフ(公財政教育支出,国がどれだけ金を出すかってことですね)を見ると,日本は平均を下回っています。グレーのグラフ(家計からの教育支出)は比較的割合が大きくなっていますね。1人あたりならどうかと思ったけど,公財政教育支出はやはり少なかった。
ヨーロッパ(特に北欧?)はやはり,教育は国がお金を出すって感じです。

ただし,日本では2020年4月1日から私立高等学校授業料の実質無償化とか,高等教育の修学支援新制度が実施されているんで,2020年以降はもっと公財政教育支出は増えるんじゃないかって言われています。この点はいいことです。
教育の家計の負担はどんどん減ってほしいですね。

1クラスあたりの児童生徒数

さて,日本は学校の1クラスあたりの児童生徒の人数が多いと言われています。これも数字を見てみます。さっきのリンクの次のページです。

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日本は,小学校(青い棒グラフ)と中学校(ひし形)共に多い。どっちも2位になりますか。多いですねえ…

小学校に着目してみますが,近くにイギリスがあります。ここでグラフを関連付けて,ちょっと比較して見てみます。日本を赤,イギリス(英国)を青で囲んでみました。

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イギリスは,GDP比で言うと,国が教育にかなりの支出をしています。
児童・生徒,学生1人あたりの支出は,イギリスがちょっと多いくらい?の似たようなものに見えますが,明らかに違うのは中学校の1人あたりの生徒数ですね。

これ,多分イギリスは先生が多いんですかね。

と思って調べてみたら,ほんとにそうでした。
以下はググったら出てきた東京都議会のPDFです。

9ページ目の「HARROU SCHOOL ハロウスクール訪問」より引用します。
このハロウスクールは13~18歳の生徒が通うそうなので,日本の中学~高校に相当するんでしょう。

教師と生徒の割合は1対 8.5 人で、1クラスも平均 14 人の少人数である。授業では、1人ひとりに意見を言わせ、各人にあった宿題を出すなど、それぞれの生徒の興味や気質、能力に合わせた、多方面にわたる全人教育を目指している。

1クラス平均14人!?

羨ましいなあ…

さて,以上を踏まえて…るかどうかわかりませんけど,結論を述べます。

結論1…学校の先生は是非増やしてください。

日本で学校の授業料等が無償化になるとどんないいことが起きるでしょうか。

多分なんですけど,多少の景気対策にはなるんじゃないかと思ってます。それは,家計の負担が減るからです。

一方,先生を増やさないと先生が楽になりません。
言い換えると,家計を楽にしても,学校教育の質が向上するわけではないってことです。

「少子化だから先生そんなにいらないでしょ」とか言って先生を減らすのは違います。1クラスあたりの児童・生徒の人数からして,もっと先生は多くたっていいはずです。その方が教育の質は上がりますし,ひいては児童生徒のためになります。
いつだったかも同じこと書いてたんですけど,国は予算を充てて,学校の先生は是非もっと増やしてください。

結論2…学問とか教育にはお金をかけてください。

(日本学術会議の件は局所的な話なのでちょっと置いといて)最近twitterを眺めていると,どうも一般的な学問とか教育とか知識を軽視するような人がいるように感じるんですよね。おかしさを感じずにはいられません。

とりあえず言いたいのは,学問や教育というのは大切なものだってことです。そして,そこには金をかけてもらいたいと思っています。

私は,以前は中学校に勤めていましたが,学校には売り上げがありません。何をしても学校の収入が増えるということは基本的にありません。減りもしませんけど(私立の学校なら違う考え方なんですかね)。
けど,学校とはお金が必要なところです。そして,学校自身ではお金を増やせません。だから,学問とか教育とかそういう所には税金を惜しみなく出してもらいたいです。

大学とかでも,何かを調査するとか研究するとか実験するってお金がかかるじゃないですか。たった1つの知識を得るのに,広範囲で長期間の調査とか,高級な薬品をじゃぶじゃぶ使う実験とかが必要かもしれません。そういうところで惜しみなくお金が使えれば,妥当性の高い,価値の高い研究結果が出せるというものです。

教育はその場ではお金を生み出すことはだいたいないですけど,教育を施される人を大切にするというのは,将来への投資のようなものですから。育った人が利益を生み出せるようになるかもしれません。

ほら,小学生が読書するとプラスになるって言ってますよ。

余談

こーぞーは修士論文を書いたことがあるんですけど,あれっぽっちの修論を書くのに2年間と約200万(学費)がかかりました。

さらには,研究のための調査で,予備調査の質問紙4ページを300弱,本調査の質問紙5ページを多分700部くらい撒いてますから,その印刷代や紙代,いくらくらいかかってるんですかね。A4用紙で言うと2500枚を両面印刷したくらい
ほかにも,学会行ったら参加費と交通費と宿泊費で1回云万円ですし。

それだけやって得られた知識というのが,ざっくり言うと
「進路選択において,やりたいことっていうのはそこまで重要なものではない」
ということです(かなりざっくり言ってますけど)。

「研究っていうのは金がかかるんだ」って学部のゼミの先生に言われたことがありますけど,ほんとにそう思いますね。
例えば,もっと調査用紙を印刷して調査対象を増やしていれば,金(と労力と時間)をかけていれば,この研究でももっといろんなことが言えたのかもしれません。当時はそこまで元気がなかったんですけど。

だから,何らかの知識を得るためには,お金はたくさんあった方がいいです。

また何か本でも買ってきます。

おわり。

頂いたサポートは、多分知識を得るために使われると思います。