Discover と Deliver フェーズにおける Solution Architect の役割

build サービスは、"お客様とともにデジタルビジネスを探索・実装・発展させる伴走型テクノロジーコンサルティングサービス" として提供しておりますが、一般的なコンサルティングサービスと違う点は "実装・発展させる" という部分までがセットになっている点です。

この記事では build サービスにおけるプロジェクトの進み方の概要として、 Product Engineering Methodology (以降 PEM と記載) について、Solution Architect という立場の人間がどのように関わっていくのかを解説します。

Solution Architect とは

build サービスで登場する各種ロールの詳細については別途説明の記事を投稿予定ですが、概要については下記記事を御覧ください。

Solution Architect (以降 SA と記載) とは、一般的な役割としては "テックリード" というポジションが近く、プロダクト開発におけるエンジニアのリーダーとして、特に技術面の活動に対して責任を持ちチームのエンジニアを引っ張っていく立場で、下記で詳細を説明する PEM のほぼすべてのフェーズでプロダクトに関わる重要な役割です。

PEM の全容

build サービスの原点は、北米の Slalom というコンサルティングファームが確立した PEM という手法であり、我々は PEM の内容を日本向けにカスタマイズしサービス提供しています。

引用元: https://www.slalombuild.com/pem

PEM は大きくフェーズ分けをすると、以下の 4 つに分けることができます。

  • Engage

  • Discover

  • Deliver

  • Transition

上記の図は主に Discover から Transition までがシームレスに連携されている様を図示したものです。各フェーズの詳細な説明については以降のトピックで説明しておりますが、全体を一言で表すと "適切なスコーピングでアイディエーション/プランニングを行い、MVP に向けて継続的に開発のサイクルを回し、継続的にプロダクトをリリースしていく" という表現になります。

Discover

Discover は本格的な開発サイクル (Deliver フェーズ) にスムーズに移行していくための準備期間と捉えることができます。プロジェクトの状況にも左右されますが、通常 1.5 - 3 ヶ月の時間を使って下記のような事項を固めていきます。

  • プロダクトアイデア

  • マイルストーン

  • 開発初期段階のアーキテクチャ

  • 開発で使用する技術やサービス

  • 自動化戦略

  • 品質・セキュリティ戦略

  • MVP スコープに含まれるプロダクトバックログ

SA は技術面でチームを引っ張っていく立場となるため、開発のサイクルにスムーズに移れるように、プロダクトの技術的な実現性 (プロダクトのコアとして定義されているものが、技術的に実現できることなのか) を確認し、具体的なアーキテクチャに落とし込んでいきます。

Discover フェーズの成果物としてアーキテクチャが策定され、使用する技術が一旦決定されますが、アーキテクチャはプロダクトとともに成長していくものであるため、開発フェーズに入ってからも必要に応じて常に更新されていくものになる点がポイントとなります。

Deliver

Discover が完了すると 開発フェーズである Deliver フェーズに入っていきます。

Deliver フェーズでは、基本的に 2 週間を 1 スプリントとしたアジャイル開発を行っていきますが、継続的な開発サイクルに入る前に Sprint 0 という準備期間があり、この間に開発環境の準備、CI/CD 環境の整備など開発をスムーズに行うための準備が行われます。Sprint 0 も規模により期間は前後しますが、おおよそ 3 週間の時間を使います。

Deliver は Discover フェーズで策定されたマイルストーンに従い、MVP リリースに向けて継続的に開発を進めプロダクトのアップデートを行っていきますが、先程も説明したようにプロダクトの成長に合わせてビジネス戦略や技術戦略、アーキテクチャなど Discover フェーズで策定されたものも絶えずアップデートされていくため、プロジェクトに明確な終了条件はありません。

Solution Architect は技術戦略やアーキテクチャのアップデートを行いながら、必要に応じて開発やソースコードレビューなども実施し、プロダクトに対して継続的に質の高いアップデートが提供されるように活動を行います。

スプリントやアジャイル開発のセレモニーについての説明は別の記事で掲載予定です。

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