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【1分で読める】9割の社会問題はビジネスで解決できる/田口一成

・ソーシャルビジネス:貧困や環境問題など、「儲からない」とマーケットから放置されている社会問題にビジネスとして取り組むもの。
・2007年に創業したボーダレスグループは、ソーシャルビジネスしかやらない会社。
・社会問題の解決は、政府や自治体、NPO、慈善活動だけでは限界がある。
・ソーシャルビジネスは、非効率を含んでビジネスをデザインする必要があるため、従来型のビジネスより難易度があがる。
・ボーダレスグループでは、新卒、第二新卒の場合には、3人一組に1000万円を渡している。
・1年後には、自らのビジネスプランを完成させ.「社長会」で全会一致の賛同が得られたら、会社を設立することができる。
・グループで共通のポケット=財布に入れ、新たなソーシャルビジネスへの支援に充てている。
・この仕組みは「恩送り」と呼ばれ、グループ内の相互扶助エコシステムの柱となっている。
・グループの重要事項は、全社長が参加する「社長会」で決定される。
※各社社長は等しく1票を持ち、一人でも反対すれば却下され、やり直しとなる。
・事業が黒字化した後も、営業利益が対前年度比で3カ月続けて下回ると、社長はリバイバルプランを示し、他の社長からの指摘や助言を踏まえて案を練り上げていく。
・経営者同士のコミュニケーションを重視し、全社長によるオンライン会議は月1、2回開かれ、孤立を避けながら自立を促している。

・このようにボーダレスグループは、独立経営を基本とする社会起業家の集まりとして活動している。だからこそ共通する考え方とルールを明文化している。
・「出資額を超える株式配当は一切しない」「経営者の報酬は一番給与の低い社員の7倍以内」といったユニークなルールもある。
・売上や利益とともに、社会問題に対して与えた影響を数値化した経営指標「ソーシャルインパクト」を重視している。
ex)貧困農家を助ける事業では、契約農家数と借金がゼロになった農家の数をソーシャルインパクトとしている。

・著者は精密機械部品などの専門商社ミスミに就職した後、25歳で独立。シェアハウス事業を経て、フェアトレードに注目し、高付加価値のハーブを取り扱うに至った。
・ミャンマーの小規模農家にハーブを無農薬栽培してもらい、それを安定した価格で購入することで、貧困から脱却するきっかけとした。
・仕入れたハーブは妊婦や授乳期の母親向けのハーブティーとして販売。「AMOMA」ブランドとして人気商品になった。
・連続でビジネスを成功させる一方、1年に1事業というスピード感には満足できず、社会起業家のためのプラットフォームに舵を切った。
・ボーダレス・ジャパンは、自分が事業を起こした時に欲しかった支援を仕組化したもの。

・ボーダレスグループのビジネスは、「ソーシャルコンセプト」、「制約条件」、「ビジネスモデル」の3つの要素で構成される1枚のシートを完成させることから始まる。
ソーシャルコンセプト:
対象者の顔が明確に見えるレベルで具体化する
制約条件:
非効率や高コストといったさまざまな制約を整理する
ビジネスモデル:
基本設計となる4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)や、差別化のポイントを押さえる。
※ボーダレスグループでは、「商品サービス」「顧客と課題」「今ある選択肢との違い」「顧客ベネフィット」という5つの観点から考えるようにしている。

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