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【1分で読める】SFプロトタイピング/大澤博隆、宮本道人、難波優輝

・SFプロトタイピング:サイエンス・フィクション的な発想をもとに、まだ実現していないビジョンの試作品=プロトタイプを作ることで、他者と未来像を議論・共有するためのメソッド。
・起こる出来事から逆算して今を考えるという「バックキャスティング」的な方法。
・予想外の未来を想定する際に有効。
・時間軸が20~30年先と長い。数十年先を正確に予測することは不可能なので、「こういうふうにしたい」という"意志を生み出す"ことがポイント。
・変化の激しい現代において、人類の文明の進化の方向性が自明ではなくなった。そのため自分たちの幸せや豊かさを再定義し、「どこに向かうか?」というビジョンを明確化する必要がある。

・SFプロトタイピングは、ワークショップ形式で行われることが多い。
・似たような手法である「シナリオ・プランニング」と比較すると、"人々を挑発する要素"や"楽しさ"はSFプロトタイピングの優位性があったが、"信頼性"については低かった。
※つまりSFプロトタイピングは信頼性は低いが、新しいビジネス提案につながるアイデアを生み出しやすい。
・SFプロトタイピングは、まだ存在しないマーケットなどに対し「ゼロから想像する」場合に効果を発揮する。
※前提としてビジョン・ドリブンの思想があり、プロダクトありきで販売方法やニーズを探るやり方とは異なる。
・中国のある地域で三つのレベルのSF教育を行っている。
小学校:想像力を守り育てること
中学校:想像力を物理学や数学、化学、生物学に応用する方法論
高校:SFを使った批判的思考や創造的思考の訓練

・SFの利点は、"共通言語"になること。
例えば論文を読むためにはある程度の学位や知識が必要だが、SFの物語はもっと多くの人を巻き込むことができる。
ex)ドラえもん、スターウォーズ、バックトゥザ・フューチャー
・こんなにうまくいくわけがない、と思われるものを「もしかしたらできるかも」に変える力を、SFプロトタイピングは持っている。
・AIやビッグデータの技術革新も相まって、一昔前は夢物語だと思われていたSFの中のテクノロジーが、いつの間にか実現して生活に浸透している未来は近い。


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