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小学校の体育って奥が深い!

なぜ体育の先生をやってるの?

とにかく体を動かすことが好きでスポーツの良さを伝えたかったから。
いたってシンプルな理由ですね。

学生時代、体育の授業をやっていていつも感じていたのが、いろいろな友達と競い合ったり、苦手な子を助け合ったり、仲間との関わり合いが多く、魅力的な教科だなと感じていました。

実は私自身、中学時代は問題行動が多く手のかかる児童だったかと思います。
でも、体育では比較的真面目に取り組むことを大切にしていたのかなと思っています。

こんな素敵な教科を教える教員になりたい!と思い、体育教員になりました。
現在は、小学校の教員なので体育に加え、国語や算数なども教えていますが、体育の授業も学級経営には欠かせない教科だと考えています。

素敵な教科の体育のはずが、なぜ運動離れが起こる?​

グラフをご覧ください。

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これは毎年スポーツ庁から出される体力テストを受けた小学生を対象に調査をしたグラフになります。
男子の約93%、女子の約87%が運動をすることが好きもしくはやや好きと答えています。
ほとんどの小学校の子どもたちは運動が好きなのがわかります。

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こちらは中学生のグラフになります。男子は約90%、女子は約81%と女子のやや好きと好きの割合が少し減っているのがわかります。男子はあまり変わっていないように見えます。
一見、全体的に見ると運動好きな子どもの割合はあまり減っていないように感じます。

しかし、やや好きの割合を比べてみるとかなり変化が見られるのがわかるでしょうか?

男子 小学校 20.9%→ 中学校 36.9%、女子 小学校 31%→ 中学校 42.9%

1割以上の子どもたちが少し運動に対しての印象が変わっていることがわかります。女子の中学校に関しては、やや好きと好きの割合がほとんど変わらないということが見られます。

体育の教師として、非常に残念な数値ではありますが、年齢が上がると共に様々なことに多感になり、運動以外のことにも興味を持ち始めるからなのかなと思っています。
運動離れは致し方ないのでしょうか…

体育の授業は好きでしたか? 

私は冒頭にも述べたように体育の授業が大好きでしたが、皆さんはいかがでしょうか?

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こちらも緑が小学生、オレンジが中学生で先程と同様のグラフになります。
小学校はどちらも小学校の体育の授業が楽しいという児童は9割を超えるのに対して、中学校はどちらの割合も下がっていて、女子の場合、1割近く下がっているのがわかります。また、先ほどのグラフと同じようにやや好きという割合が中学校になると小学校よりも15%以上増えています。

今まで好きだった体育が中学生になると少し印象が悪くなったり、嫌いになったりしてしまうことがわかるかと思います。

今回、グラフには出ていませんが高校生になるとこれらの割合が低くなっているのが現状です。

中学校、高校の体育の授業が悪いの?

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このデータを見ると小学校の体育の授業がいい!と思っている方が考える方が多いかと思います。確かに中学校以降の体育の授業は、ゲームがメインで教員は椅子に座って授業の様子を見ることが多く、実技試験だけ記録を取っている授業が多かったと思います。

これでは、運動が得意な子だけが活躍し、高い評価をもらい、運動が苦手な子は自然と運動から離れてしまいます。

全国の体育教員が上記のような授業しているとは思っていませんが、私自身、前任校は高校の体育教員だったので苦手な生徒へのアプローチは足りなかったのかなと小学校に赴任してからものすごく痛感しています。

では、なんで小学生は体育の授業が好きなの?

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やはり小学校の体育の授業がいいのでしょうか?

私は決してそのようなことはないと思っています。
なぜかというと小学生くらいの年代は体を動かすだけで楽しいと思う子どもが断然多いのです。特に小学校一年生は、全力で走るだけでニコニコ笑顔で溢れます。ただ動かしているだけという訳ではないですが、小学校の体育は運動をする機会を作ることが体育の役割になっていると思います。そのため、運動技能を習得するための考え方や見方、関わり方に関してはあまり学ばずに中学校へと進学している子どもが多くいるのではないでしょうか。

私は、子どもが中学校、高校にかけて体育を嫌いになってしまう割合が増える原因は、小学校の体育だと考えます。
現在の公立小学校の多くは全教科、学級担任が教えます。なので、その教員の中にも運動嫌いの教員もいます。
先ほどのグラフから予想すると体育を教えるのが苦手な小学校教員は多数いることが考えられます。
その教員たちが教える体育は、恐らく中学校や高校で教わったような授業に近い形であったり、ただ動かしていたりしている授業が多く行われていると思います。

実際に、公立の小学校教員対象の体育の研修に参加すると体育大学出身者では当然わかるような内容を研修で行っているのが現状です。


私は小学校に赴任してから小学校体育がどうあるべきか、考えるようになり、様々な研修会に参加し始めました。そこで学んだことを高校教員時代や現在の学校での経験を織り交ぜて自分なりに解釈し、少しでも多くの人に伝えていきたいなと考えています。

どのような体育の授業をするのがいいの?

ここからはあくまでも私の考えであり、全てが正しいとは限りませんが、体育の授業を作る上で大切にしていることです。

①運動技能が「できる」を目標にするのではなく、「わかる・できる」を目標に授業を作る。

②運動を苦手とする子どもを体育やスポーツを好きなってもらう。

③助け合い、学び合い、関わり合いのある授業。

この3つを大切に授業を作ることを目標にしています。
これは小学校の体育だけではなく、中学校や高校の体育の教員をやっている人にも大切にしてもらいたいなと思っています。

なぜこの3つを大切にしているのかや、その具体的な授業方法を次回以降、小学校体育バージョンのマガジンとしてこのnoteで記していきたいと思います。

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