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海外で働くということ(2): 海外で働く環境 / Work Overseas(2): Environment to work in overseas

最初にも書きましたが、自分はシンガポールでの勤務経験しかないので、あまり一般化してどこの国に通用するようにかける自信はありません。ただ、労働環境って、その国の成り立ちに依存しているケースが多いと思うので、こんな環境がありますよっていう話をする前に、シンガポールという国の特徴を簡単にまとめてみたいと思います。自分が希望する国の生い立ち・背景に置き換えてみたら、どんな労働環境があるのかある程度想像できるかもしれません。

- シンガポールという国の歴史はすごい浅い。第二次世界大戦前はイギリスの植民地。一時日本が占領したけど戦後、独立。元を遡るとマレーシアの一部、ジョホール州の島だった。- イギリス植民地時代から中東・欧州方面とアジアを結ぶ貿易のハブとなっているロケーション。- 独立したものの資源はほとんどなく、水ですらいまだに75%はマレーシアから輸入。色々な国と関係性を等しく保つのは生存する意味でもかなり大切。- 独立後の指導者が置かれている環境を正しく把握し、貿易や金融など資源い頼らないビジネスを大きくできるように様々な国策を展開。人口も外国人労働者入れても560万前後。かなり国による管理・規制は厳しいが社会環境に応じて臨機応変に対応している感じ。

まあ細かいところは、Wikipediaでも見てください。一つ言えることは、元々何もない国なので、シンガポール資本の会社もありますが、いわゆる外資系の会社も多数あり、そして東南アジアおよびインドをはじめとする優秀な人たちが集まっている、もちろん欧米からも主に金融系の人たちがきているみたいな労働力な状態です。ニューヨークとかそういうビジネスとしも色々な人があつまっていると思いますが、様々な人が同じ場所にいるという意味ではシンガポールは世界でも結構トップの方に入るんじゃないかと思います。出身国が違うのは当たり前、当然価値観や考え方、生活習慣などが入り乱れているという意味では幕内弁当みたいな国だなと感じます。

そんな背景をベースに労働環境について書いていきたいと思います。労働っていう意味でいうと、ここでは一旦、企業に就職する観点から書きたいと思います。もちろん起業することで働くっていうのもありますが、そもそも起業するとなるとチャレンジ度合いが全然違うし、自分には経験がないので、そういう経験がある方に書いてもらった方が適切ですし。

1. 業種
まず、特徴にも書きましたが、貿易(海運・商社)、金融系の企業はほとんどグローバルレベルで経営している会社が大半を占めている感じでしょうか。アジアエリアの本社を置いている会社がメインです。そのほかにはシンガポール独自のマーケットにサービスを展開する会社などありますが、国土が狭く、資源も取れないので、第一次・第二次産業は基本的に限られてるので、メインは第三次産業であることはいうまでもありません。

この辺は、完全に国の成り立ちによってことなるので、どこかの国にいきたいっていうのがありきで仕事を後から探すなら、しっかり調べておくといいでしょうね。

2.企業の種類
前述のとおり、国策で外資系企業の誘致などが盛ん、貿易や金融がメインということもあり、ローカル企業以上に、外資系企業が非常に多いイメージが日本に比べるとあります。日本人がこういった海外の土地で働くとなるときに、求められる役割等が異なるので、それぞれで書いて見たいと思います。

シンガポールで働いている人といろいろ話して理解した自分は経験してない情報も多分に含まれるのですが、なるべく客観的な事実をベースに書きたいと思います。

- 日本資本企業(アジア地区の本社だったり、シンガポールマーケットのための支社・支店)

一番ここがイメージわきやすいかもしれませんが、働く環境っていう意味で考えると就労形態が主に2つあります。日本から駐在員として派遣されるか、ローカル社員としてシンガポール支社に採用されるかで大きくことなるのです。

日本で生活していると大半の人が想像する・期待するのは駐在員として派遣されるイメージじゃないかと思います。期待されるのは本社との橋渡しであったり、ローカルメンバーのマネージメントやブランドの展開というところがメインとなります。ただ、自分で選んでこれるかというと、会社の業務命令によるところ、職種や業務により、条件は結構限られているとも言えるかもしれません。前の記事にも書きましたが自分なんかはたまたまその流れに乗ったという感じで最初から希望していてうまくいったかどうかはなんともいえないと思います。

逆に、日本資本企業へのローカル社員としての就職。これが実際にその環境に飛び込んで見ないと見えづらいのですが、自己責任において選べるという意味では、駐在員よりもチャンスは多いかなというイメージがあります。また企業側からすると、そこそこのニーズがあり、隠れた求人マーケットとも言える気がします。旦那さんの駐在に伴って、日本で仕事をやめてきた奥さんが現地で働きたくて応募するケース、海外で働きたくて、日本のエージェントから現地採用として紹介されるケース、また元々その国に住んでいて見つけるケースなど多々あると思います。

働く側の観点からすると、メリットは何かと言うと、会社にもよりよりますがマネージメントレイヤー、また現場には大抵日本人がいるので、コミュニケーションや圧倒的にしやすいことが多いと思います。言葉以上に価値観・背景などを共有できているというのは大きいですね。別にそれによってビジネス上ポジション優遇されるかどうかはわかりませんが、初めて海外にある土地で働く時にはすごい安心感はあると思います。会社によっては単に海外というロケーションで、日本で働いてるのとかわらなくない?みたいなケースもあるかもしれませんが。

企業側としてのニーズもそこそこあるようで、日本の文化・カルチャー・そしてまた日本語が喋れることで、日本本社とのコミュニケーションなどがスムーズに進む。また、駐在員と違って、日本から派遣とならないので人件費コスト含めて安く済むなどなど。

課題としては駐在員の日本人と同じような仕事レベル・業務内容を求められることがあるのに、給料・手当が大きく異なることで不満を抱えるケースがあるというのがあります。ただ、駐在員の人は基本的に期限がありますし、自分の意思だけでその国に駐在し続けることはできません。必要以上に守られていると見る人もいれば、好きじゃなくて業務命令で止むを得ずきているという人もいます。どの立場だとしても、個人の価値観にもっとも依存するところなので、どっちがいいとはいえませんが、事前に理解・納得しておくと、後悔しないですむので、大切な点と思います。

- ローカル企業(政府系だったり、民間系だったり色々あり)
政府系企業は特に日本から突然きた人にとっては、一番入りにくい企業かもしれません。特にシンガポールではシンガポールの大学を出ている、またはシンガポーリアンと結婚して、ワーキングビザではなく、移住ビザ(シンガポールでいうPermanent Residenceなど)などを持っている必要があるなど、明確に条件となっているケースもあれば、見えないバリヤーになっているケースなどあります(証拠はないので噂、推測の範囲ですけどね)。民間企業であれば、専門性などがあれば、可能性は全然あると思います。ただ、日本の企業で働くとは違う世界があるのである程度、フレキシブルに環境に応じれる気持ち構えは必要な気がします。何れにしても、自分のように親も日本人で過去に海外で生活したことない、ゆかりもないみたいなケースでは相当チャレンジな環境な気がします。

- 外国資本企業(欧米・中国、その他色々。)
日本資本企業の次に、日本人が働いているケースが多いのがこの環境じゃないでしょうか。そもそも日本にある該当企業で勤めてたけど、海外で働きたいと希望して、駐在ではなく、単に同じ会社で国を変えて異動したというケースです。グーグルなどの企業では同一職種のままで、所属する国を変えることが比較的容易なケースもあるようですので、日本から出るという観点では実現がしやすのかもしれません。ただ、そもそも日本において外資系に勤めているってことは、そこそこ英語ができる=過去に親と一緒に海外居住してたとか、そもそも海外に強い興味があって、留学経験とかいろいろある人が多いように思えるので、自分みたいなケースではそもそも前提条件が難しいように思えます。

こういった企業において日本人が入ると、当然ですが日本に関係する案件・クライアント任されることが多いようです。その時に、日本企業のクライアント・要望の細かさと、その企業内での考え方(枝葉のクオリティよりも合理性優先)の間で結構挟まれることが多く、立ち回りが難しいという話を複数の人から聞いたことがあります。日本にある外資系にある場合は、その国のマネージャー自体が同じ問題に悩まされているので守ってもらえるケースもあるようですが、日本ではない別な国のマネージャーからすると、日本企業クライアントの要望、交渉などについて理解ができないケースがゼロではないようで、そういった難しい状況に立ち向かう必要があるようです。

結論から言えば、直接海外にきて仕事を探すという方法をとるのであれば、やはり日系企業でローカル採用としての経験を積んで、その国の就労環境・生活自体になれることを第一にステップにするというのが、一番無難なスタート方法じゃないのかと思います。もちろん、駐在として来れるチャンスがあれば越したことはないとは思いますが、どことなくお客様・いつか日本に帰る人扱いになることもあるので、パーフェクトとは言えなさそうです。次のステップとして、その国が気に入ったら、ローカル企業や外資系の企業に転職するなどの方向に変えてもいいかもしれませんね。

繰り返しになってしまいますが、自分と同じように海外という世界・英語という世界が遠かった場合の人から見たときの視点なので、もちろん英語堪能・海外在住が長かった人の視点からすると納得のいかない点もあるかもしれません。

次回は、海外勤務した(していること)ことでよかったこと、悪かったことをまとめて見たいと思います。



日々ぼけっと生活してしまっていますが、他の人にもなんらか価値のある情報や自分なりの視点を何か持っているはずと信じてnoteをはじめました。 自己紹介はこちら https://note.mu/t_kis/n/n768f4613e0ef