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春の夜に蝶々結びを教はる子

「これできる?」
ママが器用な指さばきで紐を結ぶ。
その様子を凝視している六歳息子。
先日、水着の紐が自分で結べないことが発覚。
蝶結びを教えていなかったから。
小学生になるまでに――と毎夜のレッスン中。

その過程で、私の結び方も正式な蝶結びでないことが判明。(な!)
輪っかを作るのが逆らしい。
「タテ結びなのよそれ」
人生で何も問題なかったけどな……

デパート仕事でリボンは妻の日常作法。
呼吸するほどに身についている。
ちなみに「蝶結び」と「リボン結び」はまた別物らしく。
「リボンは難しいから覚えなくていいよ」

「これできる?」
悔しい私が反撃の狼煙。
手の親指が途中で切り離されるマジックを横で披露。
「僕できるよ」と息子。そう、昔教えたもんな。
「すごーい。ママできない」
ふふ、マウントを取り返した。

さらに息子が続く。
大きく広げた鼻の穴に親指を左右突っ込む技を披露。
それも私直伝。
「これできる?」
「やりたくない。……てかパパ、何教えてんのっ」


左がちょうちょ、右がリボン

春の夜に蝶々結びを教はる子

(はるのよにちょうちょむすびをおそわるこ)

季語(三春): 春の夜、春夜(しゅんや)、夜半(よは)の春



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