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円キャリートレード

今回は円キャリートレードについて、取り上げる。

一般に、円キャリートレードとは、主に日本と米国等の高金利の国との金利差から収益を得ることを目的に、円ショートポジションを構築する取引と定義される。投資家は期中の為替レート(スポット)の変動リスクを負うが、ポジション保有中に円安または内外金利差の範囲に収まる小幅な円高であれば、当該ポジションからトータルでプラスのリターンを受け取ることができる。

野村證券



足元の円キャリーポジションの見方として、銀行のバランスシートの状況等が挙げられるが、短期的な為替レートの動きを予測する上では、CFTCの週次データが、円キャリートレードのポジションを測る上で最も一般的な指標とされている。

挙げられている理由としては、
1) データが週次で更新されリアルタイムのモニタリングに適していること
2) 円相場の短中期の値動きを主導していると思われるレバレッジドファンド等の投機筋のポジションデータを含んでいること
3) 過去の為替レートの値動きとの当てはまりが比較的良いこと、が挙げられる。

実際のポジション状況をみると、
円安が進む中で円売りポジションが増えていることが見て取れ、日米で金利差が拡大する中で、キャリートレードが増えている模様。

直近の動向では、8月以降、円ポジションは既にネットロングに転じており、年初から積み上がってきた投機筋の円キャリートレードのポジションはその大部分が概ね解消済みとみられる。

一方で、本日の日経新聞の記事では、個人投資家の円売りトレードが再開してきているとのこと。機関投資家は「順張り」を好むのに対して、個人は「逆張り」を好むためだ。
急激な円高となった場合はロスカットに迫られる可能性もあること、個人投資家のロスカットを狙った投機筋の円買いポジションにより、今度は投機筋起因でなく個人が円高のトリガーになる可能性が残っている。

但し、円ロングにはキャリートレードとは逆に保有コストがかかることからポジション観点から円が急騰するリスクは低いのではないか。


もう一つの円キャリー膨張も FXの「円高地雷」に注意:日本経済新聞

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