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ポップコーンは買わない派です。vol.71

朝が来る

不妊と望まない妊娠の間にいる子供ってどんな気持ち?

予告編

あらすじ

栗原清和と佐都子の夫婦は一度は子どもを持つことを諦めるが、特別養子縁組により男の子を迎え入れる。朝斗と名付けられた男の子との幸せな生活がスタートしてから6年後、朝斗の産みの母親「片倉ひかり」を名乗る女性から「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」という電話が突然かかってくる。当時14歳で出産した子を、清和と佐都子のもとへ養子に出すことになったひかりは、生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心やさしい少女だった。しかし、訪ねて来たその若い女からは、6年前のひかりの面影をまったく感じることができず……。

はじめに

コロナ禍になって久しい昨今、ステイホームやらなんやらで学校や会社にいけなくなってしまう事態が続いているところも多いところでしょう。

そんな中で、急増しているのが

10代の「望まない妊娠」問題。

相談件数で言うと昨年の3倍になるという。

望まない妊娠をしてしまうと学校にいけなくなると同時にその子供をちゃんと育てられるのかが問題になってくる。ましてや未成年での妊娠なんてのは大変なことだ。

その対照にあるのが「不妊」の問題。

子供が欲しくても生殖器等が原因でうまく受精することができず子供を授かることができない夫婦が多いことも事実だ。

今回紹介するこの「朝が来る」という作品はこの両方の境遇を軸にして物語が展開していくものです。

この映画で強く感じるのは、

「表面的なことを汲み取って解決に持っていこうとしても根本の改善にはならない」

ということです。結局もっと深いところの問題を解決しないと意味がないのではないかということなんです。

産みの親と育ての親、その間の子供

この物語の大きな核の部分です。

望まない妊娠をしてしまった側と子供を授かることのできなかった側の間を取り持つ団体によって互いの利害を一致させることで子供の行き場を解決していくという場面があります。

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これこそ人間のエゴの塊でしかない最悪な状況です。

前者も後者も可哀想ではあるけれども、結局自分の過ちによってその結果になってしまったのではないかと言わざるをえないように感じます。

そしてそれを取り持つ特別養子縁組団体もそれでビジネスをしようとするある意味のエゴ。本当にそれをしたいのならお金がなくなっても、ビジネスとして成立しなくても支援し続けるべきことなのに。

なぜかこの映画を見ているときに切ない気持ちになってきて、それってなんでだろうって思ったときに、その人自身が悪くないのにって思えるからだと思ったわけです。

つまり、責任の所在がどこにあるかわからないということです。

なんの罪のない新しい命はどうするの??

でもこれのよっていろんなことを考えるので、観客に考えてもらうための制作側のテクニックなのかもしれません。

本当は妊娠してしまった原因を探ってそれを改善したり、不妊になる原因を探ってそれを解決することの方がよっぽど本質的な解決方法なんです。

表面しか汲み取らないメディアと世間

これまた問題なのがメディアの伝え方。

例えば殺人者の逮捕のニュース。殺人した人が逮捕されました。こんな感じで殺しました。供述はこんなことを言っています。死刑になりました。なりませんでした。

これで汲み取れる情報は容疑者=圧倒的悪ということ。もちろん殺人は許されない。絶対に。でも、犯人を人を殺すまでに追い込んだ相手側、もしくは社会にも責任が少なからずあるんじゃないかって思う。

私は実家に住んでいるが、そう言ったニュースを見てすぐに人殺した奴は死刑で当然だという話がたまに上がったりする。これは安直すぎるし、危険な議論です。そういう人を生まないために自分には何ができるかの方が重要でしょ。

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これはパラサイトでおなじみのポン・ジュノ監督の言葉です。

「報道の表面だけでは察知できない部分がたくさんある 。その結果に至るまでの脈絡を追っていけるものが映画の真の力である」と語っています。

これを踏まえると、「朝が来る」という作品は日本における社会問題をてらし出しているものであるし、その社会問題に対する真実を知る人が少ない分この作品の意義はとても大きいと考えます。

性教育の重要性

作品の内容に戻りますが、作品の中で大きな物語の軸の一つとなっている望まない妊娠をしてしまった片倉ひかり。

彼女は初めての彼氏と初体験をするのだが、避妊をしなかったのだろう。子供を授かったのだ。

これは完全なる性に対する知見のなさが顕著に現れている。

避妊をあえてしないことに快楽を求める人もあるらしいが、計画してない妊娠は女性の人生を狂わせてしまう。

特に学生なんかは。

きっと男の方は一緒に子育てなんてできるわけないと思うし、そんな覚悟持てないだろう。覚悟がないならちゃんと避妊しろよって話になってくるよね。

そういった最悪な状況を防ぐためにはやはり正しい性の教育が大切であると思うわけで。

「17.3 about a sex」

というドラマを知っているだろうか。これはアベマTVでみることのできるドラマなのだが、特に女性に対しての性教育が詰め込まれている内容であるのはもちろんのこと、若者にも受けの良さそうなヴィジュアルにも注目したい。

テレビでもいいのだが、テレビだと性的ドラマを家族に見ていることがバレてしまうのは恥ずかしいと思うこともあるだろう。全然やらしい意味じゃないのに。

あえてネット上で、という環境は強みを活かしいるという点で性教育が広がっていく良い例なのではないかと思う。

また、昨今ではYouTubeで性教育を展開するユーチューバーも増えてきているようにも思える。

最近でいうとバラエティ番組でもお馴染みのSHELLYさん

このようにちょっと調べただけで様々なコンテンツで溢れています。

きっと学生の皆さんも性への興味はあることでしょうから、自然と目に入ってくることでしょう。

信頼できるソースから正しい知識を身につけて、パートナーのことを気遣える素敵な人になれるようにしましょう。

最後に

小学校の高学年の時に男子だけ退室させられて、女子に秘密の話をするという時間がありましたよね。

しばらくしてから生理のことについて話していたことがわかりますが、今思うと女性の生理についてもどこかしらのタイミングで知っておく必要があるなというか。

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女性にとっては大変な時期が月に一度訪れるわけです。それを知らない男性陣の心ない一言に多くの女性が傷つけられてきたことでしょう。男性は悪気がないのです。

だからこそ、男性陣はパートナーのことをもっと大切するには生理については勉強しておく必要があると思うのです。

ある意味学校でわざわざ教える必要もないというか。先生もいろんな方向に気を使わないといけないし。こんだけ世の中に情報が溢れているのだから自ら情報を取りにいくのも勉強になると思うので、気づくきっかけが欲しいかもですね。学生は。

恋せよ学生諸君。←




誰が何言ってんだ。

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