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ポップコーンは買わない。vol.98

狐狼の血


ヤクザ映画ってなんか見ちゃうよね。

全裸監督も同じことが言えるのだけれど、ヤクザやエロの要素がある映画ってなんか観てしまう。それも全く眠気を感じることなく。

配信の映画鑑賞あるあるとして挙げられるのが、眠気との闘い。自宅で観られるというメリットがあるのはいいと思うのだが、その安心感が故に激しい眠気に誘われてしまうこともしばしば。

そんな中で、ヤクザ映画というのは不思議なことに全く眠くなることなくあっという間に観れてしまうのだ。

これはなぜなのだろうか。

調べてみると、このように出てきた。

ヤクザのように世間の一般常識から外れた倫理観をもつ世界を珍しいものとして覗きたい気持ちがあるでしょう。また、一般の人々が普段は良識を以って抑制している暴力性や欲望などの心の中のもやもやを映画の中で解放してスッキリするという効果も人気の理由でしょう。「ヤクザ映画」と一言でいってもその歴史は長く時代の評価にともなってその内容も変遷しています。つまり「ヤクザ映画」が人気があるのではなく、人々が見たがる人気のある映画の題材が「ヤクザ」なのだと言い換えることができるかもしれません。

我々は抑制されている暴力性や欲望の開放を映画に対して求めているのはあるのかもしれない。

広くみれば非日常への憧れ。

映画館に入る前と出た後で人間が変わったような感覚をもったことがある人は結構いると思う。

具体的にいえば、映画の登場人物に自分を重ねてその発言や行動を真似したくなってしまう衝動というかね。

ヤクザになりたいという憧れがあるわけではないのだが、一般常識をこえて行われる一挙一動が我々にとってストレスの開放に繋がっているのは自然な気はするんだけど、変な感じがする。


アナキンがダースベイダーになった時の感覚と似てるところあるんよ。

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主演の役所広司の相棒役として登場する松坂桃李。ここでも君は出てくるんだね。日本映画界の宝ですね。

シンケンジャーをやっていた時を懐かしく思うよ。。

役所広司演じるマル暴刑事のガミさんの後を継ぐ形で次回作に続いていくのだが、松坂桃李演じる日岡という男が徐々にマル暴として生きていくしかなくなるというか強く決意するまでの気持ちの移り変わりが見事で、

アナキンがシスに堕ちていく感覚と似ているようにも感じる。

堕ちてはいないだろうが、容姿の変化や言動の変化、でも芯は変わっていないその感じはまさにアナキン・スカイウォーカーがダースベイダーになった瞬間と似ている感覚がある。

次回作がめちゃくちゃ楽しみになってしまったではないか。

マル暴という仕事。

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役所広司演じる大上という人物はマル暴刑事として捜査をしている。

マル暴というのは

暴力団に関する事案を取り扱う警視庁組織犯罪対策部や各道府県警察刑事部捜査第四課、もしくは部課員の通称

ということで、見た目はヤクザそのもの。これが警察!?と疑ってしまうほどだ。

全裸監督でもリリー・フランキーが演じる警官はヤクザとの癒着がささやかれている怪しい存在として印象に残っている。

それと立場は同じである。

大上はなぜマル暴としてヤクザに片足突っ込みながら警察の仕事をしているのかというのは少し疑問に思うところがある。

劇中で、大上は

「ヤクザをうまいこと飼い慣らしておくのが俺の役目」

的なことを言っていた記憶があって、そんでよきタイミングで逮捕し牢屋にぶちこむというのが彼のやり方らしい。

確かに、本作で印象深く登場する豚小屋は飼い主と豚という関係性が見事に比喩として印象付けられるモチーフであった。

全裸監督でちょくちょく出てくるリリーフランキーも家畜を飼い慣らし、太らせ、出荷、つまり逮捕するという比喩を使っていたのは共通している表現なのかもしれない。

最後に

何気なしにNetflixで再生したのだが見事に見入ってしまい、2時間あるのにあっという間に観終わった感覚だった。

これよりも前に同じことが全裸監督でも起こった。

なんなんだこれは。。。

社会の裏というのは皆が興味そそられるモチーフであることは間違いない。

だけど、どうしても少しセクシーなお店やそういったお店が立ち並ぶ街を歩いているとスパイシーな雰囲気を感じてしまい、楽しみたさ半分、早く抜け出したさ半分という感覚は忘れられない。

大阪の飛田新地、新世界のメイン通りを少し中に入ったところなどはとてもスパイシーで刺激的である。あとは横浜の伊勢佐木長者町の一部も。

そういったお店には勇気がなくていけたことはないが、なんかちょっとでもミスったらどこからともなく怖いお兄さんたちが出てくるのではないかとビクビクしてしまう。

人間の裏をみたいという衝動、これは映画でとどめておいた方が良さそうだ。

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